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シリーズ累計70万部突破『育ちがいい人』の編集者が明かす!ベストセラーを生んだ1つのキーワードとは?

雨の日の傘の正しい持ち方や上品さが伝わるドアの開け閉め方法など「こういうことが知りたかった!」と読者の欲求を刺激するシリーズ累計70万部突破の話題書『「育ちがいい人」だけが知っていること』。にじみ出る育ちの良さを後天的に身に付けられると評判の本書の誕生秘話を、出版社・ダイヤモンド社の新入社員の森が担当編集者の長久恵理(ながひさ・えり)さんに聞きました! 『もっと! 「育ちがいい人」だけが知っていること』も大好評なのでぜひ読んでみてくださいね!

決まりのない場面で、どうふるまうか

――『「育ちがいい人」だけが知っていること』を企画したきっかけを教えてください。

 最近は、どんな場でもあまりマナーやルールに縛られず、自由にふるまえばいい、人それぞれ、という風潮があります。ですが、そのような決まりのない場面で、どうふるまうか……こそ、人に見られている部分ではないでしょうか。
マナーであれば、ある程度決まりがありますが、マナー講師の方が「これはマナーじゃないので、好きなようにしていいですよ」とおっしゃるようなことこそ、教えてほしいなと思っていたんです。たとえば「お好きな席へどうぞ」と言われた時にどこに座ったらいいのか迷います。基準が分からないのに好きにするのは難しいと感じていました。

 また、「あの人、育ちがいいよね」など、「育ち」について口にする人は多いのに、実際に「どういう人が育ちがいい人なのか」は、よくわからないように思いました。明確な定義はなく、調べてみても「育ちがよくなるには、どうすればいいか?」という切り口からまとまってるコンテンツがなかったので、企画にしてみようと思いました。

――著者の諏内えみさんとはどのようにして知り合ったのですか。

 企画を先に考えて、著者を決めかねていた際に、ちょうど本やインターネットで調べて諏内えみさんの存在を知りました。マナーというわけではないけれど、どうすればいいか迷う……ということに明確な答えを出してくださる方を探していたので、諏内先生が「マナープラスふるまいの講師」として活躍されていることを知り、「これは!」と思い、お願いしました。

 実際、「こんなことまで?」ということまで、答えてくださいます。「お金は包んでお渡しする」(『「育ちがいい人」だけが知っていること』p.104より)旅館で「心づけ」を渡したほうがいいか、を伺った際、「どのような場面で心づけを渡すべきか」を教えてくださる方は多くいますが、諏内先生は、金額まで詳細に教えてくださいましたね。

 それに加えて、諏内さんは「どんな佇まいや、言葉遣いが最適か」ということを常に考えていらっしゃるように感じます。マナーにとらわれるのではなく、自分の基準をもち、その場や相手にあったふるまいを瞬時に選択できる方こそエレガント、という考えが本書にピッタリ合っていたと思います。

担当編集者の長久さんです!

印象深いタイトルをつけた経緯

――『「育ちがいい人」だけが知っていること』というタイトルが印象に残ります。このタイトルは、どのようにして決めましたか。

 あらかじめ企画を考えるときからタイトルとセットで考えていました。なので、企画の切り口となった「育ちがいい人」という文言は使おうと決めていました。当初は『育ちがいい人の常識』というタイトルにする予定でしたが、「常識」だと硬いイメージに捉えられるかもしれないので、最終的に『「育ちがいい人」だけが知っていること』に決めました。

――家で一人こっそり読んで「育ちがいい人」に近づくためにトレーニングしたくなります。

 本書には、幅広い読者がいます。たとえば、「自信がなかった」とか「結構気にしていたので、知れて良かったです」とおっしゃる方がいる一方で、「ひと通り知っているつもりだけど、確認したくて」と購入してくださる方もいます。

――幅広い読者に愛されているのですね! 「『育ち』は、変えられます」(『「育ちがいい人」だけが知っていること』p.11より)という著者のメッセージに心掴まれました。

 その部分は、諏内先生がよくおっしゃっていたことですが、皆さん心掴まれているようです。「昔からずっと育ちがコンプレックスでどうすればいいのか分かりませんでした。育ちは一生変えられないことだと思っていたから、育ちは変えられると著者がおっしゃっていたことに勇気づけられました」という感想を読者の方からいただいたときは、すぐに先生にお伝えしました。

多くの読者を惹きつける著者のメッセージがこちら!(『「育ちがいい人」だけが知っていること』p.11より)

ひたすらメモして著者に質問した日々

――『「育ちがいい人」だけが知っていること』はシーン別に257個のふるまいが紹介されていることが魅力の一つだと思います。シーン別のふるまいは、どのようにして選んだのですか。

 日常生活で私がふと気になったこと、基準が曖昧だなと思うことを1~2ヶ月くらいかけてメモして選びました。日常生活だけでは足りなくて、ネット上でのマナーに関する口コミが書かれてあるページを読んだりして、面白そうな項目を力づくで集めました。

 それらを全部リストにして持っていって、著者にひたすら質問しました。著者はどんな些細な質問でも真摯に全て答えてくださったので結果的に257個になったんです。

自信を持ってふるまえるように

――編集者視点でのおすすめポイントやイチオシページを教えてください。

 「これは面白い」と思った所作や言葉遣いが載っているイチオシページを以下にまとめてみました。

p.24 無表情と笑いの間、ほほえみの表情
p.61 素敵な女性は、「大丈夫?」より「大丈夫よ」
p.124 相手の名前が思い出せないとき
p.128 「お好きな席へどうぞ」と言われたら?

(『「育ちがいい人」だけが知っていること』より)

 「基準を知る」というのが本書のキーワードなんです。ふるまいの基準は「相手に恥をかかせない」ことと、「周りの人に違和感を与えない」ことです。本書は従来のマナー本とは異なり、マナーだけでなく明確なルールはないけれど違和感を覚えるときの所作まで含まれています。257個のふるまいを通して基準を知ることで、初めて遭遇する困った場面においても自信を持ってふるまえるようになるということも本書のおすすめポイントです。

――読者の方々に伝えたいことを教えてください。

 「人にどう思われているか不安」「どうふるまえばいいかわからない」という方に本書を読んでいただきたいです。本に載っているシーンがでてきたら試していただくことができますし、あえてそのふるまいを選択しないこともあると思います。
 本の通りではなく、本に載っていないシーンでも、本書を参考に、自分なりの基準を持ち自信を持ってふるまえるようになっていただけたら幸いです。

長久さん、ありがとうございました!

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