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分類その12「因習の村」

地方の隔絶された村落などが舞台になる推理小説は多い。
古い伝承や数え歌や不思議な御神体を祀る祠などがあり、怪奇ムードいっぱいであるが、ミステリである限り超常現象は起きない。殺人には必ず生身の犯人が居て、筋の通る結末が待っている。
この作風を確立したのは誰あろう、やはり横溝正史だ。

田舎の怪奇なムードは何も日本国内に限られるわけではない。

アメリカの田舎町もなかなか薄気味悪い。

また、新しい作家の中にも、この作風に果敢に挑む人もいる。小野不由美氏はファンタジー「十二国記」が有名だが、なかなかミステリも面白い。

これらの「因習の村」という舞台設定は、限られた範囲の人間関係が非常に密であり、常識が通らない恐ろしさもある。
クローズド・サークルの円(サークル)が建物から村と少し広くなるものの、容疑者が限定される事には変わりがない。
そして、フィクションであろうがリアルな土地だろうが、我々読者にとっては閉塞感のある異世界なのだ。


2023.3.28


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