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エルで働くライターの日記

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エルで働く日々のこと、エルで働く人のこと。 「らしさをつくる」会社の「らしさを綴る」日記帳です。
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#Webデザイン

採用サイトは、「らしさ」と「らしさ」をつなぐもの。

よく、採用サイトの相談をいただくことがあります。そのたびに私は、新卒就活時代、「とにかく何もかも不安で仕方なかった」ころのことを思い出します。 いろいろなことが不安でじたばたしていましたが、根底にあったのは「私は働くことで、幸せに生きていけるだろうか?」という不安だったのだと思います。社会人になって自分が採用サイトに関わるようになってから、「採用する側も不安なのだ」と気がつきました。 採用の目標は、やみくもに多くの人を採用することではありません。自社とマッチして、生き生き

正解のない世界で、選んでいくために

A案とB案、どちらを選ぶか。 ロゴには何色を使うか。 コピーはどんな表現にするか。 私たちは普段から、正解のないことばかり考えています。仕事に限らず、人生は「正解がない選択」の連続です。 どこで働くか、誰と働くか。 どこで暮らすか、誰と生きていくか。 今晩は何を食べるか、休日はどこへ行くか。 「選ぶ」とは、その結果を受け入れ、責任を取ることだと思います。 エルは個人の裁量が大きく、一人ひとりがプロとしてジャッジする機会が多くあります。たくさん案を考えても、選ばなければ

今、自分は何を感じているのか

先日、エムハンドさん主催の『オンライン坐禅体験』に参加しました。テーマは、「座禅で心を落ち着かせ 集中力を高める」。 そのなかで「今聞こえる音だけに集中する」という実践がありました。時間は5分間。長いのか短いのか。でもまあできるんじゃないか…?と思い目を閉じたのも束の間、すぐに頭の中に考えごとが充満し、そわそわと落ち着かなくなってしまい、結局2分と持ちませんでした。 私は雑念まみれの人間だ…と落ち込んでいると、 「それでいいんです」 と、画面の向こうから先生。 頭のなか

あなたらしさの見つけ方

「らしさ」について考えるとき、ときどき思い出す景色があります。幼いころ、新幹線の窓から見た東京の夜景です。 おびただしい数のビルがあり、たくさんの窓にはぽつぽつと光が灯っていました。その一つひとつの下に、誰かが生きている。それぞれの生活があり、人生があり、笑ったり泣いたり、怒ったり喜んだりしている。そして私は一生かけても、そのすべての光と交わることができない……そう思ったらなんだかすごくさみしくなって、でも、見える景色はとてもきれいで、わけもわからず泣きたくなったことを覚え

変わっていくなら、いいほうへ。2023年の振り返り

もう何日か寝ると、2023年が終わります。毎年のことながら、一年が過ぎるのはあっという間ですね。 先日エルでは、新オフィスお披露目兼忘年会がありました。普段リモートワークのメンバーも、来年から加入する新メンバーも、かつて一緒に働いていたメンバーも集い、クライアントのお店で買ったごちそうを囲みました。 みんなで話しながら、今年もいろいろなことがあったなあと思い返しました。 新メンバーを迎え、フォト散歩に出かけたり。 『DEATH NOTE』や『進撃の巨人』を手掛けた荒木

デザインを飛躍させるためのコンセプトメイキング

デザイン前の言語化デザインの現場ではよく、「言語化」の重要性が語られます。 エルでもことばをとても大切にしており、デザインの前に「ことばづくり」の過程を設けています。ことばづくりとは、コンセプトメイキングのこと。つまり、「方向性をことばで定義する」ことです。 コンセプトメイキングをするうえで気をつけているのが、表現の可能性を狭めないこと。 「定義」というと、削ぎ落としたり絞り込んだりするイメージを持つかもしれません。しかしコンセプトを定めることで、表現の可能性を捨てること

あなたにしか、言えない言葉を。

制作の過程では、「なにか」を「ことばで定義する」ことがよくあります。「なにか」とはデザインコンセプトだったり、企業理念だったり、コピーだったり、いろいろです。 そのためにクライアントと対話していると、主に「プラスイメージのことば」が飛び交います。 優しい。明るい。誠実だ。真面目だ。 ときどき、「ありきたりなことばになってしまいますが…」と謙遜される方がいらっしゃいます。 しかし、ありきたりなことばでは「らしさ」を表現できないのでしょうか。私はそうは思いません。大切なのは、

