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2023年10月31日、日本株式市況


日経平均
日経平均400

<6701> NEC 7205 -279
大幅続落。前日に第2四半期の決算を発表、7-9月期営業利益は361億円で前年同期比23.7%増となり、第1四半期81億円の赤字からは黒字転換。ただ、市場予想は30億円程度下振れたとみられる。もともと、通期会社予想2200億円に対して市場予想は1900億円レベルと下振れを想定していたが、一段の下振れも見込まれる状況となっているもよう。国内ITサービスの収益改善が緩慢との見方が多いようだ。

<4927> ポーラオルHD 1514 -149.5
大幅続落。前日に第3四半期の決算を発表、7-9月期営業利益は29億円で前年同期比7.1%増となり、市場コンセンサスを10億円程度下振れている。POLAの国内委託販売などが市場想定以上に落ち込む形に。通期計画の160億円、前期比27.2%増は据え置き、会社側では利益は計画線での推移としているが、市場予想は会社計画を20億円程度上回る水準であり、コンセンサスの切り下がりにつながっているようだ。

<6752> パナHD 1309 -128
大幅続落。前日に第2四半期決算を発表、7-9月期営業利益は1025億円で前年同期比19.1%増となり、市場コンセンサス並みの水準で着地。IRA補助金効果などが増益に寄与する形へ。一方、通期予想は従来の4300億円から4000億円に下方修正し、市場予想は4200億円程度であったとみられる。インダストリー事業の下方修正が大きいが、エナジー事業も想定以上の下方修正となったようだ。

<3132> マクニカHD 6025 -1075
急落で下落率トップ。前日に上半期決算を発表、営業利益は380億円で前年同期比41.8%増となり、従来計画の360億円を上回った。ただ、7-9月期は173億円で同19.3%増にとどまり、第1四半期の207億円、同68.4%増と比較して増益率は鈍化した。通期計画の660億円、前期比7.1%増は据え置き。株価が順調な上昇トレンドを辿っていたこともあって、出尽くし感へとつながったようだ。

<1944> きんでん 2279 +169.5
大幅反発。前日に上半期決算を発表、営業利益は91.3億円で前年同期比38.4%増、7-9月期も82.7億円で同32.4%増となった。据え置きの通期計画371億円、前期比0.9%減に対して順調な推移と捉えられた。また、上半期受注高も通期計画に対して68%の進捗率に。業績上振れ期待が高まる状況となったほか、野村證券が投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げしていることも評価材料に。

<4987> 寺岡製 466 +80
ストップ高比例配分。MBOの実施を前日に発表している。代表取締役の寺岡氏が100%を保有する資産管理会社のKMMが、同社の非公開化を目的にTOBを実施する。筆頭株主の伊藤忠もTOB応募契約を締結しているもよう。TOB価格は564円で前日終値比46.1%のプレミアムとなり、同価格に完全サヤ寄せを目指す動きとなっている。買付期間は10月31日から12月13日まで。

<4516> 日新薬 6094 +772
急伸。前日に上半期業績予想の上方修正を発表している。営業利益は従来予想の160億円から208億円、前年同期比8.6%増に引き上げ。ウプトラビの海外売上に伴うロイヤリティ収入、機能食品事業などが好調に推移のほか、研究開発費の下振れなども要因となる。通期予想の見直しは11月13日の決算発表日に行うもよう。上振れ期待はあったとみられるが、修正幅は想定以上と捉えられる。

<6508> 明電舎 2347 +329
大幅反発。前日に上半期決算を発表、7-9月期営業損益は10億円の黒字に転換しており、上半期営業損益は23.7億円の赤字、赤字幅は18年ぶりの低水準にとどまった。通期営業利益予想は従来の100億円から110億円に上方修正した。海外変電事業の収益改善で電力インフラが好調なほか、水インフラ事業などの収益も回復のもよう。通期受注計画も従来の2850億円から3000億円に引き上げている。

<6754> アンリツ 1122 +150.3
急騰。前日に第2四半期の決算を発表、7-9月期営業利益は29.9億円で前年同期比24.9%増となり、第1四半期0.6億円の赤字からは急改善。20億円程度であった市場予想も上回っている。通期予想は従来の137億円から109億円、前期比7.2%減に下方修正しているが、ほぼ市場コンセンサス水準であり、あく抜け感にもつながっているもよう。通信計測機器の受注回復などで利益率が急回復しているようだ。

