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お金で苦労しない人生

FPとなって、およそ2年が経ちました。

もともとは家を購入したり、親族の相続について相談に乗ったりした際に得た知識を、このまま忘れるのはもったいないという精神から始めたものですが、案外長く勉強は続いています。

CFPを目指すにあたって、FPとしての職務経験が必要であることから、職場の「庁内人材センター」に、家計アドバイザーとして登録したり、知人友人の相談に乗ったりしています。

1年余りの活動で感じたのが、世の中お金の悩みを抱えている人は思いのほか多いということです。

先日のゴールデンウィークに、実家に家族で泊まった際、そんな話を振ったところ、母から「あなたは幼少期にお金で苦労したことがないからね。」と言われました。

一人っ子で社宅住まいであったので、家計支出の大きな割合を占める教育費と住居費がかからなかったこともあると思いますが、父母がしっかり稼いで、なに不自由することなく育ててくれたことだと思います。大変感謝です。

一方で、どんな人でも家計簿上において、収入>支出という状態を続けておけば、家計が困難に陥ることはありません。「そんなの当り前」と言われれば、その通りなのですが、実際には意外と難しいことです。

「想定以上に教育費がかかる」
「身の丈に合わない買い物をしてしまった」
「そもそも自分がどれだけ使っているかを把握していない」
皆、悩みの理由は様々ですが、極端な浪費癖があって毎月赤字という人は稀です。

1 若い時は無頓着でも良いのでは

お金について悩みたくないので、節制倹約して貯金体質を作ろうと言っても、それはそれで味気ないような気もします。

10~20代無駄遣いを避けるために休日はほぼ寝て過ごし、貯金残高は100万円を超えた!と言っても、個人的には何だかもったいないなと思います。質素倹約は良いことですが、将来、お金で苦労しないために今の可能性を狭めてしまうのは本末転倒だと思います。

10~20代は、自分の人生にピタリとはまるものを探す時期ですので、ある程度、宵越しの銭は持たない精神でいても良いのではないでしょうか。

さすがに、キャッシングやリボ払いをしなくては生活が回らないとなっては問題ですが、食でも旅でもファッションでも、自分の人生を豊かにするものを見つけるためには、ある程度のお金は必要ですし、浪費も必要な場面があります。

私の妻は10代のころに茶道に出会い、それを20年近く続けています。身に着けるものも化粧品もほとんどこだわりはありませんが、茶道にはお金をかけて、研鑽を積んでいます。

他の人から見たら、なぜあのようなものに数万円もと思うかもしれません。ただ、私はすでに人生をかけられるものを見つけている妻を心からうらやましく思います。これにならば、いくらお金を使っても良いと思うものがあるというのは、とても幸せなことで、人生を豊かにすると思うのです。

2 30歳前後になったら収支を意識する

30歳を超えると、この先の人生の輪郭が見えてくるように思います。自分は結婚をするのか、子どもは何人か、親の介護はいつになりそうか、お金に関わる問題がポコポコと出てくる時期ではないかと思います。

家計の目安になる家計調査や生命保険文化センターなど信頼できる調査はあるものの、いくら稼いで、いくら支出するかは個人個人で大きな差があります。
統計局ホームページ/家計調査 (stat.go.jp)
公益財団法人 生命保険文化センター (jili.or.jp)

「いくら使ったなんて問題ない。それ以上に稼げば良い。」というパワフルなビジネスパーソンもいますが、30歳前後になったら、雑でも良いので家計簿を簡単に作ってみると、収支が驚くほど安定します。

参考:我が家の家計簿
クラウド家計簿|kakei+[カケイプラス] (fujinnotomo.co.jp)

それも忙しい働き盛りの人が、毎日細かくつけるのは困難なので、2週に一度まとめて、百円単位は丸めて記載でも問題ないと思います。ざっくりと把握をすることが主眼です。

それも難しい、今更家計簿なんて…という場合は、キャッシュフロー表でも良いかもしれません。月に一度、家の通帳を点検し、先月末と今月末でお金の移動がいくらあったかを調べます。

自分の思っていた数値よりも数万円以上の差があれば、クレジットカードの明細をチェックするなど、収支の把握に努めるのも良いと思います。

3 家計簿を9年ほど付けた結果

もうアラフォーに半分以上足を突っ込んでいますが、収支の把握ができたことで何が良かったかと言えば、この先の人生で、お金に悩まなさそうだなと自信がついたことです。

子どもも生まれたので、年々食費は膨らみ、光熱費も増します。教育費用もこれからどんどん嵩んでいくでしょう。それでも、10年前からつけていた家計簿の伸びから言うと、年間で3%ほどの支出の増加で済んでいます。

もちろん、大半がインフレではなかったことは差し引いて考えなくてはいけませんが、公務員は良くも悪くも数%ほどで毎年昇給することから、給料の増加分がそのまま支出の増加分に収まっています。

これから負担の増える教育費は、NISAで別に積み立てており、いざとなれば奨学金も視野に入れれば何とかなりそうです。

住宅ローンの支払いも含め、ここから10年ほど一番支出が高まる時期ですが、子どもたちが「お金に苦労した」と言わない程度の生活は続けられそうです。(もちろん贅沢はできませんが)

また、最近、老後2000万円問題が4000万円問題になったと話題になっていました。
20年後は“老後4000万円”に? “老後2000万円”のはずが... (msn.com)

これも個人個人の収支は千差万別であるため、意味のない議論だとは思うのですが、不安の大きな理由は自分が今いくら使っていて、将来何にお金を使いたいのかあいまいになっているからだと思います。

駆け出しのFPですが、誰かの家計の役に立つよう、これからも学んで行きたいと思います。

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