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トロフィー道#24 新たな歴史が刻まれた『ファイナルファンタジー16』

プレイステーションタイトルのプラチナトロフィーを取る過程やトロコンしたからこその感想、トロフィーハンターとしての奮闘をお届けする「トロフィー道」。第24回は『FINAL FANTASY XVI』です。先日、連載第5回が公開となり、『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』第1~6作について書かせていただきました。

元々、ピクセルリマスターを全作品トロコンした後に最新作である『FF16』に挑むという計画だったのと、せっかくならネタバレありで書きたいと思い、記事を出すのが発売からある程度時間が経った今になってしまいました。TwitterなどのSNSではネタバレに配慮していましたし、クリアした人としか詳しい話はしていません。そんな感じでフラストレーション溜まりまくりな状態を過ごしていましたが、ようやく話せる時が来た!ということで、今回はネタバレ多めでお送りします。ここからはネタバレありとあらかじめアナウンスしますが、プレイ予定のない人や気にしないという人以外は、クリア後に読むことをおすすめします。難しいトロフィーは無いので攻略的なこともありませんしね。

ストーリーもシステムもシリーズ初の挑戦!

『FF16』はクリスタルの加護を断ち切るための物語ということで、プレイヤー側がクリスタルを破壊するという今までに無い切り口の展開。昔からシリーズを遊んできた人たちにとってクリスタルは『FF』を象徴する存在で、それを破壊したり利用しようとする悪から守るストーリーのイメージがあると思います。ですが、そういった概念や常識を壊すというような表現は、本作のプロデューサーである吉田直樹さんのゲーム作りへの挑戦とリンクするところも感じました。そして本作は召喚獣にフィーチャーした作品でもあり、ムービーや大迫力のバトルなど、その表現にとにかく驚かされました。実際にプレイしてみると、PS4に対応させられなかったのが納得できる作りです。

本作のジャンルは"本格"アクションRPG。移動から攻撃、回避、アイテム使用まで、バトルにおいては全ての行動がプレイヤーの自由におこなえるジャンルです。プレイヤースキルに依存するジャンルではあるものの、昨今のスマホゲームっぽい簡単操作で華麗なアクションが楽しめる「ストーリーフォーカス」モードや自動で回避や回復をしてくれる「サポートアクセサリ」があり、ゲームが得意ではない人でも気軽に遊べます。かといって簡単で単純なものにはなっておらず、やり込み要素はプレイヤースキルが高い人にも歯ごたえが感じられ、初心者から上級者まで楽しめる設計になっていました。この次からは少しづつネタバレを含みますので注意してください。

トロコン難易度は低く、時限要素はナシ!トロフィーハンターでも100%ゲームを楽しめる環境に感動!

トロフィーについてですが、時限要素に関するものはありません。最強武器を作る際に必要な素材を間違って売らない限りは大丈夫です。そもそもそんな人いるのかって感じですけど。難易度についても、2週目を高難度のファイナルファンタジーチャレンジでクリアする「幻想の果て」のトロフィーがありますが、1周目にしっかり準備していれば難なくクリアできるので、アクションが苦手だったりゲーム初心者でもトロコンを十分に狙えるレベルです。この辺りは後ほど解説しますね
時限要素もそうですが、トロコンに気を使うが故にゲームが100%楽しめない、ということが無かったのが僕が1番嬉しかったところかもしれません(笑)ロケーション踏破系はサブクエストなどを進めていれば自然と取れますし、宝箱のアイテムを全部入手するというピクセルリマスターでは苦労したものが無いだけでもありがたいです。もう少し宝箱の話をすると、宝箱が通り道やわかりやすいところにあったり中身が重要なものではなかったりなど、『FF16』は細かいことを気にせずマップを進みストーリーに集中できる環境が整っていると感じました。こういう細かなストレスを排除した仕様は珍しく、吉田さんならではの配慮かもしれません。

