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トロフィー道#23 10年の時を経て新ルートが追加された『AKIBA'S TRIP2 ディレクターズカット』

プレイステーションタイトルのプラチナトロフィーを取る過程やトロコンしたからこその感想、トロフィーハンターとしての奮闘をお届けする「トロフィー道」。第23回は『AKIBA'S TRIP2 ディレクターズカット』です。この頃連載ばかり書いていたので、なんだかnoteでのトロフィー道は久しぶりですね。タイトルからも分かる通り、本作は2013年11月7日にPS3、PS Vitaにて発売された『AKIBA'S TRIP2』本編にこれまでに発売されたDLC、さらに新たなシナリオが追加になったもの。僕はシリーズの大ファンで、オリジナル版はもちろん『AKIBA'S TRIP ファーストメモリー』などのリマスター作品もプレイし、トロフィーがあるものに関してはトロコンしています。攻略が出きっている作品なので、今回は改めて遊んだ感想メインで進行していこうと思います。「ネタバレ感想」以外でも若干のネタバレを含む可能性がありますので、読み進める人は注意して下さい。

アキバを守るため…脱がせて脱がせて脱がせまくれ!

主人公はいたって真剣です。

本作は秋葉原を舞台に人造吸血鬼「魔骸者(マガイモノ)」と戦い、仲間たちとともに謎の事件へと立ち向かっていくアクションアドベンチャー。マルチエンディングに対応しているため、ヒロインや主人公が所属するアキバ自警団のメンバーと交流していくことで結末が変化していきます。主人公が敵である「魔骸者」を倒す手段はただ1つ。服を奪い太陽の光に晒すこと。ということで、プレイヤーは「ストリップアクション」を駆使して敵と戦っていきます。これだけ聞くとバカゲー要素が多めな感じがしますが、この特徴的なシステムが上手くできていてとにかく楽しい。バトルでは△ボタンが頭、□ボタンが上半身、○ボタンが下半身に対応しており、攻撃していくと部位が点滅し脱がせられるようになります。アクションゲームでありながら操作はシンプルでわかりやすく、爽快感も得られる絶妙なバランスです。

ちょっとした変化を探す楽しみもある。

リアルに再現された秋葉原の街を歩けるのも魅力で、ゴーゴーカレーやツクモ、コトブキヤやスーパーポテトといった130以上の店舗が実名で登場します。東京に住んでいた頃はよく秋葉原に行っていたので、アキバを訪れるたびにその再現性の高さを感じていました。10年も前の作品なので、今の街とはだいぶ違いますが、ディレクターズカット版では当時の街並みに『AKIBA'S TRIP ファーストメモリー』の広告があるといった変化も見られます。当時遊んでいた人は、こうした小さな変化を探すのも楽しいと思います。

対して、大きな変化といえばカティルートが追加になったことでしょう。オリジナル版をプレイした時もなんでカティだけED無いの…ってなっていたので、時間はかかったけれど追加になって嬉しいです。このことに関しては語りたいことが色々あるのでネタバレ感想にてお話しします。

この絵面だけで一杯飲めそうなくらい感慨深い。

僕は前作『AKIBA'S TRIP ファーストメモリー』に続き、豪華版を購入。ビジュアルブックやサントラ、オフィシャルコンプリートガイド復刻版といったファンにはたまらない特典ばかり入っていました。最近はダウンロード版を購入し0時になったらプレイ開始というスタイルをとることが多く、パッケージ版を買うことは少なくなりましたね。ですが、好きな作品はプレイ開始時間を遅らせてもパッケージ版を購入することにしています。所有欲も満たされますし。皆さんはDLとパッケージどちら派ですか?または購入時のこだわりなどはありますか?ぜひお聞かせ下さい。

