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モヤモヤから始まったアートへの道|平松レイナさん(「失敗作ミュージアム」インタビュー)

デジタルハリウッド大学×面白法人カヤックpresents「失敗作ミュージアム」との連動企画!DHU公式noteでは、ミュージアムに展示された「失敗作」にまつわる在学生・卒業生のインタビューを連載でお届けします。

失敗作ミュージアムについてはこちら


第2弾は、デジタルハリウッド大学卒業生で、現在は大手広告代理店で活躍中の平松レイナさんです(本学noteには2回目の登場!)。

デジタルハリウッド大学ではグラフィックデザインとWebデザインをメインに勉強し、持ち前のセンスで独創的なアート作品を創作してきた平松さんに、過去の”失敗作”の秘話について伺いました。

アー写

平松レイナ(ひらまつ れいな)
1997年、名古屋生まれ。 2021年デジタルハリウッド大学卒業。NHKのドラマに子役として3年間出演。以後、表現に興味を持つ。高校時代に独学でデザインと映像を学び、大学入学を機に本格的なグラフィックデザインとWebデザインを学び始める。現在は株式会社電通デジタルでクリエイティブプランナーとして活躍。趣味はダンス、廃墟、ドヤ街、事故物件。

内に抱えたモヤモヤした気持ちが、創作活動への道を開く。


——”失敗作”である「あなたの宝物とは?」ですが、当時制作に踏み切ったきっかけについてお聞かせください。

とにかくモヤモヤしていたんです。当時から抱えていた問題意識や課題意識を、作品という形に落とし込めたらモヤモヤが無くなるだろうなと思い、株式会社TBSホールディングスが主催する映像フェスティバル「第17回DigiCon6 Japan(2015年10月開催)」にエントリーしたことがきっかけです。世の中に公開され正式に評価される作品を制作したのは、この時が初めてでした。

デジコン

▲DigiCon6 ASIA JAPAN Awardsの集合写真。2列目1番右が平松さん

——コンテストでは「dc6 JAPAN Youth ベストハート賞」を見事受賞されていますが、なぜこの作品が”失敗作”なのでしょうか?

作品のクオリティ自体はともかく、自分の中にあるモヤモヤを作品にうまく落とし込んで、世の中に作品を公開したぞ!という達成感はありました。全力を出し切ったと思います。

ですが、フェスの授賞式が終わった後に客船上で開催されたアフターパーティーにて、忘れもしない出来事があって。

会場には大きなホワイトスクリーンがあり、プロジェクターが授賞者の作品が投影していました。私の作品が投影されたとき、見知らぬおじさんが一言こうつぶやいたんです。「しらねぇよ」。動画の冒頭で表示される「あなたの宝物とは?」のタイトルが流れるタイミングでした。

動画冒頭サムネイル

▲「あなたの宝物とは?」冒頭のタイトル表示

審査員は作品の意図を汲み取ったうえで評価してくれましたが、意図を知らない人は作品の一部分を断片的に見て判断します。多くの人にコンセプトを伝える事の難しさと、不特定多数の人にさらすことで自分の作品が評価される厳しさを味わった瞬間でした。これが”失敗作”とした理由です。

——その経験を糧に、これまで数多の作品を制作されてきたのですね。”現在作”として展示いただいた「唇会談」についてもお伺いできますか?

世界で猛威を振るっているコロナウイルス。ウイルスが蔓延した社会では、いつの間にか口元を露わにすることが、感染拡大の原因としてタブー扱いされています。しかし古来では、唇は性の象徴とされた歴史もあります。

唇に対してどのような印象を抱くのか。あえて唇に囲まれた空間を作ることで今その人にとって唇が象徴するものを実感してもらい、同時にコロナ禍の問題意識を呼び起こすことを目的として制作しました。

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▲「唇会談」(作品詳細はこちらの記事へ!

——では最後に、当ミュージアムをご覧いただいた高校生・受験生のみなさんにメッセージをお願いします!

酷評されようが文句を言われようが、手を動かして制作をする人が一番偉いです!何かを表現したくて必死にものづくりをする人には、世の中を変える力が宿ります。迷っているくらいなら、まず作っちゃいましょう



デジタルハリウッド大学では、グラフィックデザインやメディアアートなど、デジタル分野の専門スキルを幅広く学ぶことができます。詳しく知りたい!という方は公式Webサイトをぜひご覧ください。

▼デジタルハリウッド大学
https://www.dhw.ac.jp/feature/lecture

▼デジタルハリウッド校友会(卒業生インタビュー)
https://dhaa.jp/interview

▼失敗作ミュージアム
https://www.dhw.ac.jp/p/shippai

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