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エンディングノートを書いてみた

縁起でもない話で、30代後半なのですがエンディングノートを書いてみました。

エンディングノートは、法的拘束力のない遺言書のようなものです。書き方も、何を書くのも自由で、介護の希望や葬儀の方法、亡くなった時に伝えてほしい人のリストなど、自分の人生の仕舞い方について記すノートです。
財産の詳細はNG…エンディングノートに「書くべき11項目」と「書いてはいけない10項目」一覧【終活コンサルタントが警告】 (msn.com)

2カ月前に職場で受けて先日返ってきた健康診断書にも、特に気になる項目もなく、心身ともに健康な状態です。

そんな私が、エンディングノートを書いてみようと思ったきっかけは、親族から「エンディングノートを書いてみようと思ったのだけれど、何を書いたらいいか。」という相談を受けたからでした。

もともと、今の職場で介護関係やアドバンスドケアプランニング(ACP)の勉強をする必要があり、その話をしたことを覚えていたからかもしれません。
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)|医の倫理|医の倫理|医師のみなさまへ|日本医師会 (med.or.jp)

まだ、40年も生きておらず、平均寿命で考えてみても、まだ人生の折り返し地点にも来ていません。東日本大震災を経験したとはいえ、死を間近に感じたこともなく、人生の仕舞い方についてどう考えるか、なかなか難しい問題です。

そこで、隗より始めよ。まずは自分でエンディングノートを買って、実際に書いてみることにしました。

1 どんなエンディングノートを買うべきか

事前に、どのくらい種類があるのだろうと調べてみたのですが、一口にエンディングノートと言っても様々な出版社が出しており、ざっと数十種類もあるようです。確かにこれでは初めて書く人は、何を手に取って良いか悩みます。

何となく目星をつけてから買いたいなと思い、ネット上でもざっと見てみたのですが、やはり、実際に書き込むことを考えると、手に取ってみないと、何が良いかは分かりません。

そこで近所の書店に行ってみることにしました。それなりに店舗が広いことから、結構な種類があり、平積みされているものだけでも10冊近く目につきました。

最低限の項目のみに絞った書きやすさに特化したもの、動画や音声を入れられるようなCD-R付きのもの、弁護士などの専門家が監修したものまで、バラエティに富んでいます。

とりあえず書いてみたいという動機で買うものであるため、私はそこまで凝ったものは求めていません。また、どれをとっても千円前後のものですし、あまり迷っても仕方がありません。

シンプルなものが望ましいと思い、ネットでも評価の高い星雲社の一番わかりやすい エンディングノートを選びました。

2 書いてみて戸惑うこと

実際にペンを取ると、どう書くべきか悩む箇所が多々あります。

例えば、今までの思い出を振り返る箇所があります。お世話になった人や、10年間の一番の思い出を記載していくブロックが20代から10年区切りであり、20代、30代、40代、50代、60代、70代と6箇所記載できるのですが、私は2箇所しか記載ができません。

また、介護の希望を書くにあたっても、お世話になっているケースワーカーもおらず、病歴もないどころか最近風邪すら引いていないことから、かかりつけ医さえ怪しいところです。

もちろん、エンディングノートの肝の部分(と私が勝手に思っている)である終末期医療の希望については記載したのですが、それまでの過程である自分の介護をどのようにするのか考えるための材料も揃っていない状況です。

その後の葬儀やお墓の方がスムーズに書けました。親類に住職がいることから、自分が亡くなったらお願いすることになるだろうなとは思っていましたし、祖父母が眠っている墓石もあることから、どこに埋葬されたいかも決まっています。

ただ、すでに墓石がある家庭もそんなに多くないはずで、30~40代であれば、この欄も空欄になっている場合が多いのではないかと思います。

また、財産の欄も空欄が多くなっています。セキュリティの面から考えて、預金やクレジットカードの番号や具体的な金額等も記載しておらず、これだけ読んだとしても、財産について知ることはできないでしょう。

全て書き終えると、シンプルと言いながらも書くべき箇所は多かったため、6割~7割ほど埋めることができました。ただ、どれも「確かにこれは残しておく必要がある。」と思うところばかりです。エンディングノートの構成はよくできているなと感心しました。

3 書いてみて良かったこと

エンディングノートの目的が、自分の人生の仕舞い方について考えること、最期のことを思い浮かべて準備をすることであるならば、やはり今回書いて良かったなと思います。

最大の理由は、やはり年を重ねて、死について現実味が出た時には、エンディングノートを書こうとは、なかなか思えなくなるのではないかと思うのです。

少なくとも私は「縁起でもない」「書いたら本当に早くに亡くなってしまいそう」と、科学的根拠があるわけではないのですが、年を取ればとるほど、エンディングノートから距離を置きたがるような気がします。

その意味では、慣れておく意味で、5年に一度くらいのペースでエンディングノートを書いておくのは良いかもしれません。5年も経てば考えも変化しますし、自分の財産や置かれている環境、身の回りにいる人も異なっているかもしれません。

人生の振り返りの意味でのエンディングノートの作成はありだと思います。

また、副産物的なものですが、死後の財産の欄を埋める際に、自分の月の定期的な支払いを整理できたのも、エンディングノートを書いてよかったと思うことの一つです。

電気やガスが月の何日に、どのクレジットカードから引き落としをされるのか整理ができます。また、自分が使用しているサブスクリプションや、雑誌などの定期購読物など、これは本当に必要なのかという視点でも見直すことができたので、家計的にも良かったと思います。

保険も同様に、自分がどんな条件で契約しているのか、どのような保険事故が起きたら誰にいくら支払われるのか、事故が起きた場合にどこにかけるべきなのかを復習できたのも大きいと感じます。

一方で、結論としては30代でエンディングノートを書くのは早いなと感じました。自分の医療や介護にも現実感がなく、相続する財産の状況も不透明です。人生を振り返るにも折り返し地点にも来ていない身では、書くことも限界があります。

書いてよかったなと思いつつ、やっぱり少し早かったとも思うので、次回、エンディングノートを書くのは45歳頃かなと思っています。

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