ゲーマーの悪い癖が出てしまい思わぬ事態に…

先ほども言いましたが、1周目に関しては「ストーリーフォーカス」で遊んだり、サポートアクセサリを装備すれば簡単にクリアできる難易度になっています。しかし、それでは芸がない、と思ってしまいゲーマーの悪い癖が出てしまいました。これが後に大きなタイムロスをする原因となります。
なにをしたかというと、「全ボスノーダメージで倒す」という縛りプレイ。本作では、特定のボスをノーダメージで撃破すると「勇者の紋章」と呼ばれるアイテムが入手できます。それを全部集めてクリアするということを課しました。「勇者の紋章」の使い道はいまのところ特に無く、ただ自慢できるだけ。トロコンを目指すなら16体のうちどれか1体をノーダメージでOKです。1番最初の弱いボスを倒せばいいので割と簡単ですが、全てとなると話は変わってきます。ラスボスも含まれますからね。こうして、僕が操作するクライヴはキノコを取る前のマリオと同じ耐久力になってしまいました。

どうせ回復できないのでアイテムはこのような形に。難易度はいわゆるノーマルに位置する「アクションフォーカス」にしました。サポートアクセについてですが、ボス戦のストレスがやばくなりそうと予想して、道中は「オートドッヂ(自動で回避)」だけ付けています。攻略をほとんどみていないため、どのボスというか敵をノーダメージで倒せば「勇者の紋章」がもらえるのかがわかっておらず、明らかな雑魚以外はリスキーモブも含め全てノーダメージで倒しました。いいんです、無駄な努力で。それもまたゲームの楽しみ方ですし、たまにはプレイヤースキルを鍛えないと衰えていきますからね。
などといいこと言ってますが、正直舐めてました。最終的にはオートドッヂがあるんだから詰まることはないだろうと。しかし、このオートドッヂは万能ではないんですよ。あくまでサポートですから、全ての攻撃をかわす無敵アクセサリではありません。まず、自分が攻撃モーションの際に敵の攻撃がくると回避できません。加えて、多段ヒットするような攻撃や複数の範囲を攻撃するもの、火炎ブレスのように長時間ダメージ判定があるものに関しては、1度目はかわしてくれてもその次すぐには発動できないため、回避方向や周りの環境により被弾する可能性がかなり高いです。例えば、雨のように降り注ぐ攻撃が来た時、近場の攻撃は回避できますが、回避先に降ってきた場合は被弾確定です。僕の場合ですが、使い方が悪いのかオートドッヂに頼っていては逆に被弾するようになってしまうのです。繰り返しになりますが攻略をほとんどみていないため、どのような攻撃が来るかもわからないので最初はオートドッヂをつけて回避のタイミングなどを覚え、その後にアクセを外してノーダメを狙うという流れでプレイしました。

スーパーノヴァからのメガフレアやギガフレアに何度泣かされたことか。

1番苦労したのがバハムート。攻撃の多彩さもさることながら、バトルが4ラウンドあることが最大の難関でした。せっかく4ラウンド目まで行っても、そこでダメージを受けてしまったら1ラウンド目からやり直し。これが僕の精神を削っていきます。4ラウンドに行くのに3時間くらいかかりましたし、4ラウンドに行っても複数の技の組み合わせに一瞬で被弾してしまうということが多発して、結局バハムートだけで7時間くらいかかりました。

クリア後にSNSで目にしたのですが、バハムートは最終ラウンドだけノーダメで良かったみたいです。久しぶりにコントローラー投げるくらいイライラしてまで頑張った7時間はいったい。ただ、ここで苦労したおかげか、ラスボスでさえも簡単にノーダメでクリアできました。ちゃんと意味があったと思うようにしておきます。人生もそう、意味のないことなどありはしないのです。

トロコンした過程で苦労したところと、初心者が苦戦しそうなポイント

トロコン難易度は低めの本作ですが、苦労するところがあるとすれば2周目をファイナルファンタジーチャレンジでクリアする「幻想の果て」ですかね。敵が硬いだけでなく攻撃力も上がっているので初心者の人は苦労するかもしれません。おすすめの攻略法は、雑魚はオーディンの斬鉄剣で処理。ボスはラムウの裁きの雷とシヴァのダイヤモンドダストなどでテイクダウンさせ、バハムートのギガフレアでHPを削る。です。敵の一撃でゲームオーバーになることはほぼないと思われるので、回復できるだけノーダメージ縛りよりはるかに簡単です。サポートアクセも好きなだけ付けましょう。

