見出し画像

「評価されやすい人」と「されにくい人」の決定的な違い

『佐久間宣行のずるい仕事術』著者・佐久間宣行インタビュー

多くの人に共通する悩み、それは「誰とも戦わずに好きなことで効率的に結果を出す方法があるなら教えてほしい」ということだろう。この悩みの解決法をいま話題のプロデューサー佐久間宣行が指南する本『佐久間宣行のずるい仕事術』がついに刊行された。「限られた時間」と「自分の得意」で付加価値を生み、ムダなことはやらずにコスパよく、戦わずしてラクして速く成果を出すための、佐久間流、力の入れ方、力の抜き方とは? 今回は本書の発売を記念し、特別インタビューを実施。1999年にテレビ東京に入社して以来、番組プロデューサーとしてさまざまな活躍をしてきた佐久間氏に、「評価される人」になるための方法について聞いた。
(取材・構成/川代紗生、撮影/石黒幸誠)

佐久間宣行(さくま・ノブユキ)
1975年11月23日、福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」「ウレロ☆シリーズ」「SICKS~みんながみんな、何かの病気~」「キングちゃん」などを手がける。元テレビ東京社員。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当。YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」も人気。著書に『普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる』(扶桑社)がある。

どこに行っても「評価される人」の共通点とは?

──佐久間さんは30代に入ったくらいのときから、会社から離れても生きていけるように自分をブランド化する戦略を立て始め、現在はフリーランスとしても活躍されているとのことですが、「どこに行っても重宝される人」「求められ続ける人」の共通点は、一体何だと思いますか。

佐久間宣行(以下、佐久間):「投資される人間である」ことだと思います。サラリーマンなら会社に、フリーランスならクライアントに、どこに行っても「この人に投資したい」と思われる人であることじゃないでしょうか。

たとえば、精一杯がんばっているつもりなのになかなか評価が上がらないとか、やりたい仕事を任せてもらえないとか、いつも別の同期ばかりがいいポジションにアサインされる……みたいな状況があるとしますよね。その場合、「こいつに投資したらもっと大きくなって返ってくるだろうな」という期待感を持たせられていない可能性が高いんですよ。

──なるほど。組織の中でも、自分という人材がどうしたら売れるか、考え続けなければならない、ということでしょうか。

佐久間:そうですね。それと同時に、自分の強みと組織の評価軸が一致しているかどうかも、客観的に判断した方がいいかもしれませんね。組織の中でそれほど重要じゃない仕事の知識やスキルをいくら磨いても、別に評価されないじゃないですか。だから、ライバルが少ないジャンルを探すとか、自分の得意なことを横展開して新たな強みにするとか、そういった工夫が必要になると思います。

同じ仕事でも「評価されやすい人」と
「されにくい人」がいるのはなぜか?

──「仕事ぶりは同じなのに、あの人ばかり評価されて、自分は評価してもらえない。理不尽だ」といった悩みもよく聞きます。同じ仕事でも評価されやすい人とされにくい人の違いとは、何なのでしょうか。

佐久間:先程の話とも繋がりますが、「期待感を持たせる言説がうまいかどうか」に尽きると思います。評価される人は「自分に投資してくれる人間が何を望んでいるのか」を見抜く能力が高いんですよね。

やっぱり上司も組織で働いていて、さまざまな案件を抱えているから、100%自分のことだけを見てくれるわけじゃないでしょう? 上司の上にもまたさらに上の人間がいるわけで、上司だって評価されたいじゃないですか。評価される人はきっと、同じ仕事でも「上の人間が評価されたいポイント」をしっかり押さえた仕事や言説ができるんだと思うんです。自分に仕事を任せてもらえたら、あなたが評価されるような成果を出せますよ、と提案することができる。

──たしかにそうですね……。言葉にしていない自分の欲求まで汲み取ってくれたら、「この人に投資してみようかな」という気になりますよね。では、相手のニーズを読み取るには、どうしたら良いでしょうか。

佐久間:意識して訓練すれば、できるようになると思いますよ。相手の「辿り着きたいゴール」がどこなのか、常に想像しながら仕事することですね。

たとえば僕、人の説教をめちゃくちゃ早く終わらせることができるんです。「ああ、この人はこういう言葉で怒りたいんだろうな」というのがわかるから、それを先回りして言って自分から謝ると、「お前、わかってんじゃねえか」と向こうの怒りが早めにおさまるという(笑)。

だから、何よりも、毎回しっかりと相手が辿り着きたいゴールを想像し、そのために自分ができることを提案するように心掛けると、一歩先の仕事ができるようになると思います。

オードリー若林に立てた「ある仮説」

──番組を作る上で、出演者さんと交渉をするときも、相手が辿り着きたいゴールを予想するのでしょうか。

佐久間:出演者さんの場合も基本的には同じで、「この番組への出演が、相手のキャリアにプラスになる理由」はしっかりと説明するようにしています。

たとえば、事前アンケートがなく、ゲストが本音で語るフリースタイルのトークバラエティ「あちこちオードリー」が生まれたきっかけは、「今の若林さんは、決まりきった台本通りの仕事をするのに飽き飽きしているんじゃないか?」と仮説を立てたことでした。

