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ハリウッド3大俳優のキャリアについて考えてみた その3 ジョニー・デップ編


前回に引き続き、

今回はラスト、三人目の俳優について、書いてみようと思います。

※あくまでイチ洋画ファンの思ったことなので、大目に見てください。あとちょっと時期とか年とか間違えてたらすみません。

そして、今回は大ファンの方には結構耳が痛いかもしれないです。けど心をこめて書きます。ご了承ください。


三人目はこの方!

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ジョニー・デップ

について。

現時点でのフィルモグラフィーはこちらをご覧ください。


今回、このプチ連載をなぜ始めようと思ったかと言えば、ジョニーについて考え始めたことがきっかけです。

私がジョニーについて知った作品は

「妹の恋人」

確かこの「妹の恋人」だったと思います。
レンタルビデオ屋さんで見つけたのを借りて観たのをなんとなく覚えています。私は確か中学生かな。

あと、こちらも

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今となっては名作となった

「シザーハンズ」

ティム・バートンとの作品でカルト人気な作品ですよね。この作品は私より妹の方がもー大好きで(笑)何回も一緒に観ました。妹は毎回号泣も号泣で(笑)
私はそこまでではないけど、「ちょっと変わったいい映画だな」くらいに思ってました。エドワードのキャラ設定抜群だし、ジョニーが不思議な説得力で演じてますよね。

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確かCMでのシャラメのリメイク、ウケたな(笑)

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ウィノナ、ライダーとは付き合ってましたね。

で、高校生の時にこの作品に出逢います。

「ギルバート・グレイプ」

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いきなりですがこの作品、私の人生で1、2を争うくらい愛してる映画なんです!!


小さな田舎町の本当に小さな話。けど、私にとって自分の青春時代から今に至るまで支えてもらっている大切な作品です。

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ジョニー演じるギルバートは当時心の支えというか。繊細で家族の重荷を抱えながら生きている冴えない役。だけど大好きで。この時の演技はおそらく半分演技じゃないような。最初に言ってしまうと私のジョニーの演技はこの作品がベストかなと思っています。

あと、知的障害のある弟役の

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いわゆる「レオ様」になる前のレオナルド・ディカプリオも、私にとってはこれがキャリアベストです。アカデミー助演男優賞にノミネートされたり、この作品ではレオの方が注目を浴びていたかもしれません。はっきり言ってこの映画では天才です。私は何回観てもアーニーにしか見えないです。

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ジュリエット・ルイスもとても可愛かった。

偏った観方かもなので、異論ある方は多々いらっしゃると思いますが(笑)仕方ないんですよ~。こればかりは。多感な時期に観て心から愛してた作品は永遠なので。先日久しぶりに観直しましたけど、やっぱり大好きで泣きました。今回はジョニーの話なので、この作品についてはまた別の機会に思いっきり語れたら。

一つだけ、もうちょっと書くと

このインタビュー観てると「撮影時はどうしようもない酷い時期」だと話してますね。もともとジョニーは少年期にドラッグにハマったりタフなイメージでは無く、

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あまりにも有名な友人リヴァー・フェニックスが93年にジョニーの所有するクラブで亡くなったり、確かにこの時期前後あたりは精神的には安定してなさそうな感じがあったのかもしれません。


で、「ドン・ファン」も観たりしましたが(笑)、次の作品

「エド・ウッド」

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ティム・バートンと再び組んだこの作品も結構好きでした。ジョニーはじめいい配役だし、ジョニー演じるエドが個性的で。マーティン・ランドーがアカデミー賞とっているし、ビル・マーレイも良かったです。この時のジョニーの演技もやりすぎずな感じで。

また

「デッドマン」

この作品はジム・ジャームッシュ監督。どんな話だったか正直あんまり覚えてないのですが、変わった作風の役が続いて。この頃には完全にカリスマ人気だった気がします。もうクセのある役ばかりですね。

その後に、

「フェイク」


「フェイク」でアル・パチーノと共演。私この映画が好きで。潜入捜査に苦悩するFBI捜査官の役で「ああ、ジョニーっていい役者だな」って実感した作品の一つです。

そして

「スリーピー・ホロウ」

私はティム・バートンとの作品ではこれも良かったと思います。ちょっとコミカルな役で、「シザーハンズ」よりさらにゴシック的なホラー要素ありの映画。ちょっと怖いけど雰囲気とか好きでした。

と割と作品が続いた中、

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「ショコラ」


「ショコラ」で「ギルバート・グレイプ」のラッセ監督と再びタッグを組み。

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私的にこの「ショコラ」のジョニーの役は絶妙で。

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まあどちゃどちゃにカッコいいのはもちろんなんですけど(笑)、ナチュラルなんですよ、演技が。個性的な役もいいのですが、私はジョニーの演技はこういう素に近いように見えるような自然な感じの演技が好きで。この役は設定がジプシーっていう今までの個性を上手い感じで引き継ぎつつ、恋の相手としても違和感ないようないい役だったと思います。映画は当時「アカデミー賞にノミネートされるほどか?」という賛否もあったみたいですが(笑)、私は好きでした。

