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「Indeed」という名の暴力

こんにちは。
Diamond Jobs代表の鯖戸です。
弊社は2022年に人材エージェントとして産声を上げ、おかげさまでもうすぐ2期目を終えようとしています。

立ち上がり当時。
求職者を募るために様々な媒体を比較検討しましたが、
スタートアップの企業には大手媒体の月額掲載料はリスクが大きく、
これまでの媒体運用経験からも難しい選択を迫られていました。
そんな中で、私がチョイスしたのがIndeedでした。
Indeedにした理由は、元々前職時代から運用経験があったことと、掲載側でクリック課金の月額上限(月々の予算)を決めることが出来るというのが大きな理由です。

それからまがりなりにも通算4年ほど使う中で、現在応募単価2500-3000円くらいで応募が獲得できるようになりました。

この感じだと、このnoteではそのノウハウを共有するぜ!みたいな雰囲気が出ていますが、全くそんなことはありません。
私のこの4年間のノウハウの集大成を元にして
むしろ私はIndeedを利用することに警鐘を鳴らしたいです。

この記事を書く前にざっとネットの海を調べてみましたが、
基本的にはIndeedを褒め称える記事が多いので、
やはり悪いこともシェアするべきだとおもいます。

1:脳死でIndeedを使うと後悔するぞ

人を集めたい=Indeedなら無料らしいじゃん!
この思考で人を採用できる時代はもう終わりました。
基本的にIndeedは課金ゲーなので、本当にちゃんとした人を採用したいのなら課金するべきです。
で、課金する際もIndeed君が「その職種なら予算はこんなもんですね」と提案してくる金額がめっちゃ高い。マジで言ってる?それタウンワークで掲載するのと変わんねーじゃんってくらいの予算額を提示してきます(予算額を最終どうするかは一応決めれます。)
すると、中にはわるーい人もおりまして、
これは昔の話ですが一休さんのような考え方で「有料掲載にすると上位表示されるけど、新着求人も上位表示されるよね?じゃあ毎日求人上げなおしたらいいじゃん!」という思考回路の元、毎日毎日決まった時間に同じ求人を再投稿したり、求人タイトルを少しいじくって新着としてアップしようとしたりする会社もありました。
ほどなくして、Indeedはそういった企業を次々とBAN(アカウント停止)しました。

何が恐ろしいって、当時は広告代理店がノウハウとしてそういうことを企業の代わりにやってたんですよ。
代理店にお金払ってIndeedにもお金使ってその結果がアカウントBAN…むごすぎる…。
だからこそ、まずはIndeed使う前に周りの会社さんに「Indeedってどう?」って聞いてみて、リサーチすることが賢明です。
頼れる会社さんが無ければ私に聞いてください。いつでも答えます。

2:Indeed使わないと村八分?

外資系という看板を引っ提げてブイブイ言わしていたIndeedですが、
ある時期からリクルート資本になりました。

リクルート資本になったことで、その後アップデートを進めたIndeedは、
ついに今年からIndeed PLUSなるサービスを始めました。

これまでのIndeedはどちらかというと求職エンジンみたいな要素が強くて、
Indeedに投稿した求人はもちろん、他の媒体の求人情報や自社採用サイト、果てはハローワークインターネットサービス掲載の求人まで、あらゆる求人を引っ張ってきていました(クローリングと言います)
求職者としては、「ここにアクセスすれば日本中の求人がわかるやん!」という立ち位置だったのですが、企業(掲載側)に対しては受け身のポジションというか、「あ、うちの求人転載されてんのねー」くらいでした。
だからこそ、代理店営業とか媒体担当者は「うちの媒体使うとIndeedにも自動連携されますんで!ぜひ!」とセールスを行ってきた背景があります。

