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展望: 2024 J2 第2節 清水-愛媛

※前回の記事へのたくさんのスキやいいねをありがとうございましたm(__)m

ホーム開幕戦の愛媛戦に向けて

明日はいよいよホーム開幕戦の愛媛戦です。第1節のアウェイ熊本戦は、逆転で見事勝利し、最高の雰囲気で迎えることになりました。

一方で皆さん、「愛媛は昨季J3だったしホームだし楽勝でしょ」「久しぶりにアイスタで勝ちロコできそうだな」なんて思ってませんか?

去年のホーム熊本戦しかり、楽勝モードで緩い雰囲気を作り出してしまうと負けてしまうかもしれません。

実際、開幕戦も、昨季14位で、平川や島村といった主力を失った熊本相手に、ほぼ互角の戦い。正直結果がどちらに転んでもわかりませんでした。また相手の愛媛はJ3で優勝。開幕も清水が昨季勝てなかった秋田を破っています。さらに相手は「あの」清水エスパルス。一泡吹かせようと対策を練った上で全力でぶつかってきます。

なので、相手にとって、もうアイスタに来たくないと思わせるくらいの、圧倒的なアウェイの雰囲気を作り出しましょう。絶対に勝つんだという強い気持ちをもって戦いましょう。

愛媛はどんなチームなのか?

昨季J3で21勝10分7敗という戦績でJ3優勝を果たしたチームです。石丸監督率いる愛媛のスローガンは「ノンストップ・フットボール」。言葉の通り、トランジション(攻守の切り替え)が非常に早く、特にボールを奪った後に多くの選手が前線に駆け上がる速攻はとても迫力があります。また突出した個人スタッツの選手がいないように、特定の選手に頼らない、全員サッカーをしてきます。

選手としては昨季J3MVPの10番松田陸選手が精神的な支柱としてチームを引っ張ります。あとは左サイドのクロス職人の17番茂木選手。左右両足での精度の高いキックでJ3アシスト王になっています。他の注目は新加入選手。岐阜から移籍してきた13番窪田選手は、スピード・ドリブル・シュートと足下のテクニックのある右WG。またボランチにはC大阪から期限付き移籍してきたU-20代表の石渡ネルソン選手がいます。

開幕戦の愛媛の結果は?

開幕戦の愛媛対秋田を90分間見て予習しましたので、そこでの感想を共有します。この試合は、前半29分の窪田のミドルシュートによる1点を守り抜いた愛媛が1-0で勝利しました。スタッツやゴール期待値を見る限りは、どちらかというとセットプレーを中心に秋田ペースでしたが、終盤はゴール前を固めた愛媛が守り切った試合でした。


愛媛対秋田の試合スタッツ


愛媛対秋田のゴール期待値

愛媛のシステム及び強みは?

開幕戦のシステム及びスタメンは以下の通り。

愛媛の秋田戦スターティングメンバー

シンプルな4-4-2ですが、攻守の切り替えが早く、攻撃時は右サイドの窪田選手、左サイドの茂木選手が、非常に高い位置を取り、松田選手は中盤に落ちてパスのつなぎ役をするので、3トップのような形になります。
強みはなんといってもこの両WG。窪田選手はドリブルにシュートと仕掛けのできるアタッカータイプ。茂木選手は少ないタッチで質の高いクロスを送るクロス職人タイプ。この特徴の異なる両WGは本当に脅威です。時間帯によっては左右のポジションを入れ替えてきます。
2トップに入る松田選手はベテランとして懐の深いプレーができ、練習生からレギュラーを獲得したベンダンカン選手はフィジカルが強く頑張り屋さんです。
守備は去年から、ディフェンスの要となっているGKの辻、両CBの小川・森下が中央を固め、安定感があります。右SBには、神戸からレンタルで獲得した身長186cmの本職CBの尾崎が入ります。ボランチのU-20代表で185cmの石渡ネルソン選手含めて、高さがあり、単純なクロスを上げるだけではなかなか崩すことは難しいです。
攻撃戦術としては、まさに「ノンストップ」。ボールを奪った瞬間に、多くの選手が前線に駆け上がり、手数をかけずにゴール前まで一気に迫ります。J3では圧倒的な強さを誇っていたため、引いて守るような堅守カウンターではなく、4-4-2のライン間の距離をコンパクトに、守りはゾーンで、攻撃はサイド起点でやってきます。明日の試合も、この両サイドの攻防でどれだけ清水が主導権をとれるかが鍵になるでしょう。特に山原対窪田が最大の注目なると思います。

愛媛の弱点はどこにあるのか?

