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【小説】ゲーム屋人生へのレクイエム 66話

会社を辞めることを決めて極秘で誰にもバレないように2週間以内に転職を決める真剣勝負が始まったころのおはなし

「またタイトルを変えましたね。もう何だっていいじゃないですか」

「タイトルは大事だよ。やはりここはシンプルに小説としよう。66話まで続いたはなしが長編かどうかは読者の方に決めてもらおうかなって思っている。

それでは前回からのつづき。

極秘の転職活動をはじめることになったじゃない。本当に誰にもバレないようにしないと、どこでどんな妨害をされるかわからないからな。41話でえらい目にあったから懲り懲りだったのよ。

だから先輩にも内緒にしてね。毎日同僚からロンドン行くのかって聞かれて、その度に、まだ考え中です。と言って悩んでいるフリをしてごまかしてね。

転職すると決めたときにとても心強いひとを頼ることにした。そのひとはR社の元海外事業部長だ。40話から47話あたりで登場したすごく世話になったひとだ。リンクは47話だけ貼っておくぞ。

俺がR子会社を退職した後、R社は海外資本に売却してそれから消滅してしまったんだけどRの創業者が新たにAという名のゲーム会社を興してね、そこでこのひと、元海外事業部長が販売部長として勤務してたのよ。このひとをSさんと呼ぶことにするぞ。2週間の真剣勝負をやると決めてすぐにSさんに電話をしたのよ。

以下そのやりとりだ。

俺「Sさん、大変ご無沙汰しています」

Sさん「おう。元気でやってたか。今までほとんど連絡もしてこなかったお前が突然電話してくるとは、どうせロクでもない相談だろう」

俺「バレましたね。実は転職せざるを得ない状況でして」

Sさん「何をしくじったんだ?」

俺「かくかくしかじか。という訳なんですよ」

Sさん「そうか。それで俺はどうすればいいんだ」

俺「Sさんの勤めるA社ってアメリカに子会社ありますよね。そこで俺を使ってもらえませんか?」

Sさん「俺に異論はないが、社長の了解が必要だ。だが社長は休暇中で連絡が取れるのは1週間先だ。それまで待ってもらうしかないが、雇う保証はできない。もし採用できないとなった時のために、他の会社にもあたって転職の話を進めておけ。1週間後にまた連絡してくれ。話はそれからだ」

俺「ありがとうございます。ではほかにもあたってみます」

というやりとりがあったのよ」

「なあんだ、心当たりがあったんですね。真剣勝負とか言って、楽勝じゃないですか。転職確定ですね」

「いやいや、2週間で話をまとめてようと思っていたのに1週間に短縮だ。しかも採用してもらえるかどうかはまだわからない。そしてMさんのアドバイスどおりに近隣にある日系ゲーム会社を極秘転職がバレないように友人を頼って就職できそうな状況か聞いてみた」

「どうだったんですか?」

「日系近隣2社にあったてみて、1社は業務縮小でその友人も帰任が決まり、新規採用どころではなかった。そしてもう1社に勤める友人に打診してみたけど人員削減で大変な状況だって説明されたのよ」

「むずかしいんですね」

「日系ゲーム企業はどこもまだ業務用に占める割合が大きかったから業績はとても厳しい状況だったね。そして1週間が経ち、本命のA社に運命を委ねることになった。

そのときのやりとり。

俺「社長OKでした?」

Sさん「社長はOKだ。だが、社長は条件を二つ出した。まずひとつ。お前の給与だ。社長の提示額は激安だ。これでお前が納得するのが条件だ」

俺「いくらですか?」

Sさん「年俸4万ドルだ」

俺「うわ~。Rで働いていた時の年俸より安いじゃないですか」

Sさん「社長は自分の給料は自分で上げろと言っている。実績を出せということだ」

俺「はい。承諾しました」

Sさん「そして二つ目の条件。現地子会社の社長と会って、入社の承諾を得る事だ」

俺「会います。会って承諾してもらいます」

Sさん「よし。子会社の社長には話は入れておく。吉報を待っているぞ」

俺「はい!頑張ります!」

続く
この物語はフィクションです。実在する人物、企業、団体とは一切関係ありません

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