<8306> 三菱UFJ 1257 +27
大幅反発。本日は銀行セクターが業種別上昇率のトップになっている。前日から日銀金融政策決定会合が開催されているが、日銀ではYCCの再修正を議論すると報じられており、銀行株の買い材料につながる形となっている。現在1%とされている長期金利の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力となっているもよう。金融政策正常化へのペースの速まりなども意識される状況とみられる。


・ダイヘン<6622>初のアーク溶接用協働ロボ投入、移設容易なコンパクト形状
・NTT<9432>分散型DCの低遅延通信、米英で概念実証、年度内にも
・寺岡製作所<4987>KMMが株を公開買い付け
・ローソン<2651>三菱商事とインドネシアでEV移動式「ローソン」実証
・コスモエネHD<5021>東芝エネとCO2電解で合成燃料、CCU実現へ検討
・ブラザー工業<6448>“水素活用”、新ブランド、ハイブリッドUPS投入
・横河電機<6841>ポーランドのゴミ焼却発電改善で成果
・鎌倉新書<6184>データ駆動型の「終活」支援、システム全面刷新
・IIJ<3774>村田製と東南ア日系向けデータサービス基盤提供、各国法規制に対応
・シャープ<6753>電子ペーパー表示部分拡大、「IGZO」技術搭載の新モデル開発
・ニチコン<6996>インドでコンデンサー拡販、営業人員2.5倍に
・三菱製鋼<5632>省人化を推進、分塊圧延機を全自動化へ
・東レ<3402>超高強度炭素繊維を開発、強度10%向上、ナノ単位で構造改質


31日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比161円89銭(0.53%)高の3万0858円85銭で終えた。朝方は売りが先行したものの、日銀が金融政策決定会合の結果を公表すると、政策修正への過度な警戒感が後退して短期筋による買い戻しが入った。もっとも国内金利の先高観はくすぶるなかで半導体関連には売りが出て、相場の重荷となった。

日銀はきょうまで開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。長期金利の事実上の上限だった1%を「めど」とした。一定程度超えることを容認するが「これまでの政策からほとんど変わらない」(国内証券)と受け止められた。外国為替市場で円相場が1ドル=150円台前半まで下落したのに歩調を合わせて株買いが強まり、日経平均は午後に上げ幅を270円程度まで広げた。

国内債券市場での長期金利上昇や米長期金利の高止まりで、アドテストや東エレク、レーザーテクといった半導体関連には売りが膨らんだ。「国内で物価が上昇するなか、マイナス金利解除など本格的な政策修正の時期を巡る思惑で金利には上昇圧力がかかるリスクもある」(国内のエコノミスト)という見方もあった。これまで発表された海外の半導体関連企業の決算が振るわず、国内半導体企業の決算に慎重な見方が出ているのも買いの見送りにつながった。

半面、金利上昇が追い風になりやすい銀行や保険といった金融株には買いが優勢だった。

東証プライムの売買代金は概算で4兆6793億円。売買高は19億8478万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1418と、全体の約85%を占めた。値下がりは222銘柄、変わらずは19銘柄だった。


31日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前日を0.060%上回る0.950%に上昇(価格は下落)した。日銀が31日に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)において長期金利の上限を「1%をメド」へ修正した。これまでの事実上の上限だった1%を上回る水準を日銀が許容したとの受け止めが、長期金利の上昇につながった。

YCCの再修正については日本経済新聞が30日深夜、31日までの金融政策決定会合で「議論する」と報じていた。日銀の結果発表前である31日午前には長期金利が0.955%と2013年5月以来、10年5カ月ぶりの水準に上昇する場面もあった。

2年債利回りは前日比0.035%高い0.155%、5年債は0.070%高い0.465%に上昇した。2年は11年7月以来、5年は11年4月以来の高さで、いずれも日銀が13年4月に異次元緩和を導入するより前の水準に上昇した。20年債は一時、0.050%高い1.730%と13年8月以来の水準に上昇した。

先物中心限月である12月物の終値は前日比49銭安の143円75銭と続落した。日銀の結果発表直後には、前日から横ばいの144円24銭まで戻す場面もあったが、買い一巡後は売りが再び増えて一時、143円69銭と14年1月以来の安値をつけた。



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