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「文化人類学」の考え方って面白いよね〜

言葉で語られないことを探す学問。すごい世界だな〜

先日、podcastの「a scope」で文化人類学の回を聴いた。

「a scope」はCOTEN代表の深井龍之介さんとNewsPicksの野村高文さんが、ゲストを招いて話をするpodcastだ。

この回は九州大学の文化人類学者である、飯嶋秀治さんを招いての回となっている。

非常に話が興味深くて、「文化人類学」に興味が出てきたので、今回は「文化人類学」について少し調べてみた。

1.「文化人類学」ってなんだ???

まず「文化人類学」ってなんだろう?

まず、「文化人類学」には2つのキーワードがある。
それは、「参与観察」と「エスノグラフィー(民族誌)」だ。

参与観察(さんよかんさつ、英: participant observation)は、定性的な社会調査法のひとつ。参与観察法。

参与観察に従事する者は研究対象となる社会に、しばしば数か月から数年に渡って滞在し、その社会のメンバーの一員として生活しながら、対象社会を直接観察し、その社会生活についての聞き取りなどを行う。観察者はフィールドノートに様々な記録をとり、それを後にデータとして扱うことがある。

参与観察 - Wikipedia より

民族誌(みんぞくし、英語: ethnography)は、フィールドワークに基づいて人間社会の現象の質的説明を表現する記述の一種。民族誌学(みんぞくしがく)とも。英語の ethnography は、ギリシア語のethnos=国民・民族と、graphein=記述に由来する。

民族誌 - Wikipediaより

文化人類学者は、自分が観察対象とする集団を決めると、その集団に数ヶ月から数年入り込み、「参与観察」を実施する。

その「参与観察」によって得られた結果は「エスノグラフィー」としてまとめられ、観察対象とした集団に存在する独自のルールや、共通認識などを見つけることを目的としているのだ。

「文化人類学」はある特定の集団で共有する価値観や常識を見つけることを目的とした学問である。

2. 中国の重慶大厦でタンザニア人を追う「文化人類学」

「文化人類学」が具体的にどのような調査を行っているのか?

立命館大学の文化人類学者である、小川さやかさんの書いた書籍「チョンキンマンションのボスは知っている」を読むと、非常に具体的にイメージできて面白い。

この書籍は、小川さんが中国香港にあるチョンキンマンション(重慶大厦)で「参与観察」した結果をまとめた書籍だ。

チョンキンマンションに住む、タンザニア人のカラマとその仲間たちについて迫り、彼ら彼女らがどのようなビジネスをして、どのようなコミュニティーを作っているのかについて迫っている

中国香港という場所で、したたかに力強く生きるタンザニア人の姿は、非常に興味を惹かれるものであった。

最近、「アフリカは必ず大きく発展する」といった話を聴いたが、それも頷けるような力強さを感じるとともに、「文化人類学」の意義を強く感じる書籍であった。

3. ビジネスにも活かせる「文化人類学」

集団の行動に注目する「文化人類学」。この学問は近年、ビジネスの分野でも注目を浴びるようになっている。

文化人類学者からみたビジネスに関する書籍として、ジリアン・テットさんの書いた「Anthro Vision」を読んだ。

この書籍では、リーマンショックやトランプ政権の誕生などの社会的に大きなインパクトを与えた事象に対して、「文化人類学」的な視点から分析している。

「文化人類学」の性格上、データに現れない裏の裏まで焦点を当てた、非常に示唆深い書籍であった。


普段、私はエンジニアとして、データ分析に近い仕事をしている。
しかし、データには現れないような、事象に悩まされることは非常に多く悩むことも多かった。

今回、少し調べた「文化人類学」は「データで語ることのできない裏側」を理解するのに非常に重要な視点だと感じた。

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