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「いくら休んでも疲れが取れない人」が無意識にやっているNG習慣

『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』著者・わびインタビュー

仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは12万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書の発売を記念し、今回は特別インタビューを実施。著者・わび氏に休んでも疲れが取れない原因について聞いた。(取材・構成/川代紗生)

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わび
航空業界で働く危機管理屋。 某国立大学卒業後、陸上自衛隊幹部候補生学校に入隊。高射特科大隊で小隊長になり、その後、師団司令部や方面総監部で勤務。入隊後10年間は順風満帆だったが、早朝から深夜までの激務と上司によるパワハラが重なり、メンタルダウン。第一線からの異動を経て、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、市役所に転職。激務だった自衛隊時代に比べると天国のような場所だったが、自らの成長の機会を得るため、転職後1年半で航空業界にキャリアチェンジ。給料は市役所時代の倍に跳ね上がった。自衛隊などの社会人経験で身につけたメンタルコントロール術、仕事や人間関係に対する向き合い方などを中心にツイッターで発信を開始。普通の会社員にもかかわらず、開始して2年でフォロワー数が8万人を突破。ツイートはネットニュースなどにも取り上げられ、人気を博している。2022年2月現在、Twitterフォロワーは12万人。『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』が初の著書。Twitter(@Japanese_hare)

パワハラ上司のもとで倒れるまで働いた1年半

──今回は、「疲れ」との向き合い方について聞かせてください。わびさんも、メンタルダウンしてしばらく休職されたご経験がありますよね。疲れ切って、ポッキリと心が折れた瞬間のことは覚えていらっしゃいますか?

わび:「まだ大丈夫」と言い聞かせて働いていましたが、ある日突然、動けなくなりました。

 月約200時間の残業と、パワハラが原因で。今考えると、「まだ大丈夫」と思っている時点で、無理しすぎだったんだろうなと思います。

 自衛隊で幹部自衛官として働いていたのですが、当時、同期の中で成績がトップクラスだったこともあって、「周りの期待を裏切れない」というプレッシャーが強かったんです。

 ちょうどプライベートでは双子が生まれた時期で、もちろん子どもが生まれたことは喜ばしいことではあったんですが、職場でも家でも気が休まる暇がなくて。

 結局、職場で倒れて病院に運ばれてようやく立ち止まることができました。パワハラ上司のもとで働くようになってから、約1年半後のことでした。

 ただ、メンタルダウンの経験をしてから、働き方や生き方をガラッと変えたんです。自分のことを自分で守る強さを手に入れようと決意し、自分らしく生きるための方法を身につけました。以降、自分のペースを保ち、楽しく生きることができています。

「食べる」「寝る」「筋トレ」は回復ではなく予防手段

──疲労困憊してエネルギー切れになることなく、自分らしく働くためには、どんなことをされてきたのでしょう。「いくら休んでも疲れが取れない」原因は何だと思いますか?

わび:仕事に対して休みが追いついていないのだと思います。

 どんなにラクそうに見えても、何かしらストレスがあるのが仕事というもの。普通に仕事をしているだけでも気力、体力はガリガリ減ってしまうし、上司の厳しい指導や友だちの何気ない一言で普通の状態でいられなくなることもあります。

 心身を限界まで使い果たすと、今まで平気でできていた仕事も少しずつ困難になっていきます。

 だから、心身を回復させるタイミングは超重要なのですが、倒れた当時の私は、パワハラのストレスで睡眠も浅くなってしまっていて、ほとんど休みがない状態でした。

 ただでさえ、平日5日間の仕事の疲れを土日2日間だけで回復させる、というサイクルはけっこうきついのに、さらに残業もして、休日出勤もして……と働き詰めになってしまったら、疲労が蓄積するに決まっていますよね。

 よく、SNSやネットニュースなどで「メンタルをやられたときは、ご飯を食べて寝て、筋トレしたら回復する」という言葉を目にしますが、それは回復手段ではなく、予防手段なんです。

 まだある程度余裕がある人にこそ機能するやり方で、本当に疲れ切った人は、筋トレも食事もできません。

 なので、そういう状態にならないように、環境を整えること。

 そして、もしすでにそうなってしまっているのであれば、自分がゲームでいうところの「ステータス異常」になっていることを自覚して、早めに病院に行ったりして、専門家に相談するようにしましょう。

自衛隊で教わった、小さなミスでイライラしないための合言葉

──ストレス対策として、わびさんが日常的にやっていることや、考え方のコツがあれば教えてください。

わび:「大まかな方向が合っていればOK」と考えるようにしています。

 自分の経験からもつくづく思うのですが、小さなことでもストレスを感じる人は、すごく細かい矢印で将来の道筋を決めてしまっているんですよね。

 細かい矢印ばかり追いかけていると、ちょっとでもずれるとそれがいちいちストレスになってしまう。「ああ、また回り道してしまった」「本当はこっちに行くはずじゃなかったのに!」と、人生に起きる全ての出来事が思い通りにならないと満足できない。

