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「Midjourney」 名画をAI画像生成技術で遊んでみた。
こんにちは。Dentsu Lab Tokyo のアートディレクター江口です。
昨今話題になっている"AI画像生成技術"。もろ専門領域に関係するアートディレクター (以下AD)としてはすごく注目するところでして、AD視点で遊んでみたり感じたことを、ツラツラとまとめていきたいと思います。
私の様に、文字がいっぱいだと疲れてしまう〜という人でも、「あ〜、なんとなく、こういうこと出来るのね〜、りかい。りかい。」となってもらえるように、画像多めの絵本的な記事を目指したいと思います笑 よろしくお願いします!
1.そもそもMidjourneyとは?
簡単に説明しますと、「テキスト入力することで、ハイレベルなイラストや画像を作成する、人工知能プログラムのwebサービス」です。沢山のグラフィックをAIに学習させることで、テキスト文(以下プロンプト)から最適な画像生成を可能としたAI技術で、誰でも利用できます!
https://www.midjourney.com/home/
2.名画を模写してみた
プロンプトのコツや、AI画像生成を利用したビジネス構想、などを記載した記事は世の中にありふれているので、今回は「どれくらい思い通りに作れるのか?」「どれくらいのクオリティのものが作れるのか?」にフォーカスして、いろいろ実験してみました。
さっそく第1実験として、みんなが知ってる名画を作ってみましょう。
モナリザ(原画)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89258298/picture_pc_620a2ca8741aa364bf4a9a9f0d0fab69.jpg?width=1200)
モナリザ(AI画像生成)
![](https://assets.st-note.com/img/1666662791492-fz2SBFMKbs.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666663887299-NI9Rn2X3hj.png)
構図はなんとなく寄せられますね!ただ、テキストでAIに説明するので、細かい表情の作りや色相は、ドンズバで同じにはなりませんでした。
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ゴッホ 星月夜(原画)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89258456/picture_pc_7cc14d8c9fd70ef0e02afd3419ea261b.jpg?width=1200)
ゴッホ 星月夜(AI画像生成)
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89258502/picture_pc_31152e5702a2f74ac6895b8b36184a3b.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1666665795993-6vn8rdmOKs.png?width=1200)
なんか、習作っぽさはありますね笑 筆の細かなタッチを再現しながら、ゴッホの抽象感を演出することが難しかったです。
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日傘の女性(原画)
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89259244/picture_pc_3b3240039300ed8606a0b186d7ae7daf.jpg?width=1200)
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89259263/picture_pc_a730653130f0ec7bb52089ae5fcc3051.jpg?width=1200)
日傘の女性(AI画像生成)
![](https://assets.st-note.com/img/1666675085281-OZ4KhgCxqL.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666676599147-0GaOaHZhvB.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666677329953-iXr44SBDB8.png)
絵のタッチは異なりますが、印象は寄せられますね!ただ、手の描写が弱いというのが、 AI画像生成の特徴で、それが如実に現れてしまいました。
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ゴッホ ひまわり(原画)
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89259770/picture_pc_01f1cde3879b2f1efe3b46f990785403.jpg)
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89259801/picture_pc_105e56da91f753fcecb01e7358251236.jpg?width=1200)
ゴッホ ひまわり(AI画像生成)
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89259839/picture_pc_5dfe2acbe8ca7bea8f4cd677e3f4af48.png)
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89259848/picture_pc_c11f065bad1f9d5f14431387e87a907f.png)
こちらはあまり似ませんでしたね。midjourneyはドラマチックなトンマナを得意としているので、フラットな印象派の着彩を再現するのは難しいのかもしれません。
3.名画で遊んでみた
ただ模写するだけだとつまらないので、第2実験では、モナリザをいろいろとアレンジして遊んでみました!
浮世絵のモナリザ
![画像24](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89260828/picture_pc_200eadbbebab1ca461092133fef0b7a0.png)
![画像25](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89260835/picture_pc_c690caf6d001acac3f68f09359f393ef.png)
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アメコミヒーローなモナリザ
![画像42](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89322675/picture_pc_96aafcc1705c51ee1ba012f78b544a79.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666657091617-xfcQXfHELg.png)
![画像38](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89322731/picture_pc_22973bcfa0ebb9cd57985eb8784acc31.png)
![画像38](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89323587/picture_pc_ce66d26854b96f883f813b74b2650e5a.png)
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3Dアニメーションのプリンセスモナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666770002520-srZ63tktmg.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666770975167-UEZ9LS2cI5.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666771005907-0Lq7rmFh49.png)
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未来サイボーグ・モナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666278427960-izqpxQFRUb.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666278439946-igEOWtTdQl.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666774887911-S0AodiOuO8.png)
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スカル・モナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666661201674-LZZUfuXjaa.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1666661211694-nDjuVOCcnW.png)
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子供が描いたモナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666257474793-qLHAT238e2.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1666257506211-CXCItZX7DO.png?width=1200)
「既存のモチーフ×既存の画風」みたいに、それぞれ既に世の中にあるフォーマットを掛け合わせるようなアウトプットには、結構使えそうですね!
