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〜恐怖体験〜64年前の夏休み日記

昭和33年8月14日

きょうは海水浴第二日目。
きょうはあまりよいお天気ではありませんが、
午前中 葉山の海岸へ泳ぎに行きました。
むこうにつくと すぐ泳ぎましたが岩だらけで、ぼくとゆきちゃんときょう子ちゃんはケガをしてしまいました。
きよしちゃんは平気でした。
ぼくはまたもや、海の中に入りました。
じゃぼーん、高いしぶきをあげて泳ぎました。
だんだんと苦しくなりフゥヮーと(水面に)出てしまいました。

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この日お母さん方と子供達で葉山海岸を散歩した時の事でした。

皆で歩いているうちに、いつのまにか崖の縁に辿り着いたのです。
そこはナント50㍍もの高さから入江を見下ろせる断崖絶壁の上でした。

眼下のキラキラと輝く美しい海面と海の底がはっきり見える水の透明度に
「わー!」と声がもれるほど見惚れていました。
しかし、数十秒が過ぎた瞬間、僕は忘れていた怖さを思い出して突然
足が竦みました。
ケガの痛みやヤカンの熱さが神経を通じて脳に伝わるのに僅か0,05秒程度の時間差があるのと同じようなものです。
それにしても実際は海面まで10㍍もなかったのかも知れませんが、
人一倍こわがりの僕にとって生まれて初めて味わう高所の恐怖感でした。

「僕がここから落ちたらお母さんはどうする?」と僕は母に聞きました。
「お母さんは飛び込んで助けに行くわよ」と母は答えました。
泳げない母じゃ無理だろうな、と自分勝手が頭を過りました。(笑)
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