開幕戦を見ただけなので、あくまでも所感になりますが、攻撃については、サイド攻撃は脅威であるものの、中央や裏のスペースを使うのはあまりうまくないと感じました。また愛媛はボールを支配されると、前線の選手も守備意識が高いだけに、全体的にどんどん下がって、ラインも下がってしまうところがあり、秋田にもセカンドボールを拾われて押し込まれる展開がありました。また愛媛の右SBは本職がCBの尾崎選手であり、フィジカルは強いが、SBとして守り方、例えばドリブルやスピードで仕掛けてくる選手への対応は必ずしも上手くないように思います。あとは、攻撃に入った際には前線に人数をかけるので、それを奪われれば、逆カウンターのピンチを招く部分もあるかと思います。

清水エスパルスのスタメン・サブメンは?

さて、話題を清水エスパルスに戻しましょう。スタメンは、おそらくA熊本戦と同じになるでしょう。勝っているチームはいじらないという鉄則がありますし、実際に現時点では、コンディション含めてベストメンバーと言えると思いますので。

清水エスパルスの予想スタメン

難しいのは、サブのメンバーです。GKの沖は当確として、残りのフィールドプレイヤー6名についてどうするか。コンディション面は外部からはわからないのであくまで推測になりますが。ホームということもあり、やはり必ず勝たなければならないので、FW登録選手のベンチ入り含めて、A熊本戦から1~2名の入れ替えはあるかもしれません。候補になるのは以下の10名でしょうか。私の予想は太字です。

  • CB 高橋

  • SB/CB 吉田

  • SB/SMF 北爪

  • ボランチ 白崎

  • ボランチ/SMF/ST 矢島

  • SMF ブラガ

  • SMF 西澤

  • SMF 西原

  • FW 千葉

  • FW 郡司

この中から6名選ぶのは正直きついですね。まずDF陣は高橋選手がまだコンディションが万全ではないこともあり、SBの左右・CBもこなすことができ、投入すれば必ずディフェンス面で強度を与えられる吉田選手は外せないかなと。次にボランチでスタメン級の実力のある白崎選手。開幕戦は中村・宮本共にフル出場になりましたが、体力の消耗しやすいポジションであるボランチに計算できる選手はおいておきたいでしょう。次に左サイドの和製三笘(三笘も日本人ですが)こと17歳西原選手。上記でも触れましたが愛媛の右SBの従来ポジションがCBであり、ドリブルで仕掛けられる西原選手はジョーカーとして置いておくと思います。ここまでは固いかなと思っています。
問題は残る3枠になりますね。少し怪我で出遅れましたが、コンディションが戻っているならば、必ず置きたいのは矢島選手。ボランチ、SMF、ST(セカンドトップ)まですべてこなせるポリバレントな選手であり、大事なところの得点力もある。今のチームで乾選手に近い役割を果たせるのは矢島しかいないという意味でも交代要員としていて欲しいです。またFW枠として1名。怪我人が続出していたFW陣なので、コンディション次第で誰が選ばれるかはわかりませんが、プレシーズンで活躍した郡司選手を個人的には見てみたいです。年下の西原の活躍にも刺激を受けているでしょう。最後に入れたのは北爪選手。右SB(及び原がCBに回る際にはCB)の交代枠でも、SMFでも使え、またチームがリードをして3バックに変更する際にもSWGとして投入できるため、西澤やブラガも捨てがたいですが、使える範囲が広いということで。この辺りのサブメンバーが誰になるのかも楽しみですね。

清水にとって愛媛攻略の鍵は?

