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海外論文紹介DAY1: 「ロボットがより賢く、柔軟になる新技術:人間の手を借りずにスキルを学ぶ」

こんにちは!KUSABIというVCでインターンをしているダイス藤原です。Y Combinatorの情報などをツイッターで配信したり、a16zの記事を翻訳してきたのですが、ちょっと新しい企画を始めてみたいと思い今日はその第一弾です。

最新の海外AI論文の中から、スタートアップのヒントになる論文を紹介する企画です!このシリーズではわかりやすく、ざっくりと紹介していきますが、興味を持った方は自分でより深く調べて解像度を上げてください!

今日のAI論文:

「ロボットがより賢く柔軟になる新技術:人間の手を借りずにスキルを学ぶ」

人間は新しいことを学ぶとき過去の経験や知識を活用する。例えば料理を習得するときは包丁の使い方や火加減の調整など、基本的なスキルを組み合わせて新しいレシピに挑戦したりする。

ではロボットの場合はどうだろう?これまでのロボットは新しいタスクごとに一から学習する必要があった。でも、もしロボットが人間のように基本的なスキルを身につけてそれを新しい状況に応用できたらどうだろう?

そんな夢のような技術が今回紹介する研究で実現に近づいている。

この新しい技術は「EXTRACT」と呼ばれている。EXTRACTの革新的な点は事前に訓練された視覚言語モデル(ビジョンモデル)を活用していること。

もう一つはオフラインデータを活用していること。例えば、人間が操作したロボットの動きの記録や様々な環境の画像データを使うことで実際の試行錯誤なしに安全に学習でき、大量データを効率的に処理できる。結果、より迅速で安全なスキル獲得が可能になり開発コストも抑えられる。

技術の仕組みと流れ(arXiv:2406.17768)

これにより、以下の3つの特徴を実現している:

  1. 人間の手を借りずに学習する

  2. 基本的なスキルを自動で見つける

  3. 学んだスキルを新しい状況に応用する

EXTRACTは事前に訓練された視覚言語モデルを使って大量のデータを分析する。そこから意味のある重要なスキルを自動的に見つけ出す。例えば「物をつかむ」「持ち上げる」「置く」といった基本的な動作を人間が教えなくても自分で学習してしまう。

次に、学んだスキルを組み合わせて新しいタスクに挑戦する。例えば「本棚から本を取り出して机に置く」という新しい作業をすでに学んだ「つかむ」「持ち上げる」「置く」というスキルを使って実行してしまう。

この技術のすごいところはロボットが柔軟に対応できるようになること。今までのロボットは決められた作業しかできなかったけどEXTRACTを使えば様々な状況に対応できるようになる。

さらにEXTRACTの特徴は各スキルが連続的な引数でパラメータ化されていること。これにより新しいタスクを学習する際特定のスキルを選択し、その引数を調整するだけで済む。つまり、より効率的に新しいタスクを学習できてしまう。

じゃあ、この技術はどんな分野で活用できるだろう?

  1. 物流業界: 倉庫での商品の仕分けや梱包作業をより効率的に行えるようになるかも。商品の形や大きさが変わっても柔軟に対応できるロボットが実現できるかもしれない。

  2. 製造業: 生産ラインでの作業がより柔軟になるかも。製品の種類が変わってもすぐに対応できるロボットが作れるかもしれない。

  3. サービス業: レストランでの配膳やホテルでの荷物運びなど人と接する場面でも活躍できる可能性もある。

今日の紹介は以上です!

ここまで読んでくれた方は是非この技術の未来や可能性について考えてください!

元論文はこちらです:

明日もどうぞよろしくお願いします!

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