派手なチョコボっぽいやつがブルーバード。

もう1つは、すべてのフィートとアビリティをMASTERにするトロフィー「ミュトス」獲得のためのアビリティポイント(AP)稼ぎだと思います。普通にプレイしているとこのトロフィーが最後まで残りがちで、意識しないと取得するのは難しいかもしれません。色々な方法がありますが、終盤にクリッテン・ホロウで出現するハイエナを狩るのが1番効率が良いです。序盤からアビリティをたくさん覚えたり強化したいという人は、ブルーバードを狩りましょう。割と早めに出会えるモンスターで倒しやすく、獲得APが多いのでおすすめというかAP稼ぎの定番です。

評価

プラチナ取得時間 70〜80時間
難易度 ★
トロコン難易度 ★★
ゲーム評価 ★★★★
オススメ度 ★★★★★

トロコンにかかった時間は109時間。サブクエストなどのテキストやムービーはスキップせず、道中もフォトモードで遊んだり割とゆっくりめに進めました。なによりノーダメージ縛りでトータル15時間くらいは余計にかかっているので、アクションが得意でゲームになれているひとであれば80時間あれば余裕でトロコン可能です。そうでない人でも100時間はかからないと思います。
感想はこの次の「ネタバレ感想」でお伝えします。トロコンするまで遊んだ人の感想なので寄り道のネタバレもあります。また、最低でも全クリした人が読むと仮定しているので作中の細かな説明は省きます














※ネタバレ注意!クリアした感想!

UIなどにも『FF14』ぽさが感じられた。

小見出しをつけて分けたいところなのですが、そこでも盛大にネタバレしそうなのでダラダラと書いていく感じにします。読みづらいとは思いますがご了承ください。
まずは、ゲーム自体の話。友人と話しててハッとしたんですけど、このゲームバグが無いなと。もしかしたら出会っていないだけかもしれませんが、トロコンまで100時間ちょっとプレイしても1つもバグに遭遇しないってすごいことだと思います。少なくても、トロコンするくらいやりこむ過程では不具合が続くストレスは一切感じられませんでした。SNSでもその類の投稿は見当たりませんでしたし、本当に0なのかも。やれ神ゲーだのクソゲーだのと批評ばかりが目立ちましたが、当たり前に遊べてクリアーできる状態であることは、昨今のゲームでは評価に値すると僕は思います。気になった所としてはミニマップの有無。没入感を高めるため、検討したがあえて実装しなかったということでしたが、選択させてほしかったとは思ってしまいますね。でもミニマップなしでも快適に遊べるように、トルガルに道を示してもらえたり宝箱の中身が重要ではなかったりわかりやすい場所に配置してあるなど配慮があったように感じたので、きちんと検討したゆえの判断なのでしょう。ですがNPCとの会話やバトルで方向感覚がわからなくなってしまうことが多々あったので、方角だけがわかる方位磁針くらいはあっても良かった気がします。

次に吉田プロデューサー(以下、吉P)の話。ゲームをクリアすると、クライヴ=吉Pと感じられるような不思議な感覚がありました。重圧を感じながらも様々な人の"想い"を背負い『FF16』を作り上げたんだと思います。苦労や葛藤、挑戦…1つ1つの感情が作品とリンクしていました。とはいえ、俺が新しいFFを見せてやる!とかFFとはこうあるべき!などまるっと新しいものにはしていなくて、いたるところに  FFシリーズへのリスペクトが感じられる作品になっていました。吉Pはプレイヤーとして、本当にFFが好きなんでしょうね。
セーブ画面のドット絵だったり、敵の技を覚えるラーニングが出てきて昔のFF要素強めなのは間違いないですが、「斬鉄返し」が出てきたときは思わずサイファー!!ってなりましたね(笑)他にも、ディオンが関係するサブクエストの「飛竜草」の話では、この草が猛毒を持つ『FF5』と同様の設定ですし、本編以外の小さな小さなところでも繋がりが感じられました。この他にもオマージュはたくさんあるので探してみてください。

楽しすぎてひたすら技を受けまくっていました。

もちろん、吉P色も出ていましたよ。召喚獣戦は『FF14』っぽさがありました。タイタンとかタイタンとかタイタンとか。14に関してはサービス開始時から遊んでレベル50(たしか当時のMAX)でバハムート攻略したくらいですが、それでもタイタン戦は興奮しました。この技もくるということは…あれも来る?キターーーーーーって1人で騒いでいました。あの14のバトルがアクションで体感できる、しかも美麗グラフィックで。僕レベルでこの興奮度なので、ヒカセンは泣いてしまうんじゃないでしょうか。14だけでなく、1〜6を遊んだことがある人や思い入れのある人には、『FF16』を遊んでみてほしいです。僕はピクセルリマスター1〜6を遊んだ直後だったので、本作を最高の状態でプレイできたわけです。より楽しむためには、少し手間ですがピクセルリマスターを全作クリアしてから遊ぶことをおすすめします。トロコンする必要はないのでクリアだけなら結構早く終わりますよ。