最後に愛媛に対して清水はどう戦うべきかについて考察します。
開幕戦と同じメンバーだと仮定すると愛媛のシステムは4-4-2になります。清水も守備時は4-4-2に近い形になるのでほぼミラーゲームですね。よって各選手が対峙する選手を上回るということが試合を優位に進める前提条件になります。
その上でまず守備に関して。愛媛の狙いは、清水の両SBが上がったスペースを突くこと。右は窪田選手、左は茂木選手がその役割を担います。この両サイドの主導権争いが試合の流れを決めそうです。相手のSMFが下がらない限りは、原・山原が同時に両方とも上がることは少し控えめにして、上がった側のSBのスペースはジェラ・蓮川のCBが少しスライドして埋めることが大事なります。
また愛媛の10番の松田選手は、(北川と同様)2トップながら、中盤に下りてボールの組み立てに参加します。その時に、愛媛はもう一人ベン・ダンカン選手が前線に残るので、松田選手が中盤に下がる場合には、ボランチにマークを受け渡しできるとリスク管理しやすくなります。この切り替えにも注目ですね。更にとにかく鍵になるのが、前回紹介した守備戦術①のゲーゲンプレス+同サイド圧縮です。愛媛の場合は、熊本と比較して早めに蹴ってくる傾向はありますが、清水が押し込んだ中でボールが奪われた際に、いかにゲーゲンプレスでサイドに追い込んでボールを奪い返すことができるか。それで波状攻撃に繋げられるかが守備面でも攻撃面でも大事だと思います。
攻撃に関しては、熊本戦同様、乾選手を中心に左サイドのファジーゾーン(窪田選手と尾崎選手の間のスペース)で左起点でゲームを作ることが大事になりそうです。窪田選手は高い位置を取り、尾崎選手と距離が離れがちなので、ここを狙うのは有効だと思います。また愛媛のゾーンディフェンスはコンパクトであるため、守備時はSMFが中に絞り、逆サイドに大きなスペースが空くことが多いです。左サイドでカル・乾・中村・山原当たりが絡むことで数的優位を作り、機を見て北川のポストプレーから右サイドの松崎に前向きで渡るようなシーンを多く作れると、チャンスは増えていくと思います。また愛媛は押し込まれると、選手がどんどん下がり、ボランチも最終ラインに吸収されるような形になります。この場合には、清水はしっかりと各選手の距離を取りながら、中村・宮本の両ボランチや、時には蓮川の攻撃参加で、相手の最終ラインの手前のバイタルエリアのスペースを確保し、セカンドボールを拾ったり、(枠に飛ばす)ミドルシュートなどで波状攻撃をしかけたいですね。更に得点が入らず拮抗した状態が続くのであれば、松崎→西原で、カルリを右サイドに回し、左サイドの西原が、SBが本職ではない愛媛の尾崎選手に、ガンガンドリブルで仕掛けるというのも見てみたいオプションです。

最後に

ホーム開幕戦に向けて、清水そして日本のレジェンドである岡崎選手の引退発表だったり、電気グルーヴ、ブンブンオレンジの相馬さん、当日来場する女優の中川絵美里さん、阪神タイガースの岩崎選手など様々な応援メッセージも届いています。
私も相方と一緒に、人生初のシーズンオーナーとして、ゴール裏に参戦予定です。油断は一切せず、熱い気持ちで応援し、ホーム開幕戦オレンジダービー、必ず勝ちましょう🔥

ホームで腰が引けることはあってはならないし、ホームで無類の強さを持つんだということを選手たちにも意識させてきた。我々らしく躍動する姿を見せたい。

秋葉監督

アイスタはすごく良いスタジアムという印象があって、熱いサポーターの皆さんの前でプレーできるのを楽しみにししている。その中でも自分も熱い気持ちを持ちつつ、冷静な判断ができるように準備したい。

中村選手

両サイドバックが高い位置でプレーできるのが今年のチームの良さ。その分、後ろはリスク管理が大事になるけど、同数で守れるところは自分たちが頑張って、前に人数を掛けられるようにしたい

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