トロコンした過程で苦労したところと、初心者が苦戦しそうなポイント


お前はもう…脱がされている…。

地道に遊んでいれば取れるものが大半なので、『AKIBA'S TRIP2 ディレクターズカット』のトロコン難易度は低め。苦労しそうなところがあるとすれば、12連ストリップを行う「触れるものみな脱ぎ捨てた」というトロフィーくらいです。バトルでは△ボタンが頭、□ボタンが上半身、○ボタンが下半身に対応しているとお話ししましたが、連続で脱がせるには3つのボタンのうち表示されたボタンを素早く入力する必要があり、8、9、10と連続していくにつれて入力時間が短くなっていきます。僕はシリーズ経験者なので問題なく取れましたが、初見プレイに人やQTEのような入力が苦手な人には少々大変かもしれません。敵の人数が多くなければ達成できないため、おすすめは「アイドル活動はプレイスレス」というサブクエです。クエに行く前には必ずセーブしておきましょう(失敗したらロードしてリトライするから)。挑戦する際のコツは、”次に来るボタンを確定させる”です。

数人の全部位を脱がせられる状態にしてストリップアクションをスタートさせ、最初に△(頭)が表示されたとします。全部脱がせるまで他の敵にはいかないので、そうすると残っているのは□(上)か○(下)ですよね。次に□がでたら、その次に○が出る確率は100%となります。このようにして、なるべく反射神経で見てから対応する機会を減らすことが鍵となります。最初のうちはいいとして、9連以降は予想できるほうが安全ですし、最後の12連目なんかはどのボタンが来るか確定させそのボタンを連打して待つくらいが楽です。僕のおすすめしたサブクエであれば1度に6人以上と戦えるので、例えばですけど、全員の△をあらかじめ脱がせておいて□か○しか出ない状態にした後にストリップアクションをすれば2つのボタンを構えているだけで済みます。□が出たら次は○、○が出たら次は□と次が確定しているので、反射でボタンを押すのが6回でOKなのも良いところです。なかなかトロフィーが取れない人は参考にしてみて下さい。

取り返しのつかない要素はないですが、効率を求める人はチラシを100枚集めるトロフィー「アキバのことならオレにまかせろ!」獲得のため序盤から意識してチラシ集めをすると良いでしょう。トロコンするとなると最低でも4周する必要があるため嫌でも集まりますけど。チラシは見るのも楽しいのでコンプすることをおすすめします。
周回の話が出たのでそれもついでにしておきますね。新たにカティルートが追加されましたがトロフィーには関係ないので、他のキャラ4人+同時に達成できる妹エンドでOKです。僕はカティルートが遊びたかったので、トロコンに関係なくてもプレイしました。難易度のトロフィーも意識して綺麗にトロコンするなら、トーコ(イージーorカジュアル)と妹→志遠(イージーorカジュアル)→カティ(イージーorカジュアル)→霖(ゲーマー)→雫(ヲタク)の順が1番簡単だと思います。今思えばカティが最後でも良かったかもしれないです。

評価

プラチナ取得時間 15〜40時間
難易度 ★
トロコン難易度 ★★
ゲーム評価 ★★★★
オススメ度 ★★★★

僕がトロコンにかかった時間は約21時間。5周して、周回時の同じ話のところ以外は早送りせずゆっくり遊んでこのくらいでした。わざわざディレクターズカット版を買っておいてカティルートを遊ばないという人はいないと思いますが、4周だけ+テキスト早送りを多用すれ15時間くらいでトロコン可能だと思います。初見プレイの人は40時間くらいはかかりそう。周回時に何度も同じ話を聞くのが疲れたので、まるまるスキップできる機能が追加されていたらもっと快適にプレイできた気がします。それでもストーリーが良くどのルートも見応えがありますし、遊びやすい作品なので気軽に手を出して欲しいですね。本作を遊んでから『AKIBA'S TRIP ファーストメモリー』を遊んでも楽しめるので、ハマったら他のタイトルも遊んでみて下さい。



















※ネタバレ注意!クリアした感想!

