「BEEF」 (ちょっと個人的に合わないところもあったけど)アメリカはじめ世界を覆う生活と空気を垣間見れる佳作ドラマ!
先日、この作品を観終わりました。
「BEEF」
あらすじ等はこちら
春にNetflixで公開されて話題だったドラマです。
この作品、キャストがほぼオールアジア系で、確か制作陣もアジア系の方たちだったかな?題材もアジア系移民の2世を主人公にしたドラマ。制作会社はA24で「everything everywhere all at once」に似てますね。
Netflixのオリジナルドラマで配信開始時に海外でも評判が良く、アメリカのランキングでも1位になっていたので気になっていたので、観てみました。
で、タイトルにも合ったとおり、個人的には「ちょっと自分とは合わないかな」と思ったところもありましたが、個人的にいろんな気づきをくれたドラマだったので、軽くですがちょっと感想を書いてみます。
※ここから先は軽くネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意下さい。
今回はちょっと文章短めです。
最初になんですけど、個人的に「うーん」と思ったところから書きますね。
このドラマって「フラストレーション」とか「怒り」とかがテーマみたいなところがあって、個人的にそれが観ていてちょっと辛かったというか。もちろん、その根本の原因みたいなところも描いてはいると思うのですが、描き方の問題なのか、そこまで深いところまで感じるものが私にはなくて。これは完全に自分と作品の相性の問題なんだと思います。
しかもちょっと影響受けちゃって、私も観終わってから1週間くらいちょっと怒りやすくなったというか(笑)。いろいろ生活が変わってストレスが溜まってたのもあり。主人公たちと同世代なのもあり、共感できないわけではないのですが。
あと、演技面的もちょっと物足りなく感じてしまったところもありました。スティーブ・ユアンもアリ・ウォンももちろん頑張っていたと思います!でも、私にはスティーブン・ユアンがもともとあんまり演技上手いように見えない(ごめんね)こともあり、アリの方が個人的には良かったかな~と思います。
本当にピリ辛くてごめんなさい!!でも自分の正直な感想を書くのが一番だと思うので、そうしています。
これはね~、たぶん
韓国ドラマを観てしまったことが多分に影響してる
んです。「しまった」って書くと悪い事のようですが(笑)、全然そんな話ではなく。
これは個人的な私の感想ですよ!!
もう韓国ドラマが圧倒的に凄すぎる
のです。ここ最近、「もはや欧米ドラマのクオリティを凌駕しているのでは?」と感じるぐらい、個人的に私が観たどの作品にももう圧倒されっぱなしなんです。演技に限らず、脚本、演出。それ以外のところでも、すべてが凄すぎて作品としての面白さが群を抜いていて。ちょっと私の目、バイアスかかりすぎ?(笑)
今まで私が観てきた韓国ドラマ作品がめっちゃ良すぎたってことですかね~。
「BEEF」も絵の作り方や映像も演出もキレが良いですし、作品のテーマも展開の仕方とかも「工夫されているな~」と感じました。でも、やっぱりどこか物足りなさがあって。
もし私が韓国ドラマを日常的に並行して観ていない、例えばコロナ禍前に観ていたら十分満足してたし「凄い」と感じたと思うんです!
「私の視点がもう変わってしまった」とこの「BEEF」で分かりました。コロナ禍に韓国ドラマに出会えたことは、私のエンタメ人生でも「本当に大きなことだった」とはっきりと気づかされた作品になりました。
観ながら「これ韓国ドラマで制作してたらもっと面白かったかも」とか結構思っちゃったりしてて。
あくまで、私の作品を観る視点がですからね!「比較すんな」って話かもしれないですが、アジア系の人がキャストのドラマとしてつい。すみません。「BEEF」はアジア系アメリカ人の作品として一生懸命制作された作品だと思うし、ピリ辛いこと書いてほんとごめんね。
でも、「BEEF」いいところもあって!いきなりフォローはじめますけど(笑)、
まずこの作品、アジア系移民の主人公設定にはなっていますが、アメリカ全体というかもはや世界全体を覆う、苛立ちというか世間の空気をとても反映している作品なのではないかと思います。
主人公二人がホームセンターのパーキングで車で衝突しそうになる、些細なことがきっかけでとんでもない憎しみ合いに発展する内容だけど、この「些細なことがきっかけ」ってところが凄く今の空気を表している気がして。
今って、ニュースどころかちょっと空いた時間にスマホを観るレベルでも、あらゆる日常のこういうシーンが見かけられるようになって。昔だったら、そういうシーンに遭遇することなんてまれだったけど、今はネット上で溢れかえってて。
だから駐車場でぶつかりそうになるなんて「この程度で?」って思うのですが、もはやそう思っちゃう私が刺激に慣れて軽く病んでる?みたいな。このドラマ自体が日常レベルで充満する閉塞感やフラストレーションから逃げられないような状態が加速しているような感覚があって。
こういうところは「今性が凄くあるな」と思いました。着眼点が凄く良かったと思います。
アメリカはコロナのせいでアジアンヘイトがひどく深まっている印象があったのですが、この作品は同じアジア系同士が憎しみ合うという状況を描くことにしていることで、「絶妙だな」と思います。人種間の問題にしないことで、逆にアジア系アメリカ人の苦悩を濃密に描くことに成功していると思います。そういうドラマなのに、ベタつかずに乾いたような感覚でドラマが進んでいくのも「面白いな」と。
またエイミーのように、成功した人間の抱える苦悩や孤独。彼女は表面上は忙しさを理由にしていたけど、成功していても満たされずにモヤモヤを抱えている点は成功したかしてないかにかかわらず、自分の生い立ちや子供時代の心の傷、夫との関係などが原因というところも興味深かったです。
話が進んでいくと主人公二人の対立がどんどん深まって、決着するどころかとんでもない方向にどんどん展開するんですけど、「えーどうなっちゃうの?」って感じなところも工夫があって。
あとちっちゃい事かもなんですけど(笑)、この怒りの泥仕合を展開する際に、今の時代らしくSNSが使われるするんですけど、インスタがメインで、Facebookやtwitterは出てこず、それがさも当然のようで。以前だったら出てきたと思うんですけど。「あーもうアメリカは完全インスタなんだな~」と実感させられました。もちろんアメリカ人がFacebookやtwitterを使ってないとかじゃなく、「こういう日常ドラマで採用されるSNSが」ってことです。以前から青春ドラマなんかはそうだったんですけど、こういう30代40代がメインのドラマでもそうなんだ、と実感させられました。そういうところも面白かったです。
というわけで、私には合わないところもあったものの(笑)、ハマった人にはたまんない面白いドラマだと思います!
気になった方はぜひ観てみてください♪
おまけ
スティーブン・ユアンの見せ場の歌!これは上手かったです!もっと歌っていこー!(笑)
おまけ2
「いやあんたいつ観るの?」って自分でも思ってる(笑)。絶対観ますー!!
おまけ3
私がどれだけ韓国ドラマに頭も心も持ってかれてるかは、これらあたりを読んでいただけるとわかると思います♪まだまだたくさん書いてます!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?