見出し画像

光のイニシエーション

長い時間 眠り続けた私の頭上を
春が通り過ぎて行く
瞼とまつ毛の間に朝にひかりが降り注ぎ
目を閉じたまま 私は
おはよう…と心の中で声にする

土を被ったかわいた体はもう二度と
起き上がることはないだろう

そんな分かりきったことを心から受け入れるまで
数百年 いえ 数千年もの時を費やした

修行の如く眠りは過ぎて
次第に眠る、と言う感覚と覚醒とが一体となる
 不思議な冬の終わり


幽霊と精霊の違いについて ひとり考えている

土中に蹲ったままの私が
長きの時を今も未だここで越えて行く
 そのわけについて 考え続けてる


穢れを祓う為の この静寂

閉ざされた世界がもたらす答えを掌握する頃には
きっと私も又
さらさらの土のひとつぶとなり果て
全てがリセットされるのかもしれない

記憶も悲しみも何もかも失った時
私はようやく
幽霊から精霊へと生まれ変われると信じ
この眠りの意味を受け入れる
 その時を迎えるのかもしれない


予測のつかない悲しみと
予想を超えた絶望の
その先にかすかに灯る
希望のひかりと

すべては同じ ひとつの光であることを
この 永い眠りが私に諭す
 しずかな冬の終わりに…

記事を気に入って下さった暁には是非、サポートで応援して下さい。 皆様からのエネルギーは全て、創作活動の為に使わせて頂きます💑