その当時は、若林さんが人に対してすごく興味を持ち始めた時期だったんです。最初は人見知りで、世間に対してある程度閉じた考えを持っていた彼が、芸能界で荒波に揉まれる中で、少しずつ変わってきていた。

そういう姿を外から見ていたとき、以前より周りに興味を持つようになったのと同時に、毎回同じ仕事をしていくことに対する退屈さも感じているんじゃないか、という予感がして。だからこそ、今のオードリーがトーク番組を持てば、あまり見たことのない、おもしろいものができるんじゃないかと思ったんです。

毎回セッションのように、ゲストによって出てくるものは変わる。どうなるかわからないし、振り幅は大きいかもしれないけれど、それでも奇跡みたいな番組ができるんじゃないか、と。そんな仮説を立てて、「アンケートや台本がないトーク番組をやってみませんか?」と提案したのがはじまりでした。

──毎回仮説を立てて仕事に臨むことの重要性は、佐久間さんのの中でも度々語られていましたよね。

佐久間:結局、仮説検証の積み重ねだと思うんです。僕自身も、上司としていろいろな仕事にチャレンジさせたくなったり、「こいつはどこかでブレイクしそうだな」とつい期待する人は、やっぱり毎回の仕事に仮説を持って、その人なりの知見を貯めている人ですね。

だから、自分が取り組んでいる仕事やプロジェクトが会社のどのポイントで貢献できるのか、自分自身が理解できているか? 上司が望むゴールをきちんと理解できているか? と、常に自問自答できるようにすると、評価される人になりやすいと思います。

誰とも戦わず限られた時間で成果を出したいあなたへ

本書は、フリーランスの番組プロデューサーとして多方面で活躍する佐久間宣行氏が、22年間のサラリーマン人生の集大成として、「いい仕事」をしたいすべてのビジネスパーソンに向けて書いた本気のビジネス書。Amazon売れ筋ランキング1位(仕事術・整理法、4/2)を獲得した話題のです

佐久間氏の番組を見ると、「なぜ、こんなにおもしろいコンテンツが作れるのか?」、「会社員なのに、どうやったらこんなに好きな仕事ばかりできるのか?」と多くの人が思います。その理由は佐久間氏が「天才だから」でしょうか? いいえ、違います。その答えはズバリ、「それだけの仕事ができるようになるための、努力を積み重ねてきたから」です。

本書は、そんな佐久間氏が実際に行ってきた、だれでもできるのにやっている人はとても少ない「いい仕事」をするためのちょっとずるい、でもものすごく役立つ仕事術を一冊にまとめました。たとえば――、

「だれにでもできる退屈でしんどい仕事」を「自分にしかできない仕事」にする方法は?
→自分オリジナルの色を加えれば、小さな仕事でも、だれかが必ず見ていてくれる。
 だれかが評価してくれる。

ミスをしたときに絶対にやってはいけないこととは?
→保身の言い訳をしたり、会社の悪口を言ったりする。

仕事の悩みは、だれにすべきか?
→自分とは圧倒的に戦力の違うキーマン。1~2年次上の先輩に相談しても意味なし。

縁をつなげるためにおすすめの行動は?
→とにかく「すぐやる」。

その他大勢から抜け出すカギは?
→どんな会議にも「準備万端」で挑み、一目置かれる存在になる。

新年度の始まる4月に話題必須の一冊となりますので、ぜひ読んでみてください。

書籍のご購入はこちらから

(著者よりあなたへ)

僕自身、若手の頃は、「おもしろいものを世に出したい」という欲求と、テレビ業界への苦手意識の狭間で葛藤し続けていました。テレビ業界に染まりきってしまうのは嫌だ。自分の大事なものは渡さず、上に潰されることなく、認めてもらえる方法はないだろうか。周囲と戦わずに、自分のやりたいことを実現する方法はないだろうか──。
そう思って自分の人生戦略を考え始めたのが「もっとずるく働こう」と決意したきっかけです。
今回の本には、仮説検証をはじめ、僕が身につけた作戦の数々を盛り込んだので、入社したばかりの方や、責任が重くなって岐路にいる方、やりたいことが見つからない方など、いろいろな人の役に、少しでも立てたらいいなと思います。

本書の目次】
第1章 仕事術編
第2章 人間関係編
第3章 チーム編
第4章 マネジメント編
第5章 企画術編
第6章 メンタル編

ご購入はこちらから

————————————————————————————
【取り上げられた本】
佐久間宣行のずるい仕事術
 佐久間宣行 著

佐久間宣行のずるい仕事術』  定価:1650円(税込)

<内容紹介>

【限られた時間でムダに戦わずやりたいことをやる技術】 サラリーマンでありながら、「オールナイトニッポン0」のラジオパーソナリティをつとめ、ファンイベントを行えばリアルで5000人が集まってしまう、45歳のフツウのようでフツウじゃない、いま話題の佐久間宣行が教える、誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術。

————————————————————————————