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「読書会という幸福」〜読書会に興味があったり、とにかく本好きの若い世代へ

読書会を通して、広がっていく人生がいかに素敵なものか、
向井和美著「読書会という幸福」で感じて欲しい。推し本です。

わたしがこれまでに人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと言ってもよいのかもしれない

向井和美著「読書会という幸福」

実際に読書会を作るための手順
読書会についての形式、様々な作法をこの本から学ぶことが出来る。

⭐︎ 読書会の形式は次の4つ。
1. おすすめの本を紹介し合う形式
2. 朗読を採り入れた読書会
3. 輪読形式の読書会
4. 同じ本を読んできて話し合う読書会 

向井さんが経験した読書会は、
4.同じ本を読んできて話し合う読書会だ。

30年間、ほぼ欠かさず読書会で出会う人たちとの交流。
それは共に生き、分かち合う時間
たまらなく愛おしい時間が伝わってくる。

紹介している本のリストの中に
自分の読んできたものを見つけると共感を感じて嬉しい。
たとえば、ヘミングウエイ〜「老人と海」 
    「移動祝祭日」(これはかなり気に入っている)

読んで、すぐに購入したのは、
チボー家の人々 全13巻」 それにちなんだ「黄色い本」

そして、ノンフィクションでは、人種差別のはびこる環境下で、
死刑囚が開いた刑務所の中の読書会奇妙な死刑囚」

あとがきの後ろに
読書会課題本リスト(1987年〜2022年)と題した
向井さんが参加されていた読書会の本のリストが載っている。

翻訳家という仕事柄もあり、この読書会は海外文学ばかりだが、 
30年間の本のラインナップを見るだけでも幸せな気分に浸れる。 

パッと目を惹いたのは、大作ではないが心に残った作品として、
デュマ 「椿姫」  (美しく儚くノーブル)
トルストイ 「 イワンイリッチの死  」(苦悩と歓喜が伝わる)や 
民話の「人はなんで生きるか」(生きるために必要な三つを知る)

また、本文中で触れている作法、マナーとしての心得も納得する。
 課題本は必ず読み終えること。
 他の人の意見を否定しないこと。
 ひとりで喋りすぎないこと。
 課題本をリスペクトすること。 等々

私も同じ課題本を読むタイプの読書会に通った。
反感を持つ意見を聞いても否定はしない。
正しいとか間違ってるとか、そんな議論の場所ではなく
個を尊重し合った。そして、人の数だけ捉え方があることを静かに学んだ

この本を読んで夢を見た。もしも、もう少し若かったら。。
どうぞ、若い世代の皆さん、何年も何十年も
共に人生を歩める仲間と巡り合う読書会に出会えますように。

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