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社会教育が受けられる公共施設のそれぞれ(生涯学習支援論)

大学院で学ぶ「学習のデザイン」。今回は、学校以外の場所で学習の機会が得られる公共施設についてまとめてみます。

区分としては大きく3つ、地方公共団体によって設置されている、公民館・図書館・博物館です。では、それぞれ見て見ましょう。

公民館

こう書くと古い印象ですが、こんな施設が公民館が該当します。

  • 市民センター

  • 生涯学習センター

  • 文化センター

みんなが住んでいる近所にもたくさんあるかと思います。どちらかというとシニアの方の利用が多いと思いますが、僕は生涯学習センターに併設されているプールに毎週行っています。スポーツで利用している人は割と多いのではないでしょうか。

なぜ市や区が運営している公民館で社会教育が行われているか?これは教育基本法のなかで書かれている生涯学習の定義に基づいています。

国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。

教育基本法第3条より

公民館は戦後に広がった施設で、軍国主義の反省から民主主義を広めていく位置付けでもありました。

民主主義に基づくので、学習は強制されるものではないけど、すべてを本人任せにせず、みんなの能力を高めていかないと、地域全体の向上につながらない、なので国が促進しているという背景があります。

2014年に示された新しい指針では7つの原則があります。民間が運営することの違いもここに現れています。

  1. 自由と均等

  2. 無料

  3. 学習文化機関としての独自性

  4. 職員必置

  5. 地域配置

  6. 豊かな施設整備

  7. 住民参加

課題は、ハコモノ行政といわれる税金の無駄遣いです。建物をつくることが目的になって、あまり使われないのに運営費がかかる、という公民館施設は少なくないです。新しく今のニーズに適した改善も見られますが、市民がもっと参加して有効な使い方を見出すことが求められます。ここに、社会教育士が関われる可能性があります。

図書館

図書館については、以前にもこちらで紹介しました。

上に書かれていること以外の話題では、指定管理者制度があげられます。代表的なのは、CCCが運営する武雄市図書館で、選書のバラツキ・配列・併設カフェなどが課題視されました。

僕は週1で図書館を利用しているヘビーユーザーなので、民主主義の考えとは反するかもしれませんが、より高いサービスを受けられるならば、追加でお金を払ってもよいと思っています。(そこで得た利益を一般利用の品質向上に役立てる循環をイメージ)

もちろん賛否両論あるのは承知のうえで、飛行機のエコノミー・ビジネス・ファーストのように、すべて一律ではないあり方も考えられるのではないでしょうか。

博物館

博物館は次の9つを含めた総称の施設になります。美術館も含まれるし、動物園や水族館も含まれています。

  1. 総合博物館

  2. 科学博物館

  3. 歴史博物館

  4. 美術博物館

  5. 野外博物館

  6. 動物園

  7. 植物園

  8. 動植物園

  9. 水族館

対象がたまたま生き物であっても、博物館は、歴史・芸術・民族・産業・自然科学などに関する収集・保管・展示、という共通の目的を備えています。そのうえで教育的配慮をもとに、市民が学習できるための施設として運営されています。

教育的配慮とは、系統的・体系的であるということです。具体的には、展示の順路が決められていたり、展示内容の関係性がわかるよう解説が示されているなどです。

また、博物館は公民館や図書館と比べて、主体的に訪問する人が多い施設です。そのため開かれた文化施設としての側面もあります。

博物館には学芸員や飼育員など、それぞれの専門職員がいます。どのようにすれば訪問する人の関心を高めて有意義な学びを得ることができるのか、を考えて展示企画などを行なっている専門職員もまた、社会教育士の役割を担っているといえます。

学んだこと

学校や会社以外でも学ぶ場所はたくさんあることに気付かされます。

一方で、公民館や図書館は目的意識がなければ日常的に接することはあまりないし、博物館もなんとなく観て終わりで、いまいち学んだ感覚を得られない、といった難しさがあります。

学校や会社であれば、学んだことがテスト・進学・資格・昇進など、成果に直結するので、学習意欲が保てるのだと思います。一方で社会教育は強制するものではないので、学習到達目標を定めることはできません。

ここに社会教育士が関わり、適切なやる気を与えることができれば、施設のより有効活用につながるのではないかと考えます。その方法を、授業を受けて考えて続けてみたいと思います。

今日はここまでです。

デザインとビジネスをつなぐストラテジーをお絵描きしながら楽しく勉強していきたいと思っています。興味もっていただいてとても嬉しく思っています。