CTOが語るワンキャリア技術開発部の歩み vol.1
はじめに
ワンキャリアの執行役員CTOをしている田中です。2018年10月にワンキャリアに入社し、開発の内製化と、開発方針の策定に取り組んできました。現在、ワンキャリア技術開発部は40名ほどのメンバーを抱え、当社の様々なプロダクトを牽引する組織となっています。また、今なお成長を続けているところです。
さて、今回より4部構成で「ワンキャリア技術開発部の歩み」について話をさせていただこうと思います。また、以下の内容を歩みとともに明らかにしていければなと思っております。
エンジニア組織づくりに関わりたいと思っている、また組織をどう形作っていけばよいのか悩んでいる方々の一助になれば幸いです。
今回の記事では、私がワンキャリアに入社する直前の話から入社直後の技術開発部について振り返ってみようと思います。
まずはワンキャリアに入るまでの田中の経歴について箇条書きで軽く紹介します。田中に対してご興味湧きましたらこちらをご参照ください。
入社経緯
自分の会社が買収されてしばらく経った後、学生時代に接点があった宮下から連絡がきたことがきっかけになりました。
「エンジニア採用のことで相談あるんだけど」と言われ、久しぶりに会ったところ、実際には「うちにこない?」という話でした。
入社の誘いがくる可能性は2%ぐらいだと思っていたので少し驚きましたが、それ以上に宮下と彼が推し進めてきている事業に対して強い興味を持ちました。というのも宮下が語るビジョンやその熱量が、初めてあった時と全く同じだったからです。
宮下とやりとりするのは実に8年ぶりです。その間にワンキャリアの事業も大きく進展していました。これだけ年月が経ち、様々な変化があると、学生時代に描いたビジョンや熱量は多少なりとも変わってしまうことも多々あることだと思います。しかし、彼はそれが全く変わっていませんでした。
「キャリアのデータを可視化して、就活を透明に。人生において重大な意思決定をサポートする。」
このビジョンを一貫して持ち続けていたこと、そしてそれを今もなお熱く語る宮下の姿を見て、一緒にやっていくことを決めました。
また、当時それまで私がマネージしてきたチームは、最大のときでも6人の小規模なテックスタートアップでした。この規模の会社を立ち上げ、事業のシードを作っていく経験はあったものの、その先のステージに関しては何が待ち受けているのか全くといっていいほど見当がつかない状態でした。
なので組織体制の変化が大きい環境下で、強いチームを作って、今までより規模の大きいことをしたいという思いもあったため、2018年10月にワンキャリアにジョインしました。
入社当時のワンキャリアと、技術開発部
当時、ワンキャリアのWebサービスは社内のディレクター1名とデザイナー1名が外部パートナーに依頼する形でワンキャリアのWeb開発を進めていました。
厳密には、社内常駐のフリーランスエンジニアやフリーランスディレクターも数名おり、企画にフォーカスしてプロダクトづくりを進めるコンパクトなチームが当時のワンキャリアの技術開発部でした。
私はこのチームの一人目の正社員エンジニアとして入社したことになります。
入社して思った率直な感想としてはデータを活用する前に、作っていかないといけない足元の開発案件が多すぎるということです。この状態から将来への技術投資余力を生み出すために、盤石のプロダクト開発チームを作る必要がありました。足元の開発がそつなくこなせるようになった上で、データ活用に向けた試行錯誤の余地を生むという順序を想定したわけです。
入社直後の課題感と目指したミッション
当社は「キャリアのデータを可視化する」+「事業展開としてプロダクトのラインナップを増やしていく」という2つの構想を掲げていました。しかしそのためには多くの課題を解決しなければならず、中でもプロダクトを跨いでスムーズな情報連携を実現していくことが何よりも重要でした。
各プロダクトから使いやすい形でデータ管理をしつつも、スケーラビリティを保つようなアーキテクチャを作ることがエンジニアである自分の役割です。他方で、もしこのまま委託開発を進めるならば、このアーキテクチャの構築と並行して委託先をディレクションし各プロダクトチーム同士を連携させる必要があったわけです。ですが、複数社・複数チームを跨いでコミュニケーションを円滑化していくことについては、効率の面で一定の不安を感じていました。
また、当時数人だけフリーランスエンジニアは常駐していたのですが、開発のノウハウを社内に蓄積するためには個々のエンジニアの在籍期間の観点で懸念が残りました。
個人的な思いとしてはやはり、事業や会社のミッションに共感して集まったメンバーが時間をかけて事業を育てていく中で、ノウハウを蓄積し技術の水準を向上させ、エンジニアリングを事業上の競争優位性として位置づけていきたい。
そこで、開発チームを内部に組成し、今後の事業展開のボトルネックを事前に解消するというのが、当面の私のミッションとなりました。
終わりに
以上が私のワンキャリア入社当時の開発部の状況です。この当時は、ビジョンがあるけどそれを実現していくアーキテクチャとチームがないという状況で、そのギャップを埋めるのはチャレンジングでした。そもそもその前に、サービスの利用者もどんどん増えていく中で目先のプロダクト開発も効率化していく必要があり、如何にして長期的な技術投資を実現していくのかは非常に悩ましい課題でした。
したがって当時を振り返り、一番重要だったポイントとしては「今後の事業展開を予測して、開発チームを内部に組成する」ことを早期に決断したことです。もちろん、技術開発組織を作るのは時間的にも金銭的にもコストがかかります。しかし、長期的な目線で考えれば絶対に必要な選択であったと言えます。
続く記事では、その後開発部が抱えていた課題感やミッションにどう取り組んでいったのかをお届けします。
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