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ラージョ・バジェカーノの育成の実態 世界との差はいつ開くのか

Hola Chavales!!!!

『技術』『戦術』『フィジカル』の観点から

ラージョ・バジェカーノの育成の実態を紹介。

今回の内容は全て

僕とルベン(カンテラU-16以下統括兼U-16監督)の車中での話。


技術

僕が彼にこんな質問をしました。

『技術の側面において育成年代ではどのように個にフォーカスしてるの?』
『Infantil (U-14)までは毎回のトレーニングで30分間は個人技術の向上のための時間を作るよう各カテゴリーの監督に指示している』


続けて僕は

『技術って言っても例えば何?』
『両足できちんとボールコントロール、パス、ドリブルが出来るようになること。体の向きや顔を上げてプレーすること。とかかな』



『でもそれらの技術はよりサッカーに近い状況でやるんでしょ?日本ではマーカーを並べてドリブルしたりとかするんだけど』
『違う。Analiticoだ』
『Analiticoってどういう意味?』
『Analiticoというのは要するに相手をおかずに技術に特化してトレーニングをするということだ』



『じゃあInfantil (U-14)より上のカテゴリーになるとどうなるの?』
『よりサッカーに近い状況下で判断して技術を選択するようにトレーニングしていくんだ』
『考えてみて。俺たちはほぼInfantilのような技術のトレーニングはしてないだろ』
『確かに。サッカーにおける技術はInfantil (U-14)までには完成されてないといけないんだね』
『そういうこと』


戦術

戦術について聞きました。

『何歳から戦術というものを教えるべきだと思う?』
『戦術と言っても例えば?』
『週末の対戦相手に向けてどのように戦うのかとか』
『Infantil (U-14)まではそういった形の戦術のトレーニングはほとんどしない。もちろんレアルとかと対戦する時は少しは戦い方というのをチームで確認するかもしれないけど』
『でも例えばスライドに関して。ボールが右サイドにあるのに左SHの子が外に開いてるのはおかしいよね。もしくは味方がボールホルダーにプレッシャーをかけていたら残りの選手は絞って縦パスを入れさせないだとか。そういう基本となるところは教えていかないといけないと思う』
『俺が去年Alevin (U-12)の子たちを指導してた時にカップ戦でバルセロナと対戦したんだ。彼らの両SBは足が速かったから俺たちはSHに足の速い選手を置いたんだ。でもこういうのは戦術ではない』


『日本だとなかなか戦術を教えるということをしないんだ』
『俺もクリニックに来た日本人や中国人を見てきたけど、彼らはサッカーを知らない』
『でも昔ある日本のチームが来たけど、そのチームはすごくよかった。サッカーだったんだ』


『でも技術がなければ戦術は表現できないと思うんだけど』
『その通り』
『要するにサッカーにおいての基本的な技術と戦術のベースはInfantil (U-14)までに落とし込んで、そこから上のカテゴリーに進むにつれてより複雑な戦術を表現できる準備をしてるわけね』
『そういうこと』


フィジカル

フィジカルについて。

『こないだ聞いたんだけどInfantil (U-14)までは体幹トレーニングとかやらせてないんでしょ?』
『そうだよ。動きの中で体幹を意識させたりジャンプとか動作の基本を教えるように言っているんだ』
『なんで?』
『まだ筋力をつける段階の年代じゃない。それよりもコーディネーションとか自分の体を自分で動かせるようになることが大事なんだ』
『だからInfantil Bの練習では毎回のトレーニングの最初にコーディネーションを入れてるんだね』
『そういうこと』
『Cadete (U-16)のトレーニングでも重りはいつも使わないよね?』
『この年代になったら重りを使い始めていいと俺は思ってる。でもラージョのジムを使えるのはJuvenil (U-17-U-19)になってからなんだ』



U-14

ラージョの選手たちはU-14までに

サッカー選手としての

『技術』『戦術』『フィジカル』

3つの要素の基礎を叩き込まれてる。

もし足りてない選手がいれば

その子はもうラージョにはいないだろう。

日本サッカーが見なきゃいけない根本は

『Jリーグ』でもなければ

『ラ・リーガ』『ブンデス』『プレミア』『セリエA』でもない。

世界との差はU-14から開き始めてる。

この問題を解決しなければ

世界には近づけないと思う。

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