空間と余白…
「独立独歩」
昔、後輩にもらった本を読み返している。
タテ21㎝×ヨコ14㎝の装丁、定価¥2,800。
タテ方向21㎝の上の8.3㎝は、全251頁ずーっと空白が続く指向で、
5分の2を空白が埋めていることになる。
読み進めながら目を休める空欄がとても読みやすく、ここちいい。
筆休め的な役割を担う…ふっと目をそこにやると、いま読んだ文章の自分なりの風景がそこに刻まれるし、棚卸しみたいに記憶の棚が整理されていく。
紙の中に余白をとることが思考の自由をうながすように、空き地のような街の中の空白も、行動の自由をくすぐってくれるはずだけど。都市の中にはそんな余白がどんどん少なくなってきています。
余白を無駄なもののように捉えてぎゅうぎゅう詰めにしていく。できるだけ効率的に、あらゆる工夫を凝らして機能的に、そしてまた息苦しくなっていく…
白紙に払っている金額は、全体の4割で¥1,100程度ということになるけど、果たしてその金額を文字で埋めることを読者は望んでいるだろうか。それ以上の価値を感じられる人は、すべてを相手に求めているわけじゃないことを知っている人だと思う。
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