強い人の涙っていいですよね。

10年ぶりに全てのトゥルーエンドを見ました。当時はメインヒロインである雫エンドが1番と思っていましたが、改めてプレイしてみるとどのルートも良すぎてみんなに幸せになって欲しいという思いが強かったです。自分の身を犠牲にして禁断の方法を使うトーコの勇気にも感動しましたし、最後に自分に正直になってまっすぐな気持ちを言葉にする霖にも心を奪われました。ですが、カティルート以外で今回に限って言うならば、志遠エンドが1番良かったです。色々な思いを押し殺してきた強い志遠の弱い部分が見られるのもポイントですし、最後の展開はトゥルーエンドに相応しい内容になっていたんじゃないかと思いました。どのルートも主人公が誠実に向き合ったからこその結末。やはり主人公はただのヲタクではなかったようです。内容はオリジナル版と全く同じでも改めて遊んでみると、自分の経験が増えていたり考え方も変わっていたりするので新たな面に気づかされ、また違う感想が出てきました。何度も同じタイトルをプレイするのは苦手でしたが、リマスター版やディレクターズカット版などの機会に遊ぶのは大いにアリだと強く感じました。僕はゲーマーとしてもそうですが、人間としても成長できていたらいいな。

カティルートについても、クリアした時の感想は「カティも幸せになれて良かったね」という父親のような感じになりました(笑)10年越しの追加シナリオということで感慨深いものがあります。オリジナル版をプレイした時には1番魅力を感じたキャラだったので個別エンドがないのが不思議なくらいでした。カティルートを遊ぶ前は、他のキャラや本筋のストーリーとどう絡ませるのかが心配で、結局無難な薄いストーリーになったらどうしようかと不安でしたが、クリアしてみると他のルートと同レベルのボリュームで作り込まれていたので制作側の愛を感じましたね。故郷のフィンランドを生かした設定も、展開を予想させない形で最後まで楽しめる要因となりました。


特に熱かったのは最後のバトル。あの演出はずるい。バトル前にオプションからBGMのボリュームをいじって下げておくとさらに熱い感じになります。カティルートと言ってはいるものの、雫にもフォーカスしていてラストバトルからEDまでの完成度が高いです。真のエンディングと言っても過言ではないくらい。これ程のクオリティのシナリオが10年後に追加されるとは…何回も繰り返しになりますが、製作陣の作品に対する愛を感じました。これからも「アキバズ」シリーズは大切にして欲しいですし、PS5での新作もずっとずっと待っています。カティ・ライコネンを幸せにしてくれてありがとうございました。

禅夜からこんな言葉がきける日が来るとは。

そしてもう1人、幸せになったのが主人公のライバルである禅夜。カティルートでは仲間としてまさかの共闘という展開になります。本作では男同士の友情みたいなものがあまり描かれていなかったので、こういう演出も胸熱です。全てが解決した後、禅夜は自警団に加わることとなり、ライバルから友達・相棒・仲間として新たな人生を歩み出していました。カティだけでなく禅夜までも幸せにしてくれるなんて…オリジナル版を遊んでした人は感動しっぱなしなのではないでしょうか。このことも真のエンディングなのではと思わされる要因です。

禅夜も実質ヒロインなのでは!?

バトルにおいても、ヒロインとできる協力技「ユニゾンストリップ」が発動可能。初めは「俺と協力するしか道はない」と言っていた禅夜ですが、修行をしてユニゾンストリップを習得し使う頃には「相棒」と呼んでいたり、所々に心境の変化が現れているのもにくい演出でした。カティルート追加につられて遊んでみたら色んなキャラクターが幸せになれて、僕の中でやっと『AKIBA'S TRIP2』が完結しました。

『AKIBA‘S TRIP』シリーズは累計90万本を売り上げてはいますがまだまだ知らない人も多いです。本作の発売を機にどんどん認知されていくことを願っています。この記事がほんの少しでもその助けになってくれれば幸いです。


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