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外国人留学生にも丁寧なサポートを。日本語授業で行われる就活支援とは

デジタルハリウッド大学は、「デジタルコンテンツ(3DCG、ゲーム・プログラミング、映像、グラフィック、アニメ、Webデザイン、メディアアート)等を学べる大学」として知られています。特にアニメなどのコンテンツは国内外を問わず多くのファンを生み出しており、DHUにも「本場の日本でアニメやゲームの勉強がしたい!」という外国人留学生が、約40の国と地域から集まっています。

今回は、外国人留学生を対象に開講されている「日本語基礎Ⅰ~Ⅳ/日本語Ⅰ~Ⅷ」の授業についてを紹介します。日本語Ⅶのリアルな授業な様子までまで併せてお伝えします!

デジタルハリウッド大学に通う外国人留学生

デジタルハリウッド大学に通う学生のうち、1/3程度が外国人留学生です。中国・韓国・タイ・ベトナム・マレーシア・インドネシアなどアジア圏の留学生が中心ですが、ロシア、メキシコ、チュニジア、レバノン、ウクライナなど、世界のさまざまな国・地域の学生が学んでいます。

バックグランドもさまざま。高校卒業後にそのまま入学した10代の学生から、母国の大学や日本語学校を卒業したのちにDHUに再入学した方、1度社会人として就職したのちにDHUに進学した留学生もいます。入試の時点では日本語能力試験(JLPT)のN2レベル相当が必要ですが、漢字はできるけれど会話は苦手、会話は上手だけれど読み書きが不得意、など学生ごとにレベルも異なります。そのためDHUでは学生を7つのレベルに分け、段階別指導を行っています。

留学生専用の日本語科目は、計12科目

デジタルハリウッド大学では、外国人留学生専用の日本語の授業として「日本語基礎Ⅰ~Ⅳ」、「日本語Ⅰ~Ⅷ」の計12の科目を開講しています。

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日本語基礎Ⅰ~Ⅳは1年生向け、日本語Ⅰ~Ⅳは、1~2年生向けの必修科目。日本の大学で日本人と同じ授業を受けるために必要な日本語力の向上を目指します。

日本語Ⅴ~Ⅵは2~3年生を対象とした授業で、言語的知識や社会的知識を増やすことにより社会人レベルの日本語能力を習得するのが目標です。これらの科目ではレベル別にクラス分けが行われ、一人ひとりの習熟度に合わせた丁寧な日本語指導を行っています。

日本で就職活動をするためのスキル習得を目指す日本語Ⅶ・Ⅷ

12科目ある日本語の授業の中でもとりわけ実践的で、就職に役立つスキルを習得できるのが、2~3年生向けの「日本語Ⅶ・Ⅷ」です。全16回の授業の中で、自己PRや志望動機の作成、日本語でのディスカッションを行い、留学生が日本で就職活動を行うにあたり必要な日本語能力を養うことを目指します。

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上記の全16回の授業を通して、

①自己PRや志望動機などが適切な日本語で表現できるようになる
②日本語でのディスカッションに慣れ、よく使われる表現を身につける
③面接において必要な日本語の表現・発音を身につける

の3つの能力を培います。

今回、DHUnote編集部がお邪魔した日本語Ⅶ・第7回の授業では、就職活動における1分間の自己PRをスムーズにできるようにするための演習が行われていました。

留学生たちは事前にテーマに沿った自己PR文を執筆・提出し、授業の中で先生からリアルタイムに添削を受けます。

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▲授業の中で実際に提出された自己PR文

川染先生(以下川染):すごく前の原稿よりよくなったと思いますね。文章の冒頭に「思ったことがあれば考えるより先にまずはやってみる」と書いてあるけれど、考えてほしいのは、「たとえばどんなこと」かということ。ここでいう「思ったこと」とは、やりたいことのこと?それとも旅行のような、具体的な行動のこと?

留学生Tくん(以下T):やりたいことかなあ。

川染:じゃあここは「やりたいこと」としようか。「やりたいことがあれば考えるよりまずはやってみる・いろんなことにチャレンジして刺激を受けることで人生を楽しめます」とできそうだね。

このあとにちゃんと例が書いてあるのが良いですね。「例を挙げると、考えずに準備せずに航空券を買って出発しました」。考えないでいきなり航空券を買うなんてすごいね。

そしてそのあと、「見ず知らずのところはわたしをワクワクさせます」。ここは具体的に書いてほしいところです。

T:わかりました。

川染:なんで知らないところにいったらワクワクするんだろう?知らないところが怖くて、旅行に行くのが嫌な人もいるよね。

T:うーん……。その怖さこそ、わたしの精神を刺激するからです。

川染:怖い、未知な世界が精神を刺激するんだね。刺激されたらどうなる?

T:満たされて、またしたくなる。

川染:怖くないの?

T:怖さも含めて……。

川染:体験する前と体験した後では、何が違いますか?体験した後ではどうなりますか?

T:……そのあたりはちゃんと考えていなかったですね。

川染:なるほど。ここは大切なところなので、もう1度考える必要がありそうだね。刺激を受けた後と前で自分がどう変わるのか。その変化を、Tくんは面白いと思っているんじゃないかな。

「見ず知らずのところはわたしをわくわくさせます」と書いてあるけれど、わくわくするとどうして自分の人生は満たされると感じるんだろう。おそらくTくんなら何かしらの答えを見つけてくると思うので、ちょっと考えてみてください。


このように、本授業を履修する留学生一人ひとりに対し先生から丁寧なフィードバックが行われます。フィードバックは単純な「日本語の添削」でも、「先生から留学生へ」という一方通行なものでもありません。

「こう思った理由はある?」「具体的にはどう?」といった問いかけを通して留学生の思考を深め、正しい日本語で論理立てて説明する力をつけていきます。

担当教員からのメッセージ

日本語Ⅶ・Ⅷの授業を担当するのは、川染 有(かわそめ ゆう)先生。川染先生は、「異国での就職を目指す留学生のことを、心から応援しています」と語ります。

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異国での就職活動は、本当にチャレンジングなことだと思います。「日本人と一緒に授業を受けられるように」というレベルから受講をし始めた留学生が、日本語で自分の想いを語り、日本で就職をするというのは、簡単なことではありません。だからこそわたしは、それを目指す留学生たちのことを心から応援しています。

そのために大切にしていることは、大きく2つあります。

1つは、皆さんが安心して自己開示できる場をつくること。自己分析や自己PRの中では、過去を振り返ったり、自分の弱みと向き合ったりしなければなりません。ありのままの自分を表現しても嫌な気持ちにならない・不安にならない雰囲気づくりに、これまでも、これからも力を入れていきます。安心して履修してほしいと思っています。

もう1つは、「やりたいことの種」を見つけられるようなサポートをしていくことです。全16回の授業では、日本の就職活動のシステム、自己分析、志望動機の書き方といったテクニカル面でのサポートをメインに行っていますが、もちろんそれだけではありません。

日本で就職活動をすることは決まっていても、仕事の内容・行きたい会社までは決まっておらず、悩んでしまう留学生も多いものです。皆さんにとって日本語Ⅶ・Ⅷの授業が「どんな価値観を持っているのか」「何が得意なのか」「どんな職業人生を歩みたいのか」を考える場となるよう、力を尽くしていきます。

皆さんには、一人ひとり違った良いところが必ずあります。授業を通してそのポテンシャルを引き出し、皆さんが納得のいく就職活動ができるようサポートしていきます!

デジタルハリウッド大学のnoteでは、授業の様子、先生の紹介、入学試験など学内に関する情報を発信しております。

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