ゲーム全体を通しては、中二病要素といいますか、少年がかっこいいと思うことが詰め込まれていた作品だったと思います。イフリートなど召喚獣の顕現は仮面ライダーやウルトラマン的な変身を思わせたし、イフリートとフェニックスの合体は戦隊モノの最後に登場するロボのよう。世代的な要素もあるでしょうけど、特撮的な男心をくすぐる感じがありました。

自我を持つことを恐れるあまり、自らが自我を持ってしまう場面。

ストーリーの名場面を挙げたらきりがありませんが、やはりラストバトルは熱かった。先ほど過去作のオマージュの話をしましたが、その最たるものが最後の召喚獣の力を使った戦い。同じ召喚獣の力を使ってはいるものの、アルテマは「バハムル」「アイスン」など『FF3』時の召喚獣の呼び方を、対してクライヴは「バハムート」「シヴァ」など現代の呼び方で。ストーリー的にもそうでしたが、吉Pの過去作と対峙し乗り越えていくというというようなメッセージもあるような気がして、グッときました。FFの世界が繋がっているとしたらアルテマは3の頃から存在していたのでしょうか。そう考えてみるとオリジンは3の浮遊大陸に似ていますし、関わりがあったら面白そうです。

米津玄師さんが歌うテーマソング「月を見ていた」も絶妙なタイミングでかかります。米津さんが担当するということが発表されてからトレーラーなどで曲を聴くチャンスはありましたが、僕はあえてエンディングで流れるその時まで聴かないようにしていました。タイトルしか知らない状況かつあの展開で聴かされたら泣くしかないです。感動の要因はもう1つあって、サブクエをきちんと全て終わらせていたからです。とくにオリジンに乗り込む前の終盤のサブクエでは様々な人が別れを経験したり自分と向き合い、想いをクライヴに託すんです。本作ではパーティという概念がありませんでしたが、決してクライヴは1人じゃなかった。最終決戦ではちゃんと後ろにみんなが居ました。やはりサブクエを全部終わらせているのといないのとでは最後の一撃の重みが変わってきます。なので、100%ストーリーを楽しむならサブクエは全部終わらせるべき。後からでもできるからといって後回しにせず1周目をクリアする前に終わらせてほしい。

誰が生きているかといった結末は語られていないですが、色んな考え、解釈があって良いんです。プレイヤーの数だけ"幻想"があるのですから。正直僕は『FF16』が神ゲーでもクソゲーでもどちらでも関係ありません。僕は神ゲーだと思ったので神ゲーなのです。それでいい。皆さんも、誰かがこう言っているから〇〇だ。ではなく、自分が感じたことを大事にしてほしいです。正解なんてないので、僕と話す機会があれば(コメントなどでも良いです)ぜひ皆さんの"幻想"を聞かせて下さい。何万本売れたから〜というのは開発側が気にすることであり、僕はレビュアーでもないので大事なのは楽しかったかどうかです。

結論として、僕にとっては神ゲーで、記録云々より、記憶に残った作品でした。

やり込み要素はまだあり、アーケードモードをFFチャレンジモードで全Sクリアで「王者の証」なるアイテムがもらえることが判明しました。これもノーダメの時と同じでただ、自慢できるアイテムです(いまのところは)。僕も2ステージ程プレイしましたがスコアを稼ぐ戦いはまた違った難しさがあり苦戦しています。召喚獣で語られていないリヴァイアサンなどDLCの期待も膨らみます。これからやっと2周目という人や、これを機にノーダメやってみようと思う人、さらなるやり込みに乗り出す人など、まだまだ遊ぶ人いると思うので一緒に頑張りましょう。

今回は、思ったことを思っただけ何も考えずに書きまくりました。それゆえ読みにくい部分が多かったと思いますが、少しでも面白さや僕の気持ちが伝わっていれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。



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