『省みる』① 問いや真意の確認は慎重だったか
はじめに
このチェックリストは規則や基準ではなく、反省するときの観点をまとめたものです。何について反省するのか不明確であれば、〈できている〉も〈できていない〉も感覚的なものになってしまいます。
具体的に、どのようにできていたのか、どのようにできていなかったかを自分で見つめることで、次の機会にどうするか?を具体的に考えられるようにするための道具です。
どうか『必ず守らなければならないこと』のように考えたり、他人を査定するために使ったりせず、自分を観察するための道具だと理解してください。
受け取りの確認
「発言の真意を受け取ろうとしていたか。言葉にできないことまで受け取ろうとしたか」
自分が言いたいことを、正確に、しかも過不足なく話すことは、とてもむずかしいことです。私たちは、つい気の向くままに話してしまいがちで、〈聞く人にとっての受け取りやすさ〉にまで気が回らないことがあります。
また、自分の普段の考えを横において、相手の話をそのまま受け取ることも、とてもむずかしいことです。私たちは、つい〈自分の受け取りたいように受け取って〉しまいがちです。
きつい言葉を繰り返すあの人が本当に言いたかったことは、もしかしたら『だれか助けて』だったのかも知れません。
文脈の確認
「何について話しているか確認したか」
みんなの話に続けて発言しているので、そのことについて話しているのかと思って聞いていたら、全然関係のない自分のエピソードを話したかっただけだった。そういうことってありますよね。
その話は何についてなのかを確認していれば、受け取り方のズレに気づくことができるかも知れません。
隠れた前提を見抜く
「無条件に前提されていることに注意を払っていたか」
人は自分が前提としていることを話さないまま、自分の考えを語ります。そして聞いている側にも、話さないままに前提していることがあります。自分が前提にしていることを自覚できている人はとても少ないです。
その前提が正しいか正しくないかはともかく、どんな前提で話をしているのかをよく観察しないと、自分たちの先入観に気づけないかも知れません。
問うていることを絞る
「問いを整理して、問うことを絞り込んだか」
話しているといろんな疑問が湧いてきます。でもそうやって湧いてくる疑問は、たいていの場合、整理されていません。あれもこれもそれも問うているのだ!となってしまうと、問いたいことが複雑にからまってしまって、うまく考えることができません。
問うていることをシンプルにしてみたら、もっと明快に考えることができるかも知れません。
求められている答え方
「答え方の条件を考えた、あるいは確認したか」
1個100円のリンゴと、1個80円のミカン、所持金1,000円で…こんな感じの、算数の文章問題をやったことがあると思います。さて、どんな答えが求められているでしょうか。リンゴの個数を答えればいいのか、ミカンの個数を答えればいいのか、おつりがいくらか答えればいいのか。
どんな答えなら答えられたことになるのか、それを確認しなければ問いに答えたことにならないかも知れません。
論点の整理と共有
「意識的に論点を整理しようと努めたか」
みんなが思い思いに話していると様々な気になるポイントが現れてきます。今、何について話しているのか、自分は何が気になるのか。みんなでひとつのことを考えるためには、みんなでひとつのことに注目する必要があります。
こんな論点も出たし、あんな論点も出ました。さてさて、どれに注目して話しましょう? そんな確認を誰もしなかったとしたら、同じ時間を共有していたはずなのに、みんなで何に注目していたのかわからなくなってしまうかも知れません。
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