やっぱり「カロリー制限に縛られてる人」が多い。”食べないダイエットは危険”です。

こんにちは。Dice Trainingです。
岩手県でトレーニング指導を生業にしてます。
アメリカ留学中にNSCA CSCSを取得。
留学中のインターンシップも含めると、
トレーニング指導に携わって20年以上になります。

最近、プログラムを完了したお客様。
最後に必ず、プログラムの振り返りをしてもらいます。

「自分の行動・意識で変わったところは?」

といった質問に対し、

「痩せるためには、”とにかく食べないように”と考えていた。
 でも、今は、痩せるために”何を食べるようにしよう”
 と考えるようになった。」

とお答えいただきました。

指導している者としては、
とても嬉しい言葉。

”とにかく食べる量を減らす”
ではなくて、
”食べる食材を選んで食べる”

と言うふうに意識・行動が変わった。

これは、「健康的に痩せるため」
に大切
なことです。

「カロリー制限=食べないダイエット」
だけは、やっぱりリスクです。

この辺のことを少し話していきたいと思います。

なぜ、カロリー制限を信じているのか。

減量には、まずカロリー制限。
”とにかく食べる量を減らそう”
と思う方、多いですよね。

実際に以前(2016年)は、
日本肥満学会でも減量のために、
”単純なアンダーカロリーの状態”
を推奨していました。
「肥満症診察ガイドライン2016」
の記述には、
1日の総エネルギー量=25Kcal×標準体重
と言うエネルギー量を推奨しています。
これでいくと、僕の場合、
1日の総エネルギー量=1,552Kcal。
ざっくりですが、基礎代謝分
(僕の基礎代謝は、1,470Kcalくらい)
しかカバーしてないですね。。。
これで、通常の活動ができるのか?

また、このガイドラインは、
ちょっと根拠に欠ける。
絶対的な科学的根拠が付記されていないそうです。

でも、お医者さんはこれをベースに
肥満症の患者さんにアプローチしている。
お医者さん=権威ですからね。
そりゃ、一般の人は信じます。

「痩せるためには、とにかくカロリーを減らそう」
「なるべく食べないようにしよう」

となってしまいます。

しかし、このガイドラインだと、
1、カロリー制限は肥満症患者の減量に有効ではある。
2、しかし、糖質制限となど他の方法もあるかもしれない。
3、世界的なカロリー摂取量の計算は科学的根拠をもとに設定せれている。
4、しかし、2016年の日本の設定はちょっと曖昧。

ということになります。

(今はお医者さん達の認識もかなり変わっています。)

カロリー制限は短期的には有効です。でも・・・・

確かにオーバーカロリーで減量は無理です。
減量をするなら、
1日にとる総エネルギー量は制限すべきです。
とはいえ、過度のアンダーカロリーは、
やはりリスクでしかないです。

アメリカ糖尿病学会では、
1979年の段階で、
「1,500Kcal以下にカロリー制限をする場合、
 低栄養が起こらないように十分注意するように」
と注意喚起されています。
その上で糖尿病のアメリカ人を
対象とした実験があります。
適切な運動を指導し、
1日のエネルギー摂取量を
1,200〜1,800Kcalに制限し、
10年間フォローしたと言う研究があります。
平均で6.5kgの体重減に成功したと報告されています。

しかし、この実験は、体重減により、
心臓病の発症率が減るという仮説で
すすめていた実験なのですが、
結果として発症率が下がることはなく、
変わりに”骨密度が減少するかもしれない”
と言うことが明らかにされました。

極端なカロリー制限は、
どうしても低栄養の
リスクを持っています。

上に書いた実験は
10年間にわたるもの。
対象も基礎疾患を
持っている人間なので、
もし、健康な人が対象なら、
結果はまた違ったと思います。

しかし、健康な人なら、
大丈夫なんでしょうか?
短期間ですごい減量結果を
アピールしているケースありますよね。
実際、それはすごいことだし、
インパクトもあります。
ジムであれば、いい宣伝になりますよね。

果たしてそれは健康的なことなのか?
短期間ですごい減量をすると言うことは、
落としたくないところまで
落としてしまう危険性があります。

筋肉量の低下
骨密度の低下

どちらもリスクでしかありません。

標準体型にすることで、
生活習慣病の発症率を下げたい。
自分の体型を整えることで、
自分に自信を持ちたい。

素晴らしいことです。
でも、そこに到達するのに、
リスクが高いことをするのは、
本末転倒です。

まとめ

減量するなら、
”アンダーカロリーの状態”
を作るのは基本
です。
(摂取カロリー<消費カロリー)
でも、低栄養素になるのは論外。

「必要なものは、きちんと食べる。」

これが大切なことです。
皆さんは、カロリーに縛られていませんか?
”食べない”ではなく、”何を食べるか”ですよ。
自分に食習慣、見直してみてくださいね。

今回の記事は、下の書籍を参考にしています。
カロリー制限だけでなく、
脂質制限など、多くの人が
”間違った認識”を
指摘している書籍です。
気になる方は、ぜひ読んでみてください。


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