2020年ありがとうございました!そして、2021年が皆様にとって良い年でありますように〜岡崎市和食店「魚信」さんコロナ禍経営奮闘記53
こちらの続きです
今回は西田さんに激動の2020年を振り返っていただきました。
ほんの1年前、このコロナ禍という未曾有の出来事がくるまで絶好調でした。年末年始のご予約は9月で埋まり、10月以降はお断りさせていただくのが当たり前になっていました。今年は最高潮の売り上げが期待できるぞ!と沸いていました。
ところが、わずか1年後変わったんですね。
この2020年の12月、2021年1月の宴会予約はゼロです。成人式もあるかどうか分からないから、ということで例年なら一杯になる「成人のお祝い席」のご予約もゼロ。まだ12月はお正月用のおせち料理とクリスマスのオードブルがありましたから、なんとか見通しつけることができたけれど、1月2月は何もありません。先が見えな過ぎてゾゾゾッとしますから考えないようにしてます(笑)。
3月学校閉鎖、年度末年度始めの歓送迎会が次々にキャンセルとなり、予約がゼロとなった緊急事態宣言の4月、5月。そのお先真っ暗な惨状に、会社も潰れることまで覚悟しました。大いに落ち込みましたが、どうせ潰れるなら、どう潰れるかだな、どんな終わり方が相応しいんだろうかって思いました。
どんな形になろうと、うちらしく最後は笑って喜んでもらって終わろうやって決めました。
そしたら、まだまだできることあるやんか。地域の人たちのためにやれることあるんじゃないの?って見渡すと、学校閉鎖で給食を失い、ランチに困っていた小中学生たちを応援しよう、とか、取引先さんの食材販売を応援しょう、とか、地域のお店と力合わせてっていうイベントに出たり。。。そこで、商いの楽しさ、「ありがとう」って言っていただく事の有り難さ。お金を頂くことの有り難さ。忘れかけていた商人の魂を思い出させてもらいました。
でも、それでも夏になれば、秋になれば、と思っていました。
また以前同様に戻るに違いないって思っていました。これまで長い時間をかけて構築されてきた仕事の進め方、商談には接待が欠かせないものだから、そして、400年続いてきた仏事が途絶えることなどない、宴会・法事という文化・習慣は揺るがないと考えていました。今は非常時だから仕方ない。でも、少し我慢するだけで、すぐに元通りになると見込んでいました。
甘かった。ついにその考えを捨てなくちゃいけない時がやってきました。
終わらないですね。
ようやく気づきました。新型コロナの感染が長引くにつれ、第2波、第3波と続く中で、もはや元の世界には戻らないから、従来のやり方は変える必要がある、と考えるようになりました。
そう考えることによって、初めて新型コロナにおける店舗経営、飲食業のやり方と真摯に向き合えるようになりました。気づかされたのは家族の大切さ。家族の喜びは我が喜び。「味の集会場」という在り方から「魚信が家族」「家族の笑顔の場」「離れて暮らす人や一人暮らしの人にとっての岡崎の家族であること」という新しい在り方が必要なことに気づきました。
コロナ禍における外食業の困難さに向き合ったことで、「新型コロナのせいで」という言い訳やキャンセルに対しても、「まぁ、家族だし、しょうがないか~」と許せるようになりました。
新型コロナという新たな敵に対しては誰もがレベル0からスタート。
こうすればいい!っていう対策や対応はまだないんです。完璧なものや鉄板の経営の法則などみつかってはいないんですね。うちはマクドナルドさんやKFCさんじゃないし、同じことはできないから、自分たちでみつけて、自分たちらしく、自分たちができることでやっていくしかないんだなって、改めて気づきました。
少年ジャンプじゃないけど、自分が信じた仲間を信じて、スタッフを信じて、家族を信じてやっていこうや。そうとらえなおすことで、自分だけでなく他人に対しても完璧を期待しなくなった。人に優しくなれたっていうのかな。。。
うまくいったらお慰み、失敗してもまたやり直せばいい、トライ&エラーが当たり前っていうことで、とにかく動いていこうっていう気持ちになれました。
クラファンで原田豆腐の復活を!ってやってますけど、どうでした?
8月に、原田さんが火事になって、もう廃業されたって聞いてね、どうしようって感じたのは自分の方かも。同志とか戦友を無くすみたいな気持ちかな。戦争行ったことないけど。豆富づくりなら当代一のすご腕職人なのに辞めちゃうなんて。まだまだやれるのにもったいない!原田さん辞めちゃったら、うちの豆富ってどうなっちゃう?その職人技ってどうなるの?岡崎から手作り豆富職人が居なくなったら、その味を失ってしまったら、どうなっちゃうの?子供たちから「豆富って本当はどんな味だったの?」「本物の手作りの豆富ってどんな味?」って聞かれて、我々がこたえられなくなったらどうなっちゃうの??
一度失われたら、職人技もその味も戻らないんだ、と思ったら、居ても立ってもいられなくて。
でもね、本業がこんな有様だから、諦めるしか無いんかなぁ、というところに、周りの人たちから「クラファンやったら?」って勧められて。そうそう。クラファンも本当にありがとうございます。ご支援して頂いたこと、本当に嬉しくありがたいです。ありがとうございます。できましたら、設備等にも、いま少しのご支援をお願いする次第です。
新年は魚信本店は2日から、うおのぶ食堂は3日から営業です。プロの料理人が一所懸命つくる手作りの味を楽しんでもらいたいですね。
西田さん、今日もありがとうございました。
追伸 朗報です!原田豆腐さん用のコンテナ店舗が原田さんのお誕生日、1月15日に届くことになったとのこと。今年も魚信さんから目が離せませんね。引き続き、よろしくお願いします。
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