国境封鎖したドイツー親友がくれたメッセージに感動した話

前回の記事に引き続いてドイツの話を書きますね。

コロナウィルスが全世界に広がり、感染の中心が欧州へと移りました。
日本が感染の中心になったばかりの時は、大騒ぎになり日本の感染対策が時代遅れ的な感じで批判しているメディアも多かったですよね。
それでも、欧州と比べると日本の感染者数は1700人前後。ダイアモンドプリンセスでの感染者を除くと、1000人を切っている事実に「そうか……」と思いました。検査の件数が他の国と比較して、少ないらしいので単純比較はできないのかもしれませんが。。。

今の状況でのメリットを語ってくれた

ドイツ人の友人に聞いてみました。
「ドイツが国境封鎖したのをテレビでみました」と私。

「ちょっと、終末期のような感じですが、今の段階では心配していません。
実は、今晩経験したのですが、今の状況にはメリットもあります。
スーパーで、人がかなり少なかったので、店員はとてもリラックスしていて、元気が良かったです。自宅にいること、旅行しないこと、できるだけホームオフィスにすることという対策は悪いことではなくて、人間にとってのPause(ドイツ語でパウゼと読みます。休息、という意味です)だという気がします。

本当の休みではないのに、生活が少し静かになって、体と精神に良いと思います。
もちろん、どこか行きたい場合は不便な時期ですが、それを除いては少し落ち着ける機会だと思います」

人間にとっての休息
誰か他にこんな発想をした人がいたでしょうか。
コロナウィルスが全世界に蔓延しているのも、人間が移動することで感染を広げているからです。感染が広がっているのに、渡航禁止、国境封鎖、自宅待機など、強制力が働かなければ、外に外に……と出かける。
それだけ、人間は多くの楽しみと刺激を外の世界に求めるわけです。外に求めるのが悪いわけではありません。外向的な人にとっては、外に楽しさ・刺激を求めるのは当たり前のことです。


外向的・内向的ー何が決めているのか?


外向的とか、内向的とか何がそう決めているのでしょうか?
それは、刺激に対する感度の違いです。
内向的=高反応
外向的=低反応


内向的な人は、外部の刺激に敏感だからこそ、自分の心の内側に向きやすくなります。考えたり、創作したり、そういう内面の活動で刺激は事足りるわけです。
職業で言うと、作曲家・科学者・芸術家といった人たちが多いかもしれません。

外向的な人は、外部の刺激に対して低反応なので、内向的な人よりも強い刺激が必要になります。だから、外に対して刺激を絶えず求めて動き回ります。
職業で言えば、政治家、起業家……などが挙げられます。

思うのですが、世の中のしくみを外向的な特性が強い、政治家が作っているので、内向的で、静かに過ごしたい人にとっては、生きづらいことがたくさんあります。
通勤ラッシュの電車は、外向的な人でも結構きついですが、刺激に高反応である内向的な人にとっては、刺激が強すぎて、脳がパニックを起こしそうになります。

私は、かつて通勤ラッシュで疲れ果てて会社に着くこと自体が仕事、のように感じていました。会社に着いた時が一番疲れていて、その後仕事を始めても、疲れが取れるまで午前中いっぱいかかっていました。だから、親友が言った「人間に必要なPause」が訪れ、否が応でも生活スタイルの変更を迫られている今、何が必要な活動でそうでないのかを見直す良いチャンス。日本はリモートワークがあまり進んでいない。

通勤ラッシュ、誰もが避けたいのに避けられない。それを、コロナ対策で新しい行動パターンにシフトしてみて、実際多くの人がメリットを感じている。
それに、一斉に同じ時間に通勤するって本当に必要?って。考えさせられる。

テクノロジーは進歩しているのに、私たち社会の枠組みはほとんど変わっていないし、昔を基準にして考えるからどうしても保守的で、理想を求めると机上の空論になりがち。

過去から未来へ進むのではなく、未来から現在へ向かっている

戦後の日本と現代では、時間の流れ方が違う気がする。
戦後は過去を振り返りながら、未来を良くしよう!と未来に向かう時間の流れ方

一方、現代社会では、実際過去というのがもう存在しなくなっていて、未来に起きることを想定して、社会システムを構築しなくては自然災害、感染症、などには対応できなくなっている。未来から現在に向かっている時間の流れ方。

だから、過去を参照しようとすればするほど、何か大きな事故、自然災害など起きれば想定外という言葉を使う場面が多くなる。

『もはや、戦後ではない』と言いたい。
私たちは忙しくしすぎ、もっと休んだ方がいい。
高度経済成長期は終わったのに、働き方はあの時と同じまま。
過去を参照して、未来に向かうのを止める。未来を想定して、現在を作る。
未来に対応できるように、今をどう生きるかを考える。

それには、人間活動をストップして、静かに過ごしてみることも必要なのではないだろうか。
経済成長が成熟期の今、成熟期の働き方を模索した方がいい。と親友は言いたかったのかもしれない。


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