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『省みる』④ 他者への向き合い方は慎重だったか

『省みる』③ 伝え方は慎重だったか からの続きです。チェックリストは『省みる』① 問いや真意の確認は慎重だったか からダウンロードしてご確認ください。

尊重の実践

「自分が、他者を尊重できていない可能性を恐れたか」

尊重するとはどうすることなのか、誰もが納得する説明ができる人はそう多くはいないでしょう。自分は尊重しているつもりであっても、相手が尊重されていると思うかどうかは別の話です。

尊重するとはどうすることかは断言できませんが、尊重しないことなら断言できます。自分が相手を尊重できているかを疑わないことです。

誰もが相手を尊重できていないことを恐れないとしたら、そこには尊重しようという姿勢はないかも知れません。

心情への配慮

「自分が、他者の心情に気づこう、くみ取ろうと努めたか」

誰しも、自分の心情をつかみ切れないときがあります。また、心情を正直に言葉にしてくれるとも限りません。

目の前の人は今、否定されることやバカにされることを恐れているかも知れません。過去の嫌な体験を思い出しているかも知れません。興味本位の質問で大切なところに踏み込まれて、気持ちが乱れているかも知れません。

他者のことはわからない。わからないけど、目の前の人が泥人形でないことはわかるはずです。喜怒哀楽があり、恐れも落胆もする生身の人間だということを、どうか思い出して。

決定の自由を守る

「他者自身が決定すべきことに干渉しないよう努めたか」

同意して欲しくなったり、認めて欲しくなったりして落ち着かなくなることがあるかも知れません。でもそれは、他者をコントロールしたいということです。

また、同意を求められたり、承認(称賛)を求められたりすることがあるかも知れません。でも、どうするかを決めるのは自分のはずです。

誰かのハンドルを奪ったり、自分のハンドルを渡したりすることに無関心でいると、気づかぬうちに嫌な空気になってしまうかも知れません。

詰問の禁止

「質問攻めにならないよう努めたか。回答に対して建設的な受け取り方をしたか」

自分と違う意見を耳にすると、自分の興味のままに質問したくなることがあるかも知れません。もしかしたら、問いただしたい気持ちの現われかも知れません。

質問に答えるか答えないかは相手の自由のはずです。せっかく答えてくれたのに、その意味を受け止めずに次々と質問してしまったら、相手はなんのために誠実に答えたのかわからなくなってしまいます。

もしも建設的な受け取り方をしないとしたら、質問そのものが攻撃になってしまうかも知れません。

ズレの排除

「文脈のズレ、論点のズレがないよう慎重に確認したか」

話していることがうまく噛み合わない、そういうことは日常でもよくあります。何について話しているかを文脈と言いますが、文脈がズレていると言葉の意味そのものが違ってしまうことがあります。

論争している相手に向かってバカと言ったときと、恋人同士が見つめ合いながらバカと言ったとき、言葉は同じでも意味することはまったく違います。

話が通じないとき、相手がわからず屋なのではなく、もしかしたら文脈がズレているのかも知れません。

また、話が通じない原因には論点のズレもあります。どういう条件が必要なのか話しているとき、いいか悪いかの話をするのは論点が違います。

ズレを排除しようという意識がないとき、知らず知らずのうちに何かがズレていっているかも知れません。

『省みる』⑤ 問いへの向き合い方は慎重だったか

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