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子役時代の芦田愛菜さんの演技が凄い!

先週紹介した、ボクが芦田愛菜さんの演技についてやたらと熱くw語っている「A芸えびちゃんねる」のYouTube動画の【後編】がアップされました。

前回語った「子役時代の芦田愛菜さんの演技が凄い!」の件の続きで、今回は芦田愛菜さんのようにご自分のお子さんを育てたいときにどうすべきか、などにも触れていますので、今回の動画は特に子役の親御さんにも見てもらえると嬉しいなーなどと思っております。

先月のブログ「芦田愛菜のCMの演技が凄い!」の回でも書いたのですが、芦田さんって現在活躍中の10代の女優さんの中で破格に確かな演技力を持った人だと思うんですよ。映画『星の子』みたいな人物の心の中を繊細に描写する芝居も、『ワイモバイル~バカボン編』のCMみたいに楽しくハジける演技も、どちらもリアリティ&説得力たっぷりに演じることができますからねー。
その芦田さんがドラマ『マルモのおきて(2011)』や映画『うさぎドロップ(2011)』などに出演していた子役時代から、同世代の子役たちの中でブッチギリに確かな演技力で芝居していた件についてこのYouTube動画で語っております。各々6分弱の動画なので、スキマ時間にでも見ていただけると嬉しいです。

うわあーなんだか熱く語っちゃってるなw。
今回はこの動画で語り切れなかったことを補足をしたいと思います。

まず「芦田さんは心を使って演じている」とは具体的にはどういう事かというと・・・ようするに芦田さんはまず家で脚本をめちゃくちゃ読み込んで「自分が演じる人物は何者なのか」を把握した状態で現場に入ってくるのですが、いったん現場に入ると、「家から持ってきた演技を披露するのではなく、本番中に感じたことに反応して演じている」ということです。

このあたりが芦田さんがほかの子役の皆さんとで大きく違うところなんですよねー。例えば『マルモのおきて』なんか福くんと芦田さんが同時に同じような芝居をしているシーンが多いので、その演技法の違いが際立って見えてくるんです。
たとえば2人で泣くシーン。これは福くんが家から持ってきた「いつものキメ泣き顔」で泣いてるのに対して、芦田さんはそのシーンの中で感じたことに対して反応して泣いています。なので福くんは唐突に顔をゆがめて泣き始めるのですが、芦田さんはシーンの状況を吸収しながら徐々に泣きはじめるのです。どのシーンでも福くんと芦田さんが泣き出すタイミングがズレているのはこれが原因です。

「でも泣こうと思って泣けたことは無いです。やっぱり泣いちゃうもんです。」
「我慢しててもどうせいつかは泣いちゃうんで、心に限界がきて」

【SWITCHインタビュー糸井重里×芦田愛菜】より。

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この演技法の違いは表情にも影響します。

福くんは笑顔も泣き顔も「一番かわいいキメ顔☆」みたいなものを持っているので、泣くときはいつも「一番かわいいキメ泣き顔☆」で泣いています。これが彼の人気の秘訣でもあるのですが・・・このやり方だとどんなシーンでどんな理由で泣いている時も同じ泣き顔で泣いてしまうことになるんですよね。これが「キメ顔芝居」の欠点です。
それに対して芦田さんの方は、シーンの状況が変われば芦田さんが感じることが変わるので、つねにそのシーンの状況に合わせた泣き方になり、なので全てのシーンで泣き方も泣き顔も違っているんです。

そして泣きのシーンでの視聴者の感じかたも変ります。福くんは唐突にいつものキメ泣き顔で泣き始めるので視聴者は「あー泣いちゃった。かわいいなあ」と感じるのに対して、芦田さんの場合は視聴者は「あれ、泣くかな?泣くのかな?だってこの状況だもんね。泣くよね。あーホラ泣いちゃった。ああもう可哀そう」なんですね。

福くんの泣きは鑑賞されているのに対して、芦田さんの泣きは共感されたり同情されているのです。

そしてもうひとつ。芦田さんの泣きのシーンの素晴らしいところは「1カットの中で泣き始める過程を観客に見せることが出来ている」というところ、これ重要。
映画『うさぎドロップ』でお墓の前で男の子と芦田さんが泣くシーンがあるのですが、男の子の方は泣く前のカットと泣いてるカットが別ショットで、編集でつないであるのですが、芦田さんの方は泣き始まる過程のディテールをちゃんとひと続きの芝居として演じることができているので、その一連を1カットで見せることが出来ているんです。・・・この違いはデカい。観客はハラハラして心を掴まれます。いや~子役時代の芦田さん、ホントすごいなあ。

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芦田さんのこの泣き始めを1カットで見せる芝居はじつは今も健在で、最近作の『星の子』でも教室で急に涙がポロリとこぼれる芝居をやはり1カットで見せていますね。さらに芝居に磨きがかかった感じです。素晴らしい。

芦田さん、そろそろ大ヒットするような映画で主演とかしてもよい頃だと思うんですよねー。

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子役の演技について・・・誤解して欲しくないのですが、ボクは子役の「キメ顔芝居」が悪いとか言いたいのではないです。
そのキメ顔が魅力的であればそれを喜んでくれる視聴者もたくさんいるので。それはある意味正しい演技法です。ただ、いつも同じ顔を見せることになってしまうので、あっという間に消費されてしまうのです。CMなんかに出たらまたなおさら、同じ表情が繰り返し繰り返しテレビ画面に登場するので、次にまた芝居の中で観ても新鮮味が無くなってしまう。つまり「キメ顔芝居」は飽きられやすいのです。

なので芦田愛菜さんみたいに、長く輝こうと思うのであれば、「キメ顔芝居」よりも「心で芝居する」ことの方をオススメしたいのです。

「演じていてうまく気持ちが乗った時には、本当にそのセリフを喋ってる時の顔になったり、そう言われた時の顔になったり、そういう動きになったりしますね。」

【SWITCHインタビュー糸井重里×芦田愛菜】より。

芦田愛菜さんは子役時代から基本的にはキメ顔で演じなかった・・・のですが、厳密に観察しているとそんな芦田さんにもはっきりとキメ顔をしている時があるんですよ。それは・・・うたを歌っている時ですw。「マル・マル・モリ・モリ」(懐かしいですね!)あれを歌っている時の芦田さんは完全にキメ顔状態ですねw。
そしてその数か月後に出したソロアルバムの曲を歌ってる動画がYouTubeにあるんですが、もうキメ顔を通り越してアイドルに完全になりきってますね。エンターテイナーになっている時はキメ顔でバンバンサービスする・・・ところが芝居となると、いっさいキメ顔を繰り出さない・・・。

これってすべて計算の上なんですかね?まったく「マナ、恐ろしい子・・・」状態なんですがw。

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さて今回の「でびノート☆彡」はYouTube動画『子供時代の芦田愛菜さんの演技が凄い!』についての補足でした。このA芸えびちゃんねるの子役の演技に関するボクとA芸蛯名さんとの対談シリーズ、しばらく続くみたいです。
じつはもうその次の回【『レオン』のナタリー・ポートマンの芝居について】も収録済みなので、近いうちにまた公開されるかと思います。来週あたりかな?

それではまたこのブログかYouTubeでお会いしましょ〜☆彡

小林でび <でびノート☆彡>

↓ 関連記事【芦田愛菜のCMの演技が凄い!】

blog芦田愛菜CM



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