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「耳に残るは君の歌声」もありましたね。「スリーピー・ホロウ」クリスティーナ・リッチーと再共演。この組み合わせ、良かったと思うんです。クリスティーナと相性良かった。これケイト・ブランシェットも出てましたね。懐かしい。

「シークレットウィンドウ」はただかっこいいってだけで観た(笑))

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と、ジョニーはブラッドほどの鋭い作品チョイスセンスはないけど、自分のこだわりはキアヌよりは持ちながら(笑)、個性派かつカリスマな演技派俳優としてぐんぐん人気を博していった印象です。

そうこうしているうちについにこの作品が!

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出た!「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズが!


私がいうまでもないのですが、この作品、めっちゃバカ当たりした!!!個人的にこのシリーズ1は面白かったんですよ!

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この作品で「ついにジョニーもメジャー作品主演作大ヒットか〜」と思ったのを覚えてます。このジャック・スパロウの役、ジョニーも気に入ってたんですかね、キース・リチャーズ引っ張り出して来たり(笑)私もこの役自体は悪くないと思ってて。愛されキャラとしていい役だったとは思うのですが。やっぱり続編出ると1よりは面白くなくてだんだん残念感が漂うように。続編はどうしてもそうなりがちだし、今みたいに「続編だからつまんなくなる」ことを避けるみたいなノウハウを追求したシリーズでもなかったと思います。

そして、

「ネバーランド」

確かこれでアカデミー賞にノミネートされた気がします。私もこれ割と好きでした。ただジョニーよりケイト・ウィンスレットの安定感凄い。

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バジェットムービーが大ヒットにアカデミー賞ノミネート。ジョニーのキャリア的にはここが絶好調って感じですかね。

ただここからが問題で。これが来ちゃいます。

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「チャーリーとチョコレート工場」

これが私は。。。本当にダメだったんです。。。なんかやりすぎに感じてしまって。ティム・バートンとも一緒にやりすぎだなと思ったし、子供向けの趣きもあるとはいえ役も突拍子もない役で。。。リメイクとはいえ「どうも良くないな」、と。

けど大ヒットだったし、世間的にはいいのかな、と思ってました。

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「スウィニー・トッド」はまだ良かったので「大丈夫かな」と思ったら

「アリスインワンダーランド」

「アリス~」が来た。。。

「これってチャーリーと何が違うの?」という。この頃にはもうティム・バートンとの作品にはだいぶ「もういいよ」感があって。

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そしてジョニーの暗黒期と呼びたい2010年代に突入しますね。

あ、あくまで私の意見ですよ。ここは作品タイトル並べるにとどめますが(正直観てないのも結構ある)2010年代のざっとしたフィルムグラフィーをご覧ください。

Dr.パルナサスの鏡(2010)
アリス・イン・ワンダーランド(2010)
ツーリスト(2011)
パイレーツ・オブ・カリビアン 生命(いのち)の泉(2011)
ランゴ(2011)
ダーク・シャドウ(2012)
ラム・ダイヤリー(2012)
ローン・レンジャー(2013)
トランセンデンス(2014)
チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密(2015)
イントゥ・ザ・ウッズ(2015)
ブラック・スキャンダル(2016)
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016)
パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊(2017)
コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団(2017)
オリエント急行殺人事件(2017)
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018)


このフィルモグラフィを観るに、やばいです。「やばい」としか言いようがない。「ツーリスト」とか本当にやばかったよ(笑)面白くないんですよ。。。本当に。。。

メジャーになってしまった代償なんでしょうか。とはいえ、1作2作は誰しも「外したな〜」とかいう作品はあるものだと思うのですが、

10年間外しまくれるっていうのはいったいどういうこと⁈

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私がまだこの中では興味が出たこの作品

「ブラックスキャンダル」


これはジョニーの演技が決して悪いわけじゃなくて、いろいろうまくいかなかった映画で。
脇がとにかくよすぎるのと、映画としてちょっと長すぎるし、話が唐突すぎるのと。あともはやジョニーはコスプレやりすぎてこの外見変えるのもその延長に見えかねなかった。。。

こんなこと言ってファンの皆様本当にすみません。私もジョニーの事は大好きだったんですよ。常にカッコいいし、「いい役やいい映画を届けてくれる」と、とても期待していました。
けどあまりにつまらなすぎたよ、特に2010年代。ティム・バートンとやりすぎたし、コスプレが過ぎる、、、。やりすぎた。

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全てが悪いとは言わないんですけど、なんていうか架空のキャラばっかりやりすぎて、私にとっては人間味が全然感じられなくなって。本当にもったいなさすぎます!もっといい演技できる作品がなかったのか。

