#51 浸水リスクのある地域への建築制限とサービスルーム
昨日、こんなニュースが流れてきました。
台風や大雨による浸水リスクが高い地域において、住宅や病院、高齢者施設を新築する際に都道府県自体が「特定都市河川浸水被害対策法」や「建築基準法」に制限を掛けられるよう、改正案が提出されました。
浸水して命の危険があるような地域について、都道府県が「浸水被害防止区域」に指定するとしています。
この区域で住宅などを建てる際には、想定される浸水の深さより高い場所に居間や寝室を設けたり、水が住宅に流れ込むのを防ぐため擁壁を設けたりするよう義務づけるとしています。
ちなみにぼくの地元江戸川区では、予想浸水がおおかた住居の2階までの予想が出ています。
ですが2年前の台風の際にはほぼ被害はゼロ。ですが、世田谷区や大田区では多摩川の氾濫がありました。
周到な準備とリスクを考えることは大切ですので、今回の法案改正はいい方向に持っていってほしいなと思います。
過去の惨劇を繰り返さないように、適切な建築をすることも不動産の役目だと思うので。
ただ、この部分。
想定される浸水の深さより高い場所に居間や寝室を設けたり
例えば、1階が浸水するような場所だったら1階に居間とか寝室を作るなって話だと思うのですが、建築基準法上の表記では居間は3LDKの「L」、寝室(居室)は「3」とか数字の部分ですね。
間取の中で「S」の表記を見たことある人がいると思います。いわゆる「サービスルーム」、納戸のことです。
サービスルーム・納戸とは、建築基準法により「居室」と認められない部屋です。建築基準法では、「人が居住・執務・娯楽などの目的のため継続的に使用する室」を居室と定めています。居室と認められるためには、採光や換気など、さまざまな基準を満たす必要があります。
つまり、居室ではないだけであって、使い方は人それぞれなので、ここを寝室にする人もいるわけです。
都道府県が「1階に寝室とか居室作らないでください」とうたっても、この辺はかいくぐられてしまいそう。
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