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複雑な時代を拓くデザイン実践へのアプローチ 〜システミックデザイン

 英国デザインカウンシルによる報告書『Beyond Net Zero: A Systemic Design Approach』に関するシンポジウム「複雑な時代を拓くデザイン実践へのアプローチ 〜システミックデザイン シンポジウム」(2023年4月25日 18:30〜20:00)の様子を報告します。
 システミックデザインアプローチは、デザイナーやノンデザイナーがより包括的に社会技術的問題へ取り組むためのデザインアプローチです。報告書では、異なる専門分野の人々やコミュニティがともに環境や社会の課題に取り組んでいる現況を調査し、今後どのようなアプローチが必要かを明らかにしたうえで、そのための枠組を提示しています。 シンポジウムでは、英国デザインカウンシルのチーフデザインオフィサー Alexandra Deschamps-Sonsino (アレクサンドラ・デシャンソンシノ)氏のレクチャーと質疑を踏まえ、複雑な時代を拓くためのデザインについて議論を深めました。

Alexandra Deschamps-Sonsino  アレクサンドラ・デシャンソンシノ   
英国デザイン・カウンシルのチーフ・デザイン・オフィサーとして、Design for Planet ミッションの推進、デザインコミュニティのためのスキルプログラムの開発支援、デザインエコノミー分野の実務家を集めた、気候変動への対処に取り組んでいる。アレクサンドラは、英国で初めてArduinoを販売した人物で、彼女の作品はニューヨーク近代美術館とロンドンデザインミュージアムのパーマネントコレクションに収蔵されている。2011年から2020年にかけてLondon Internet of Things meetupを運営し、創業者やプロダクトマネージャー向けの倫理アンケートであるbetteriot.orgの開発に貢献した。Bulb Energyのラボ責任者、Library of Thingsのロンドンリーダーを務め、COP26ではSuperfluxがIKEAの活動を表現することに貢献した。主な著書に 「Smarter Homes」(2018年)、「Creating a Culture of Innovation」(2020年)がある。「right to repair」キャンペーンの組織であるThe Restart Projectと、ヨークを拠点とするアート組織であるMedialeの理事を務める。モントリオール大学で工業デザインを、Interaction Design Institute Ivreaでインタラクションデザインを学ぶ。

第1部:Alexandra Deschamps-Sonsino氏 によるレクチャー

第2部:質疑応答

 システミックデザインは、関係思考のデザイン方法をより実践的な方法へと接続させるための枠組みであり、複雑な社会技術的課題に対してアプローチするための手段です。システムシフトを実現するためにも、先ずはシステミックな観点に基づき着実に取り組まなければならない、デザイナーは政治的な関わりに(すこしパンクに!)踏み込まなければならない、というAlex氏のメッセージも印象的でした。

システミックデザインアプローチについては、こちらの記事でも紹介しています。併せてご覧ください。



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