ラジー賞にまでノミネートされるし。。。しかも4年も。。。

こんな記事も出てますね。

やっぱり先に連載で書いたブラッド・ピットやキアヌ・リーヴスなど同世代の俳優と比べてもつまらない、もう言い切っちゃえば金儲け狙い?な作品に出続けてはそんなに興行収入あげられず「低コスト俳優」とか言われてしまうし。。。アダム・サンドラーを蹴落として(笑)

ブラッド・ピットが自らの才覚で面白い作品を自ら作りあげたり、キアヌのように大惨事にならないような大作で積み上げたりをみると、どうしても残念感が漂う。。。

なんとかできなかったのかな、、、。うーん、辛い。

そんな中、

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かつての盟友リヴァーの弟、ホアキン・フェニックスや、「ギルバート〜」で共演したレオはオスカーを手にしていきます。もちろんオスカーが全てと言うわけではありませんが。

まるでちょっと下の世代は「ジョニーみたいにはなるまい」みたいなキャリアの積み方をしてるような。演技を見せられる映画をちゃんと選び、自分に合う監督や役を選びながら、着実に作品を残していっている。

この状況は本当に辛いです。ジョニー、結構作品は作り続けられてるから、一般のファンはあんまり危機を感じてなさそうな気がするんですよね。「ファンダビ」出たりしたし。でもファンダビもはっきり言ってまたコスプレの延長だし。


ただ、少し本来の素晴らしい演技が観られる兆しが出てきたかな、と最近思わなくもなく、

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元嫁アンバー・ハードとの離婚裁判で敗訴して「ファンダビ」を降ろされて。


「ハリウッドから干されたキャンセルカルチャーの犠牲になった」と本人が訴えていますが。まあ、そうかもしれないけど、ちょっとここキャリアを立て直すチャンスと捉えてほしい!!

現に最近の2作

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「グッバイ・リチャード」では余命わずかな大学教授を

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「MINAMATA」は劇場にかからないらしく、アメリカの方は観れないみたいですが、写真家ユージン・スミスを演じています。


「MINAMATA」も「グッバイ・リチャード」もどちらも2010年代のジョニーとは少し趣が違う役で、インディ系の役。いい事だと思うし、元はそういう人だったわけじゃないですか!!

一番の充実期は大作より自分の個性を活かせる映画や役を選んでいたはず!


というわけで、勝手に復活の道を考えてみたのですが、これからの復活の展開としては

興行成績がそこまで肩にかからない、良質な作品にどんどん出る


のが一番良いと思いまして、

監督としては

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ここら辺の監督あたり。私はどこか温かみがある人間味な作品が撮れる人がいいなと思ってて。これは勝手な好みや希望ですが(笑)「6歳のボク〜」のリンクレーター、「マイレージ・マイライフ」のライトマン、「マリッジストーリー」のバームバックとか。

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「ギルバート・グレイプ」のラッセ監督と奇跡の再タッグももしかしたらいいかもしれないとか。

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ちなみに「ギルバート・グレイプ」の脚本は今や大人気の俳優ルーカス・ヘッジズのお父さんが書いています。
ルーカスみたいな次世代俳優との共演もありですよね。次次くらいか。

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もっとエッジが効いた監督ならフィンチャー、アロノフスキー、タランティーノあたりとか?ここは下手したらまたキワモノになりかねないのであんまりかもですが。

あとは

海外ドラマもいいんじゃないか?


リミテッドシリーズとか。これも制作によりますけど、いい作品があれば全然アリんじゃないでしょうか。

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ここ数年のエミー賞のリミテッドシリーズのノミネート観てもハリウッド俳優目白押しだし、今年はユアン・マクレガーが主演男優賞を受賞してます。それだけ活気があっていい作品が集まってるジャンルなんだし、ジョニーに合う企画あるんじゃないでしょうか。

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「金遣いが荒くて破産」みたいなニュースも見かけた事あるし、元は退廃的というか、破滅的な考えも持ってそうな感じもあるので、ちょっと心配だったので書いてみました。
こういう事こそ、ファンが言ってあげるべきなのかな、と。けど苦言って難しいですね。。。

でも必要なことだと思います。まあ、私が言ったところでですが、なんだか心配でして。

バカにしてるとか叩いてるとかでは決してないです。彼にしかできない演技が観れる素晴らしい作品をまだ期待したいし、できると思ってます。いまだに支えてもらってる作品もある俳優です。一番のファンとは言えないですが、彼の存在に感謝してるんです。

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希望はまだ捨てていない。ジョニー、これからだ。


次回からはまた楽しいことを書きますね(笑)

おまけ

「MINAMATA」の演技久々良かったよ!!

Twitterにレビューを書いてみたので貼っておきます!



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