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最近の記事

008 Why 'follow your passion' is bad advice

「あなたの夢はなんですか?」 若い頃は特に、こんな無邪気な質問を幾度とも問いかけられてきた。 夢に向かって部活に精を出す。なんか、ひまを貪ってぐーたら生きるよりはステキな時間かもしれませんね。 ところが、「自分のやりたいことを見つけ、その仕事に就くことが幸せの第一歩!」という考え方は間違いだ、という記事を目にしました。 Cal Newport の "Why 'follow your passion' is bad advice"。 わたしの言いたいことをきっちりと言

    • 007 オルダス ハクスリー「すばらしい新世界」

      オルダス ハクスリーの「すばらしい新世界(1932年)」の書評です。 「すべてのディストピア小説の源流にして不朽の名作、新訳版!」 ("Brave New World", Aldous Huxley, 1932) オーウェルが『1984』で描く暗い管理・監視社会に比べ、ハクスリーが描く「新世界」はとても明るい。その分逆に、とても考えさせられる内容になっています。 小説としてとても楽しいのですが、ここでは、本書を作者ハクスリーの思考実験と見て、その内容と帰結を追ってみたいと

      • 006 豊かさの病理

        たまには、現代的な話題も扱ってみたいと思う。 WHOによると、20人に1人以上のアメリカ人がうつ病になっているという。 物質的な繁栄にも関わらず、むしろ物質的繁栄と呼応する形で、精神的問題が増加。この背景にあるメカニズムについて、WEBにある記事や文献から考えてみる。 米国の記事や文献を使っているが、特段米国の状況について述べたいわけではない。単に米国の文献の方が入手しやすかっただけである。ここで取り上げている内容は、豊かで自由な国であれば、多かれ少なかれ当てはまると思う

        • 005 “PEAK” by Anders Ericsson and Robert Pool

          アンダース エリクソンらの “PEAK” を読んでみた。 ”PEAK How to master almost anything", Vintage, 2016 邦訳が「超一流になるのは才能か努力か?」というタイトルで文藝春秋から出ているが、タイトルが怪しげ(販売数が見込めるビジネス本として売りたいようだ)なので、ここでは上記英語版による。 引用文は英語版からのわたしの訳(というかGoogle翻訳先生訳)。 主題アスリート、音楽家、科学者、ビジネスマン、それぞれの分野で

        008 Why 'follow your passion' is bad advice

          004 ピーノ アプリーレ「愚か者ほど出世する」

          日本語タイトルから、「昭和なサラリーマンが居酒屋で会社の愚痴で盛り上がる」ような内容をイメージしそうだが、なかなかどうして、内容は、シニカルでユーモラス、そして鋭い。 やたら理性を軸に置きたがる哲学書などとは逆に、本書は「愚かさ」についての考察であり、いくつもの思考の糧が詰まっている。 んーん…中央公論社は、おもしろおかしい「バカ本の決定版!」で売ろうとしようとしているようだが… 本の流れイタリア語のタイトルは、 Elogio dell’imbecille: Gli i

          004 ピーノ アプリーレ「愚か者ほど出世する」

          003 Vance Packard “The Hidden Persuaders”

          今回取り上げるのは、1957年に米国で発行された Vance Packard の “The Hidden Persuaders”。 日本語に訳すと、「かくれた説得者」というところか。 1950年代に、米国の広告主が、消費者の動機づけの研究や深層心理学を取り入れ、製品に対する欲求を誘発していく手法を開拓していく様を伝え、現代につながる消費主義の舞台裏を白日の下に晒してくれる。 ダイヤモンド社から翻訳版が出ていたようだが、すでに絶版。 幸いネット上で原文を見ることができます。

          003 Vance Packard “The Hidden Persuaders”

          002 チクセントミハイ「楽しみの社会学」

          チクセントミハイといえば、「フロー体験」というキャッチーなことばが一人歩きしている感がある。「スポーツや遊びが楽しい理由は、フローを体験するからなんだよ」。以上。 いやいや… そんな話じゃない。 フローはともかくとして、そのベースにある著者の人間理解と、そこから演繹される社会学的な問題提起を追っていきたいと思います。 出典:チクセントミハイ「楽しみの社会学」、新思索社 (ISBN 4783511853) 原書:Csikszentmihalyi, Mihaly (1975

          002 チクセントミハイ「楽しみの社会学」

          001 デカルトカフェ について

          人である以上、ある程度社会に順応し、社会の中で生きていかなければなりませんが、「そもそも、この世の仕組みとか人間の営みってどうなの?」的な疑問や思いが湧いて出たりしませんか? 「人生の意義とは何か?」みたいな大それたことを考えているわけではありませんが、それでも、日々暮らしていると、一般に信じられている「世間の常識」だとか、言説だとかに、 ん、なんかおかしくね? って思うことがありませんか? わたしの場合、そんなこんなを考えることがあって、わりかしそういうの考えている

          001 デカルトカフェ について