杉山知之学長による祝辞|2023年度学位授与式【デジタルハリウッド大学】
2024年3月17日、デジタルハリウッド大学および大学院の学位授与式(卒業式・修了式)が行われました。会場となる東京大手町の日経ホールは花一面に彩られ、卒業生の旅立ちを祝福しました。
晴れの日を迎えられた卒業生および修了生をみなさまへ、教職員一同、心よりお慶び申し上げます。おめでとうございました!
本noteでは、式当日の杉山知之学長による祝辞を全文公開いたします。過去の祝辞は下記リンクからお読みいただけます。
みなさんは何者にもなれる
みなさん、ご卒業、誠におめでとうございます。みなさんの門出にあたり、私の気持ちを伝えさせて頂きます。
本学で身につけていただいたものは、大きく言えば2つあると思います。
ひとつは、どのように学問の勉強するか、もうひとつは、どのように技術を身に付けるか、だと思います。特にみなさんは、コロナウィルスによるパンデミックのため、オンライン授業が多くなり、必然的に自学自習の力が大いに醸成されていると推察しています。
今やあらゆる知識がウェブサイトに記述され、あらゆる技術がYouTubeで公開されています。みなさんは、望めば、どんなことでも素早く学び、身に付けることができることができるのです。
デジタルコミュニケーションを駆使できるみなさんに、さらに大規模言語モデルによる人工知能が加わりました。卒展を観て、人工知能が使われている作品が多いことに僕は感銘を受けました。人工知能は私たちのパートナーとなって、人生を共に歩んでくれるでしょう。
何が言いたいかといえば、みなさんはこれから何者にもなれるということです。どんなことでも2年もあればプロフェッショナルになれる環境となってしまったのです。みなさんの中で、今から100年生きる人がいらっしゃるでしょう。少なくとも人生100年、僕はみなさんにたくさんの素晴らしい経験を積み重ねてほしいのです。
「自分」を築き上げるもの
「みんなを生きるな。自分を生きよう。」という言葉の「自分」は、人生において、あなたが下すあらゆる判断により築かれていきます。理論的には無限の可能性があるはずなのに、瞬時に何かを選び人生を進めていく、それが「自分」です。
選択に迷った時、未来に何が起こるかわからないのですから、その時に好きだと思うほうに進んでください。本学への入学を決意した時も、そのようにしたはずです。
みなさんは、デジタルハリウッドが社会人向けスクールをやっていることをご存知だと思います。1994年のスクール開校以来30年間、僕は毎年奇跡のようなキャリアチェンジの成功をたくさん観てきました。例えば、30歳まで一般企業の会社員であった人(山田義也氏)が、ILM(Industrial Light & Magic)で「スターウォーズ」の制作をしていたりするわけです。
つい一週間前、嬉しいニュースが舞い込んできました。第96回アカデミー賞 長編アニメーション部門のオスカーを受賞した「君たちはどう生きるか」のCG監督の三好紀彦さん、同部門のノミネート作品「ニモーナ」で主役キャラクターであるニモーナのキャラクターデザインを担当した和田元子さん。彼らも会社員からキャリアチェンジをし、デジタルハリウッド専門スクールで学んだ卒業生でした。彼らは好きなことを仕事にして、ある日、大変な栄誉を手にしたのです。
自由に生きる力を
僕は今年70歳になりました。自分の人生を振り返り、また、多くの友人たちの歩んだ人生を思うとき、人生には、何度も何度もターニングポイントが現れるものなのだと再認識しました。ターニングポイントでの選択が、あなたのその後の人生を大きく変化させていくのです。
些細な選択がきっかけになることもあります。どの選択が良いのかは、誰にもわかりません。しかし、自分に忠実に選択したものは後悔を生むことはないのです。
さあ、知識と技術を自由に身に付け、人工知能を友として、自分自身に忠実に生きる人生の始まりです。あなたには、自由に生きる力が備わったのです。
Entertainment. It’s everything.
みんなを生きるな。自分を生きよう。
卒業おめでとう!
学長 杉山知之
(photo by Eiki Tanada)