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4科目の位置付けを考えてみる:学習のデザイン02

すっかり更新の習慣がなくなってしまいました。

行動経済学とデザインの書籍化に向けては、今のところ順調に進んでいて、先日やっと原稿を書き上げました。このあと、いろんな赤が入ることになりそうですが、完成の目処が見えてきたら、過程のプロセスも紹介していきたいと思います。

いま、こんな感じで、構成をまとめています。(notionを使っています)

行動経済学_書籍化01

ここでの主題は前に引き続き、学習のデザインについてです。今回は、学校の科目ってあらためて何か?をメタ的に考え直してみます。

4教科の違い

大学になると、リベラルアーツやSTEAM教育など、科目の領域を横断することが重要になりますが、小学校の時点では、国語・算数・社会・理科と4教科に分かれています。他には、体育や音楽や図工などもありますが、4教科との大きな違いは、テストが出て点数がつくかどうかです。なので4教科は勉強をがんばらないといけない科目になります。

この4教科、分かれているのはどういう意味か、ということが気になり、僕なりに図に整理してみました。それがこちらです。

4教科の位置付け02

右と左は、抽象か具体かの違いです。国語や算数は抽象です。言語も数も、つきつめれば存在しない、人が生み出した概念の学問です。対して理科や社会は、実際に世の中にある事象や現象を知る学問です。

対して上と下は、特定か普遍かの違い、いわゆる文系か理系かです。国語や社会は、地域や文化に結びついた問題が出ます。対して、算数や理科は、どの国であっても、基本的には問題や回答の構成は同じです。

この2つを組み合わせると、それぞれ4教科を次のように整理することができます。

・国語:自国の言語を使えるようにする
・社会:自国の地域特性をわかるようにする
・算数:理屈を数で示せるようにする
・理科:理屈を現象で説明できるようにする

抽象と具体、特定と普遍。この4分類で考えることで、自分が得意な科目や、何が好きで何が嫌いかが、整理できます。

例えば、社会は好きだけど算数は苦手、という人は、人間の有機的な行いに興味があるけど、仕組みや法則には興味が持てない、という傾向の違いが考えられます。その場合は、なるべく数を具体的で人が登場するものに置き換えると、算数に興味が持てるかもしれません。(信長の野望のようなパラメーターがでる戦略ゲームは、算数のいい勉強になるかも)

インプットとアウトプット

ただ、国算社理の4教科が、すべてではありません。

ここに、図工・音楽・体育を入れてみると、どんな整理ができるか考えてみましょう。

4教科の位置付け03

国算社理の4教科を測る指標はテストです。これは、学んだことがちゃんと身についているか、インプットできているかを試して成績をつけます。対して他の教科は発表したり実演したりなど、アウトプットの内容で成績をつけます。

アウトプットのなかでも、図工や音楽は自己表現の要素が強く、体育や家庭は生活力を鍛える要素が強くあります。

ここで問題なのは、学校教育のなかで、アウトプットの評価基準があまりない(ように見える)ことです。テストであれば数字になるので、誰でも同じように成績をつけられます。でも発表や実演は、見る人の主観的な印象で評価しがちだからです。

でも、僕はここにこそ、ちゃんとした評価観点を持って、学校のなかでアウトプットできる機会を増やすべきだと思っています。なぜなら、今、ビジネスの世界でいわれている「創造性」だとか「答えのない問題に取り組む」といったことは、アウトプットによって培われるものだからです。

国語・算数・社会・理科でも、アウトプットの機会はたくさんあるはずですが(読書感想文や実験のレポートなど)テストに比べて、あまり重視されていないように見えます。先生の感想レベルではなく、構成や言葉づかいを細かく見たり、良い作文を書いた人のどこが良かったかを分析すれば、アウトプットのコツが身につくはずです。ここが学習の仕組みで、改善すべき点だと考えます。

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今後も、不定期になりそうですが、思いついたらまた書いていきます。本の執筆がひと段落できそうになったら、noteの更新頻度ももう少し上げてきたいと思います。

デザインとビジネスをつなぐストラテジーをお絵描きしながら楽しく勉強していきたいと思っています。興味もっていただいてとても嬉しく思っています。