Indeed PLUSはどう変わったかというと、この受け身のポジションから
攻めるポジションに変わったのが大きな変更点です。
どういうことかというと、「Indeed PLUSで求人投稿をすると、リクルート資本の求人メディアにも逆に転載されるようになるよ。しかもめっちゃ種類多いよ」という事です。
これはかなりのゲームチェンジャーです。
散々求職者に「仕事探すのはIndeedが便利!」と刷り込んで、企業側にも「Indeedに連携されるならこの媒体使おっかな」と思わせておきながら
今更Indeed(PLUS)くんは「久しぶりー!最近どう?え、まだその媒体使ってるの?うちで直取引ならそこにも掲載されるし他のサイトにも掲載されっけど?」という感じで明らかに他媒体を潰しにきているのです。
Indeed(PLUS)曰く、「これで日本中の求職者の70%以上にリーチできるよ」とのこと。
ハロワの求職者さんを10人集めてどこのメディア見てるか聞いたら7人はIndeedがカバーしている媒体 という計算になります。

逆に、Indeedを使わないとその70%にリーチ出来ないということになるので、まさに人材業界の村八分「Indeedを使わずは採用にあらず」くらいのインパクトがあります。

これまで「Indeedへの自動連携」を口説き文句にしていたセールスは非常に大変でしょう。
「Indeedに直接投稿したらお宅にも掲載されるじゃん」と返されるので
「なるほど、では弊社の上位表示のプランを…」と提案したら
「その金はIndeedに投資すればよくない?」と返されるので…

非常に強いゲームチェンジャーとなったIndeed PLUS。
しかし、Indeed PLUSの真の目的は…


3:人材業界には独占禁止法ってないんですか?


2025年4月から、Indeed plusの仕様変更がなされる予定なんですが、
それが結構衝撃的というかいよいよ淘汰のフェイズに入りやがったという内容になっています。

先述の通り、Indeedは他の媒体の求人情報や自社採用サイト、果てはハローワークインターネットサービス掲載の求人まで、あらゆる求人を引っ張ってきていましたが、あえて語弊を恐れずに言うのであればそれを辞めます。

細かい話なのですが、直接投稿の求人ではない場合は
Indeed上で応募しようとすると自社採用サイトにジャンプしたり、掲載元の媒体サイトに飛んで、そこから応募という流れをふみます。
そもそも、なんでそんなことをしているかというとクローリングだからという前提は置いといて応募フォームや入力内容が様々あるからです。
サイトによっては資格を入力したり、履歴書を添付したり、担当者への意気込みなんかも入力するサイトや媒体があります。
これはIndeedでカバーしていない質問項目なので、エラーを防ぐためにIndeedではなく元サイトにジャンプするという仕様でした。

これを、2025年からは「Indeedの質問項目に則した内容じゃないと載せてやんねーからな」となります。

そうなった場合、企業はどうすればいいのでしょうか?

・Indeed以外の別の方法で応募を集める(ただし70%以上にリーチできるIndeed PLUSから逃げる事を意味する)
自社サイトをIndeed応募に連携する(Indeed PLUSの仕様に合わせる)
・Indeed PLUS配信先メディアを探す(リクルート資本のメディアや提携先)
Indeedに直接投稿する

そうです、どれを選んでもIndeedが高笑い出来るようになっているんです。
これって、採用課題に苦しむ企業へのメチャクチャな暴力だと思います。

これ他の業界だったら独占禁止法レベルのものになるんですが、大丈夫なんですかね…?

さいごに

私は、人よりもIndeedを触ってきたし中の人とも何度もディスカッションをして、苦い思いもしたし助けられた部分もあります。
だからこそ、We Help People Get Jobs (人々の仕事探しのお手伝いをする)というIndeedのミッションが好きだし理解もできますが、
求職者のお手伝いをするという事は、採用企業のお手伝いをすることにも繋がるとおもうので、WIN-WINの関係を構築してほしいもんです。
プラットフォームビジネスに依存する最大のリスクは、運営側の仕様変更に振り回されたり、無慈悲な掲載不可審査やアカウントBAN等自分たちではどうしようも出来ないリスクを常に抱える事だと思います。
天災に例えられたりもしますが、天災はコミュニケーションが取れないからまだ諦め、受け入れはできますが、
下手にコミュニケーションが取れる企業だけに、天災よりタチが悪いと私は感じます。

採用難は日本の課題です。
採用出来ずに潰れる会社、採用ノウハウを持っていないばかりに搾取され消えてしまう会社が増えないことを祈るばかりです。

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mail:info@diamondjobs.net(鯖戸宛)


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