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地方学生が東大に進学するということ②


気づいたら4月になり、4年生になっていました。

外出自粛しているうちに桜が咲いていたり、3月末なのに雪が降ったりと四季感も曖昧になっていますが、季節を愛でる気持ちはいつまでも持っていたいなと思います。1~2年前に見た、雪の降ったキャンパスがすごく綺麗だったことを思い出します。

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「地方学生が東大に進学するということ①」では、大学入学に際して感じた情報ギャップについて書きました。
今回は、その前提にある「受験生時代に私が得ていた/頼りにしていた情報」について書きます。具体的には、

①情報が圧倒的に不足している中でも進学を志すようになった理由
②受験時代にどのような情報を拠り所にしていたか
③モチベーションの保ち方


上記3点について書きます。長文です。

進学を志すようになった理由

東大を受験すると決めたのは高校1年生の時です。
高校入学当初は、森見登美彦さん作品の世界観に憧れて、京大の文学部に行きたいと思っていました。学校の勉強は頑張っていたので、テストや模試の成績もよく、このまま行けば京都大学を目指せる!と自信満々でした。
しかし、高校1年生の夏、クラスメイトの男の子に、模試の点数で負け、悔しい思いをしました。成績が取り柄の人間にとって、模試で負けることは大打撃です。あまりの悔しさに打ちひしがれているとき、たまたま、彼が東大志望ということを知りました。彼が東大を目指し始めた理由は知らなかったけど、同じところを目指せば成績は伸びて悔しさは消えるだろう、と思ったのが東大を意識し始めたきっかけです。
動機が阿呆らしいですが、私の母校にはこれまで東大に進学した生徒がいませんでした。だから、東大は目指す場所というよりも、天才が行く場所として理解されていて、頭に浮かぶことすらありませんでした(京大ならいけると信じていた理由はよくわかりません)。感情がトリガーになったので、偏差値的な難易度・自分の成績・金銭的側面といった受験にまつわる諸事情はすっ飛ばして受験を決意。進学のための情報を得る素地のない中で、クラスメイトへの対抗心が転機になりました。

受験時代にどのような情報を拠り所にしていたか

その後、東大について調べ、国立大学であること・進学選択制度・学部の多様さ・東京という場所そのものの魅力に惹かれ、本格的に目指すようになりました。
一方で、受験科目の多さ(おそらく必須受験科目数は大学の中で一番多い)・センターの足切り点・偏差値・受ける層の厚みを知り、受験への不安が蓄積していきます。
浪人してでも東大に入学したいと考えていたので、「どうやったら私でも合格できるか」のプランを練って行動に移すようにしました。


まず、絶対的な勉強量を増やす必要があると考え、人より勉強する(=勉強時間を増やす、参考書を人より多く解く、人より問題をこなす)ようにしました。模試や問題集の丸付けは丁寧にして、同じ問題を二度間違うことがないよう、何回も復習しました。復習については学校の小テストや学期のテストが役立ちました。
次に、「私でも合格できる」という自信を手にいれることが重要だと考えました。受験に絶対はないし、勉強の仕方も人それぞれなので、自分が勉強することと模試の結果でしか自信は積み上げられません。不安を減らすため、「不安を乗り越えて合格した人の情報」を沢山取り入れるようにしました。主に参考にしていたのは下記のような情報です。

・受験体験記(予備校のサイトや受験情報誌に載っているもの)
・Instagramの勉強アカウント
・赤本に載っている匿名のアドバイス
・学校で企画された東大見学の行事に参加し、東大の院生の方から受験時代どんな勉強をしていたかお話を聞いた際にとったメモ

全て実践するというよりも、広く読むこと(インプット)に注力し、各情報で「大事です」と言われていたことを意識するようにしました。「何時間勉強する」という技術やコツより、「〜の意識で勉強に取り組んだ」「〜の姿勢で受験当日を乗り切った」「テストを受けるときは〜を考えることを習慣にしていた」といったメンタルに関する部分の記述を読み込み、実際の生活や模試で実践しました。

モチベーションの保ち方

受験で一番苦しんだことはモチベーション維持です。負けず嫌いな性格、インプットした情報をもってしても、勉強したくなくなる瞬間が多発し、相当に苦しみました。コツコツ努力を積み重ねるよりも、集中的に取り組む方が得意だったことがあり、13時間ぶっ通しで勉強する日もあれば午後を過ぎても何も出来ない日もあるなど、波がありました。
息するように勉強できる体質ではなかったので、モチベーション維持の方法は高校3年間で模索して身につけました。

気持ちの移り変わりをセーブしながらも、無理をしないように、モチベ上げグッズ(東大のパンフレットなど)を用意し、タイミングによって使い分けていました。

通常は気持ちを維持するために
・お風呂で東大のパンフレットを読む
・お風呂の時間だけスマホOK
・受験体験記を読む
ことを継続し、
勉強を放棄したくなった時は、
・自分の模試の結果を並べて見る(だいたいやる気だけ出る)
・映画をみる
・wiiをやる

等、勉強から離れることも手段として取っていました。やらなきゃと気持ちを奮い立たせるよりも、すぐに切り替えて勉強に戻れることが多かったように記憶しています。

特別じゃないこと

ここまで読んでくださった方は、東大志望理由、参考にしていたもの、モチベーション維持の方法すべて特別なところはないことに気づかれるかと思います。
個人的に、特別なことをしなくても、勉強し続ければ成績は上がると信じています。ただ、勉強し続けること自体が難しいので、成績を上げることが難しくなってしまう。だから、勉強し続ける苦を軽減する方法、勉強に楽しさを見出す為の仕組みづくりが必要です。

自分の意思に従って行動する、うまくいかなかったら修正する、その二つを頑張って維持する

頑張りどころは人それぞれですが、勉強を続けるためのモチベーション探しは普遍的な頑張りどころの一つだと思います。
何となく勉強するのではなく、自分はこうしたいという想いを持つこと、そしてその想いを維持する工夫を探す姿勢は、楽しくない場面の多い受験勉強を乗り切るために不可欠です。

①東大進学を志すようになった理由
②受験時代にどのような情報を拠り所にしていたか
③モチベーションの保ち方

①②③を書いた理由としては、「東大受験へのハードルがそんなに高くないこと」「特別なことは必要じゃないこと」を伝えたいと思ったからです。自分語りに終始してしまいましたが、少しでも参考になれば嬉しいです。


大学2年生の時の桜。今年も見たかった。

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