4.名画を広告っぽくしてみた
広告業界に身を置く者としては、広告っぽくしたらどうなるのか気になったので、第3実験として、モナリザをいろんな広告に登場させてみました。
口紅の広告モデルのモナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666688382218-SMIq7a9VO5.jpg)
![EGC_Mona_Lisa_Close-up_photo_of_face_Bright_red_lips_sitting_wi_18148a9c-5e2c-49a7-8467-316fc1d215b7 のコピー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89307829/picture_pc_a8d157119418b46b94a1cc39dc061e27.jpg)
モナリザが丸顔だからか、昭和の広告の匂いがしますね笑 因みに原稿隅にレイアウトされた口紅も、AIが生成しています!(以降の作品の商品画像も、ミッドジャーニーで生成していきます)
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シャンプー広告モデルのモナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666683728380-Jd3kppA3Aq.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1666688328563-giLGVd67X7.jpg?width=1200)
海外のシャンプー広告で普通にありそうですね笑 髪をツヤツヤのロングにすると、モナリザのふっくらした輪郭が生成される確率がグッと下がりました。学習させている画像データの傾向が現れますね。
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アイシャドー広告モデルのモナリザ
![](https://assets.st-note.com/img/1666751124303-dttuUmWsr9.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1666751142286-GKz0rnk7bT.jpg?width=1200)
急に小悪魔感出てきましたね笑 余談ですが、口紅を肌の色に近づけるプロンプトを入力してもあまり反映されませんでした。アイシャドーの濃さに連動して口紅も濃い写真やイラストが、多く学習されていると思われます。
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お酒の広告モデルのモナリザ
![EGC_photo_of_Mona_Lisa_drinking_alcohol_a_model_for_alcoholic_b_5f73bc71-c9cf-4758-a23b-3a1cdd89c6ca のコピー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89309648/picture_pc_5ee23f346440c2dd3fc544766c2a4153.jpg?width=1200)
![EGC_photo_of_Mona_Lisa_drinking_alcohol_a_model_for_alcoholic_b_9996bdd4-09a5-46ce-9d6a-23dbeacc4f1f のコピー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89309657/picture_pc_c6a1fbd038a131cbc475e1fc2dead4c3.jpg?width=1200)
アルコールなので、ちょっと大人でうっとり目の表情にしてみました。ウィスキーとか、ちょっと重めなお酒が似合いそうですね!
5.感動したこと。課題に感じたこと。
今回、midjourneyで一番感動したことは、クオリティと時間。ある程度腕のあるイラストレーターやカメラマンが作り出すビジュアルを、1分で作り出すこの技術は驚異でしかなったです。
逆に、一番の課題は、自分の意図した構図や細かな描画の再現が難しいこと。学習してない画風やレイアウトは当然生成出来ないので、世の中にまだない全く新しい表現を作るのは難しいです。また、どうしてもテキストで伝えるので、すごく厳密なレイアウトの指定は難しい印象でした。
ただ現段階(2022年10月)で既に、ラフスケッチから自分のイメージに近い画像を作り出すサービスが始まっていたり、プロンプトから動画を作り出したり、デザインを作り出すサービスも始まろうとしており、クリエーターの意図したアウトプットツールになるのは時間の問題だとも感じました。
クラフトがどんどんテクノロジーに代替されて行くことは避けられません。一方で今までの工程が簡略化されるからこそ、新しい表現のチャンスも出てくるとも思います。専門領域の侵食の怖さももちろんありますが、グラフィッククリエーターのテクノロジーとの向き合い方次第で、自身の表現を拡張させることも出来そう!と、好意的な感情も抱きました。
まだ触ったことない方も、是非気軽に遊んでみてみてください!
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江口 昌宏 Masahiro Eguchi
Art director / UIUX designer
企業やサービスの、ブランディングやコミュニケーションのアートディレクション、UIUXのデザイン設計などを専門としています。Dentsu Lab Tokyo 所属。
お風呂・読書・ゆっくりな時間が好きです。電話・ナス・企画中のインターホンが苦手です。
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Dentsu Lab Tokyoは、研究・企画・開発が一体となったクリエーティブのR&D組織です。日々自主開発からクライアントワークまで、幅広い領域のプロジェクトに取り組んでいます。是非サイトにもお越しいただき、私たちの活動を知っていただけると幸いです。
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