『省みる』③ 伝え方は慎重だったか
『省みる』② 考え方は慎重だったか からの続きです。チェックリストは『省みる』① 問いや真意の確認は慎重だったか からダウンロードしてご確認ください。
命題化
「短く、命題の形にするよう努めたか」
思いのままに語ってしまうと、自分でも何が言いたかったのかわからなくなってしまうことがあります。そのとき言いたかった気持ちは、何を指していたのでしょうか。
命題の形とは「〇〇ならば△△である」のように、短く言い切った形です。言っていることが正しいかどうかはともかく、言いたいことをできるだけ短く表現した文です。言いたいことの中心といってもいいでしょう。
短く表現しないと、言いたいことの中心が伝わらないかも知れません。短く表現できないとしたら、自分でもわかっていないのかも知れません。
明確さ(あいまい性の排除)
「誤解なく伝わるよう、明確な表現を選んだか。あいまいにならない伝え方に努めたか」
すべてに当てはまるのか、一部にだけ当てはまるのか、それとも場合によるのか。好きだからなのか、嫌いだからなのか、それとも好き嫌いは関係ないのか。同意するし好きなのか、同意するけど嫌いなのか。
ふわっとした表現で伝えてしまうと、ふわふわの部分だけが受け取られ、伝えたいことの中心は置き去りになってしまうかも知れません。
思考と信念の区別
「思考と信念を区別したか。区別されていないときに指摘したか」
思考とは、自分の好き嫌いにかかわらず説明できる筋道のことです。信念とは、自分の好き嫌いを抜きには説明できない筋道のことです。どちらも筋道ですから筋が通っているように感じるときがあります。
しかし、より多くの人が納得できるのは、個人の好き嫌いを支えにしている信念ではなく、誰も疑えないことを支えにしている思考の方でしょう。
思考と信念を区別できていないとしたら、誰かに何かを押しつけてしまっているかも知れません。
事実と意見の区別
「事実(客観)と意見(主観)を区別したか。区別されていないときに指摘したか」
自分の目の前にコーヒーがあるとき、「コーヒーがある」という表現は事実を伝えています。ですが、「美味しいコーヒーがある」という表現は、事実のほかに感想も伝えようとしています。美味しいかどうかは事実ではなく個人の感想です。意見というのはこの感想のことです。
もしも事実と意見をごちゃまぜに話したとしたら、聞いている人には何が事実で何が感想かまったくわからないかも知れません。
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