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七人の奇妙な依頼人<5>『山中湖にて』(連載)

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伝説の探偵、福田政史の著作「現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人」【第五話 山中湖にて】を連載します。実在する探偵さんの実話読み物です。
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#読書の秋2020

『山中湖にて』(11) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(最終回)

『山中湖にて』(11) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(最終回)

『現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人』 福田政史:著
【第五話】山中湖にて

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 それから三、四か月も過ぎた頃だろうか。東京もすっかり春めき、西から桜の便りが聞かれる頃である。その日は日曜日だったが、私は用事があって事務所に行った。探偵家業に夜も昼も休日もない。
 私は車を事務所があるマンションの前に停め、六階にある事務所に行く前、メールボックスを覗いてみると、白い封筒があった。私宛で

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『山中湖にて』(8) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『山中湖にて』(8) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人』 福田政史:著
【第五話】山中湖にて


 調査は三週間目に入ったが、その結果はどれもこれも依頼人の意に沿わないものだった。
 マルヒの家を見に行って私が推測したとおり、岡田夫妻は円満だった。二十六歳の若い妻は二人の子供にも恵まれ、幸せを絵に描いたような日々を送っていた。
 マルヒの妻について調査したところ、父親は某私大の教授で、謹厳な家庭環境だった

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『山中湖にて』(7) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『山中湖にて』(7) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人』 福田政史:著
【第五話】山中湖にて

7 調査を始めて、一週間が過ぎたころだろうか。途中経過を説明した私は、依頼人から夫と離婚した経緯を詳しく聞いたことがあった(むしろ聞かされたと言ったほうがいいのかもしれないが)。
「彼と一線を越えたのは、確か三度目の逢瀬のときでした。それからというもの、〝今日は昼からちょっと時間があるから会えない?〟と言う電話で

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『山中湖にて』(6) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『山中湖にて』(6) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人』 福田政史:著
【第五話】山中湖にて

6 こうして新しい仕事を引き受けた私は、翌日が土曜日だったので、岡田教諭の人定(本人確認)のため、さっそく内偵を兼ねて大田区にあるマルヒ宅を訪れた。
 むろん、直接訪問するわけではない。家構えを見たり、現地周辺を観察するのである。この調査は、依頼人がマルヒの“愛人”で、住所や勤務状況などを知っているため、本人の単

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『山中湖にて』(4) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『山中湖にて』(4) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人』 福田政史:著
【第五話】山中湖にて

4「自殺を図ったのは、夫と別れてしばらくしたころでした。いっこうに奥さんと別れてくれない彼に不信感を抱いた私は、ある日、彼の家に行ってみたのです。夜十時くらいでした。庭先から家を窺うと、何と赤ちゃんの泣き声が聞こえたのです。その瞬間、私は体も心も凍りついたような気がしました。だって、あの人は“夫婦とは名ばかりで、

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『山中湖にて』(2) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『山中湖にて』(2) レジェンド探偵の調査ファイル,浮気調査(全11回)

『現役探偵の調査ファイル 七人の奇妙な依頼人』 福田政史:著
【第五話】山中湖にて 

2 この上品そうな依頼人の話は、あっちに飛んだかと思うと、こっちに飛ぶといった具合だったが、その話をまとめると次のようになる。
 依頼人は、二年前に神奈川県K市で輸出入商社を経営している四十八歳の夫と離婚したのだが、これは彼女から望んでのことだったという。
「といっても夫が浮気したとかそんなのではありません。夫

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