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犬のフンで鬼ごっこ〜最低の思い出話〜

「あ、ウンコ!」

思わず口に出してしまった。すんでのところでそれを避け、道の端を歩く。僕は未だに、ウンコを見るとテンションが上ってしまう。幼い頃は、生活の中でウンコという単語が登場するたびに爆笑していた。

小学生の頃、ガチ鬼ごっこという遊びがあった。鬼が、犬のフンを棒の先などに付けて子を追いかけるという最低の遊びである。追いつかれた犠牲者はウンコをなすりつけられる。泣き叫ぶ子もいる。走るうちにウンコが空中分解して、それを持った鬼の身体に付いてしまうこともある。

帰り道、Uターンしてもう一度ウンコがあった場所に戻ると、ウンコに靴跡がついていた。誰かがウンコを踏んでしまったのだろう。僕は哀れな犠牲者に思いを馳せ、心の中で静かに両手を合わせた。

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