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020. なぜ脂質は考えなくていいのか?

 これまで一貫して、糖質の制限の仕方について説明させていただきました。

 一方、これまで最も注目されていた、カロリーは気にしないでいい、脂質は気にしないでいい、ということも言っていて、不安に思われるかもしれません。

 脂質を多く含む食品を食べたら、脂肪がついたり、コレステロール値が高くなって高コレステロール血症(脂質異常症)になってしまう、と思われている方も多いと思いますが、数々の研究データでそうではないことが示されています。
 実際、2015年以降、アメリカの「食生活に関するガイドライン」、さらに「日本人の食事摂取基準」からはコレステロールの摂取制限がなくなっています。
 また、Lancetという医学雑誌のとても有名なPURE研究(2017年)では、
炭水化物の摂取が多いほど全死亡のリスクが上昇する一方、逆に脂質を摂ると全死亡のリスクが低下する
脂質の摂取量と種類は、心筋梗塞・心血管疾患の発症と関連しない
 という研究結果がでて、ますます糖質制限ダイエットの推奨が後押しされています。

 脂質を多く含む食品を食べるから、体に脂肪がたまっていくのではない、ということは、脂をたくさん含んだ霜降り和牛が、決して脂質の多い食事をしているから霜降りになるわけではなくて、たくさんの牧草(つまり炭水化物)を食べているからであることを考えてみたらわかることかと思います。

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 脂質の細かい種類については、動物性・植物性、そのほか飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸・トランス脂肪酸など、たくさん種類があります。オリーブオイルなど体にいいとされている不飽和脂肪酸もあれば、いや飽和脂肪酸の摂りすぎは良くない、など選別するのは難しいかもしれません。

 ひとまずどうしても知っておかなければならないことは、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸の摂取は避けた方がいいということです。

 いくら、糖質を制限した分、脂質を多く含む食事でも構わない、と言っていても、健康に悪いもの(トランス脂肪酸)を多く摂取することは体に害になってしまうので、気を付けてください。

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