【採用情報】一緒に「らしさ」をデザインしませんか。

こんにちは。ライターの神保です。 エルでは業務拡大のため、新たにデザイナーを募集しています(CIやVIの制作経験者歓迎)。 エルのコーポレートサイトには、 という一文があります。そのことばの通り、エルのデザイナーは、「クライアントらしさ」を表現することをとても大切にしています。 CI、 VI実績の一例 私は、エルのデザイナーが好きです。 エルのデザイナーがつくるデザインが好きです。 今回デザイナーを募集するにあたり、一緒に働くひとりとして「エルのデザイナーってこんな

大切な思いを、大切に届けたい。

日々クライアントと向き合うなかで、「思いの届け方」についてよく考えます。 生活していると、「誰かの思いによって心を動かされる」ことがたくさんあります。つり革広告を見て、旅に出たいと思ったり。ブランド理念に共感して、サービスを選んだり。Webサイトを見て、お店に行きたくなったり。こんなふうに心が動くのは、誰かが思いをかたちにして届けようとしてくれたからであり、それが、自分の心に届いたからです。 届けたいことを、届けたい人に届ける。それは当たり前のようでいて、とてもむずかしい

クリエイターを、孤独にさせない。

最近エルでは、「デザインディスカッション」に力を入れています。 デザインの方向性について、ディレクター、デザイナー、ライターが集まって話し合う時間です。 今ほどメンバーが多くなかった時期は、ヒアリングのあと、デザイナーが一人で案を考えることがほとんどでした。しかし、メンバーが増えてチームで動くことが多くなったため、「まず全員で方向性を決める」ことに重点を置くようになりました。 大切なのは、 クリエイターを孤独にさせないこと。 私たちは、一人でつくっているわけではありませ

進んでいくために、「節目」はある

3月は、卒業の季節です。 この時期の空気の匂いって、なんだかそわそわしませんか。何かが終わる気配と、新しいことが始まる予感が溶け込んでいるからでしょうか。 社会に出ると、卒業を意識することはほとんどなくなります。卒業しなくても、3月はせわしなく過ぎていってしまいます。 でも、卒業までいかずとも、「節目」はいろいろなところにあります。節目を意識することで、自分の変化を実感し、また前に進んでいくことができるのではないでしょうか。 これを機に私も、エルに入って以降、成長を感じ

「考えすぎ」の活かし方

私は、ものごとを考えすぎてしまう性格です。この性格によって悩むことも多いため、「考えすぎてしまうのは、自分の弱点だなあ…」と思ってきました。 でも、仕事をするようになってから、「考えすぎることは、決して悪いことではない」と感じることが増えました。 「考えすぎ」な性格を、自分をくるしくさせるのではなく、ものごとをよくするために使えたら。弱点ではなく、長所だと思えるようになるのではないでしょうか。 今回は、「考えすぎ」をいい方向に使うため方法を、自分なりにまとめてみました。

すべての「つくる」人たちへ AIと共創する未来

最近、AIの発展が目まぐるしく、クリエイティブ業界を騒がせています。 イラストが書けたり、文章が書けたり、コードが書けたり、人物モデルをつくれたり…「こんなこともできちゃうの!?」と驚くことばかり。 とくに、少し前にOpenAIによって開発されたChatGPT(※自然言語処理技術をベースとした、人工知能の一種)は、大きな話題となりました。 当初AIの存在を知ったとき、私は正直、めちゃくちゃこわかったです。 そんなことを考えて、悶々としてしまいました。が、見ないふりをする

イメージを具現化する「仮説思考力」

制作の場では、「イメージ」ということばがよく使われます。 しかし、この段階ではまだ「イメージ」は目に見えません。目に見えないものの良し悪しを判断するのは、とても難しいことです。 そこで大切なのが、「まず、イメージを具体化して見せる」こと。 制作の早い段階でイメージを具現化することは、クリエイティブの質を上げるために大きな意味があります。 今回は、イメージを最適なかたちにするために必要なことを、実体験をもとにまとめてみました。 イメージを具現化するために①「今ある材料+