雑記1058「が、そんなに頑張る必要はないともおっしゃる」

日本画家の西田俊英氏にギャラリートーク目当てで会いに行ったら、そこで大谷翔平の話が出て、彼が心酔する思想家の中村天風にまで言及する。

中村天風は以前から知ってたけど、まさか大谷くんとつながるとは。西田氏に会う数日前に大谷くんにそそのかされてマンダラチャートを作ったばかりだったのだ。
当然その思いの丈をトーク後の西田氏にぶつけて握手してもらっちゃった。「あぁ～、神の手だ～」言うてしもた。

そんなことがあって、大谷くんも読んだ中村氏の『運命を拓く』を読んでいる。

語彙がクソアホで悪いが、これはヤバい。ヤバすぎる。

オレが脳内にせっせとこしらえてきた神観（かみかん）は科学に裏打ちされている。たぶんされている。
こういう界隈はすぐに「雲が龍の形をなしています」とか「この日とこの日に注意しましょう」みたいなクソ紛い物が紛れ込んでくるんで、オレは科学という宗教を一応ベースにしている。もちろんムチャクチャなこと言ってる科学者もいる。だから宗教だ。
ということなので、オレ教の理念は「自分だけが合ってると思うな」ってのがある。ウソ。いま思った。つまり誰もが間違えるんだから、オレだけが正しい目を持ってるなんてことは有り得ないぜ？　って思うようにしておるのじゃな。

で、そんなオレの「神（天でも宇宙でも）ってこんな感じ？」を見事に、とりあえずいまんところオレに最適化して最も言語化してくれてるのがニール・ドナルド・ウォルシュ氏の「神との対話」シリーズだった。
ニール氏の膨大な知識量を元に、世界がなぜこうなってるのかを解き明かしてくれる。もちろん、たまに「それってどーよ？」ってのもある。が、解き明かし率が実に高い、とワテは思う。

そんなオレ教の最大の教え、いや、「最大あくまでも参考的教え」（どうしてもひとつに染まりたくないの）のニール氏に比肩するのが…比肩ってまぁオレが決めてるだけなんだけど、中村天風であった。うへーっ。

それもそのはずというか、彼の考えには東郷平八郎、松下幸之助、稲盛和夫らも傾倒している。
この本に書かれてあることを「えーっ」と疑わずに素直に実践するなら、誰もがひとかどの人物になるだろうと思ったし、著者自身もそう言ってる。

ま、それって結局「信じる者は救われる」であり「ポジショントーク」ってことにもなるんで、だから永遠に平行線なんだろうなと思った。
○○○会なんかの世界的に有名なカルト新興宗教も「信じなさい」って言っちゃうからね。「ウチを信じなさい」って。だから「本当のこと」が書いてある書物を誰も読めなくなってしまった。宗教イコールエセだとか、怖いっていうイメージが強烈すぎて。
もちろんオレもあらゆる宗教が要らないと思ってる。ジョン（レノン）さんに激しく同意だ。

でも違うのは、信じるのは自分ってことなんだよ。中村さんは壺売ったりしてこないんよ。「あなたを信じなさい」、これだけなんだ。
で、あまたのそれ関係（宇宙、脳、心理、物理、啓蒙、虫）の本なんかを読んできた（言うても100冊行ってないかもしれんが）ワテ的にはだよ、それが真だとサラサラーっと通じてくるんだよ。何もおかしいことは言ってないのだとわかるんだ。

が、この本は浅い利便の過ぎたいまの時代、かなり伝わりにくいだろうなと思った。前後をはしょるけど、たとえば
「神経過敏なのは罰当たりな所業。やめなさい。平気でいろ」
って言ってくる。これ、もういま言える人少ないと思う。炎上モンだわね。でも、事実なんですよ。
神経過敏なオレだからわかるけど、どこかのレベルでは、自分でセレクトしてやってる。これ間違いない。
それをお薬をどうこうやら、あなたはなーんにも悪くないの病気のせいなの、ってやっちゃうから「社会は私を守るべき」っていうボンクラばかりになっちゃうんだ。世界に守られてることも忘れてな。

だけど、こういうのって単純な科学とも違うんで、誰がどこでやっても同じ結果は出ない。そりゃ出ないさ。で、出ないから多くの人は「それはあなただからできたんですよ」と、そっちの筋のほうを変える。つまり「必ず同じ結果が出るはずだ。私に出ないということは、その人がたまたま持って生まれた才能があったのだ」と。

あぁ、そうか。
松下幸之助が成功の秘訣を訊かれた時に
「たまたま貧乏な家に生まれ、勉強も得意じゃなく、体も弱かったからだ」
と答えたのはもう中村氏に影響を受けていたのかもしれんな。

松下氏は、精神論でも、皮肉でも、逆境をバネにする的発想でもなく、素でそう思っていた。
つまり、丁稚に行かされ実地の商いを学べて、部下は自分より頭が良い人ばかりで助かり、移動が困難なために業務連絡を人に頼んだ（職制の誕生）。
そして、当人がそう思ったからそのように結果が変わる。

が、このことを受け入れられない人には、傑出してきたひとりに聞いた結果論と映るわなぁ。

中村氏だってインドで師匠的な人に教わってる時、最初何言ってるかわからんかったらしい。

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【今週の過去分オリジナルソング】