 だから、小さな矢印ではなく、大きな矢印で将来を見るのが大事で。「この幅に入っておけばOK」くらいの心構えにするようになってから、私はかなりストレスが減りました。

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メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』55ページより (図版作成:松好那名)

──たしかに、毎回細かい計画を立てて、その通りにいかなくて焦ってしまう……という人は多そうですね。

わび:私も社会人前半の頃は、うまくいかなくてストレスが溜まったり、小さなミスでいちいち落ち込んだりしてばかりでした。今でももちろん、ミスをして焦ることはあります。けれど、そんなときは、自衛隊時代の先輩に聞いた、「それって大勢(たいせい)に影響あるの?」という言葉を思い出すようにしています。

──「大勢」?

わび:自衛隊ではよく使う言葉なんです。要するに、そのミスは、全体の重要な方針に影響があるのか、確認しているわけですね。

 大勢に影響がないのならそれ以上追及しない。影響があるのなら、速やかに是正、対処する。

 先ほどお話しした、「大きな矢印」の幅におさまっているならばOK、という考え方ですね。

 だから、パワハラに苦しんでいた7年前の私のように、今何か辛い出来事がある人、ストレスを抱えている人、疲労困憊している人がいるのなら、「人生の悩みのほとんどは、大勢には影響ないんだよ」と伝えたいです。

 仕事だって、「自分らしい人生を送る」という目的を達成するための手段の一つでしかない。

「今の仕事がダメだったら人生終わり」なんてことはありません。

 大きな目的に向かっていくためには、ときに戦略的撤退も必要なんです。

 私はメンタルダウンしてから復帰するまで、かなりの時間がかかりました。「みんなから置いていかれる」と思い、無理して復帰してはまた体調を崩す、ということを繰り返していました。

 でも、そんなこと、「置いていかれるかどうか」なんて、気にしなくていいんです。

 人生の究極の目標は「本来の自分であり続けること」です。今回の本が、少しでも多くの人の助けになることを願っています。

新刊書籍の紹介

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メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』2022年1月12日発売!

本書の内容

●序章 エリート街道から地獄へ。そして奇跡の大復活
・自衛隊に入隊! 幹部候補生に
・メンタルダウン前夜
・職場で叫び声をあげ、デスクの下に潜り込んだ
・回復のスタート地点
・「左遷先」で出会ったキーパーソン
・時には戦うことよりも、逃げることが大事

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●第1章 やばいときは即「おうち入院」で早期回復
・メンタルダウンして気づいた心の守り方
・不思議なほど効く「まあ、いいか」のつぶやき
・疲労回復で重要なのは「何もしないこと」
・自衛隊で出会った、超メンタルが強い人の共通点
・「一度メンタルダウンしたら終わり」なんてことは絶対にない
・焦らない、無理しない

●第2章 メンタルを削られない仕事術
・優等生すぎるとパワハラされまくる
・「向いていない」と思ったら秒で捨てる
・どんな仕事も「出口」が見えていれば耐えられる
・平時は80%の力で働き、時々本気を出す
・今いる場所がダメでも、合う場所は必ずある
・辞める覚悟ができている人が実は一番有能

●第3章「一線越えてきたら撃ちますよ」の気概を持つ
・日本はどこに行っても村社会。人間関係でミスると生きづらい
・ムダな対立を回避する方法とは?
・挨拶はライフハックとして超重要
・「人は基本的にわかり合えない」と思ったほうがラク
・嫌なやつには「思いっきり反論」が効く
・人は7割ぐらい信用するのがちょうどいい

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●第4章 一度死んだと思えばどこでもやっていける
・本当の安定とは「どこでも働けること」
・「35歳転職限界説」「メンタルダウン不採用説」というウソ
・自衛隊から外資系企業に転職できた理由
・転職のタイミングは「自分を高く買う企業があるとき」
・年収500万円の人と年収1000万円の人の能力差なんてほぼない
・仕事は「目的」ではなく、あくまで「手段」

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自衛隊の「超メンタル」が強い人の共通点とは?

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【取り上げられた本】
この世を生き抜く最強の技術
 わび 著

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<内容紹介>

【10万超いいね! 連発】Twitterで共感の嵐! 超人気会社員わび氏の初著書。パワハラと早朝深夜の激務が重なり、メンタルダウン。エリート街道から外れ、一度地獄を見た著者だからこそわかる、仕事・人間関係に病まないコツ&メンタル疲労回復法、満載

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