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歯科放射線学 重要ポイント
1.放射線を用いる際、放射線は基本的に人体に悪影響を及ぼす前提のもと用いるべきで、使用は一般に最小限にすべきである。
この想定される影響は、確率的影響と確定的影響の2種類ある。
確率的影響とは、影響の起こる確率(発生頻度)は線量の大きさに依存し、閾値がないものである。線量効果関係のグラフでは直線関係になる。悪性腫瘍の誘発と遺伝的影響がある。代表的疾患としては、白血病が挙げられる。
確定的影響とは、影響の重篤度が線量の大きさに依存し、閾値がある。線量効果関係のグラフではS字状曲線になる。代表的疾患としては、白内障、生殖腺への影響(不妊)、皮膚炎などがある。
2.これらの影響を防ぐために放射線の防護が必要なわけだが、そのために放射線被曝の防護体系というものが制定されており、これは3つに分類される
3つは正当化、最適化、線量制限に分類される。
正当化とは、いかなる行為もその導入が正味でプラスの利益を生むものでなければ採用してはならないというものである。
最適化とは、すべての被ばくは経済的および社会的な要因を考慮に入れながら、合理的に達成できる限り低く保たなければならないというものである。これはALARAの法則、①すべての線量を利用可能な限り低くする②すべての線量を容易に達成できる限り低くする。③すべての線量を合理的に達成できる限り低くするというものに基づいている。
線量制限とは、個人に対する線量当量はICRPがそれぞれの状況に応じて勧告する限度を超えてはならないというものである。
3.仮に放射線を多く浴びてしまった場合、組織や臓器において放射線反応が出ることがある。このうち早期障害と晩期障害について例を示しながら説明する。
早期障害とは、被爆後数週間以内に臨床症状のでるものであり、例としては、全身障害としての急性放射線症(放射線宿酔:吐き気、下痢、倦怠感など)、放射線急性死、局所障害としての皮膚、毛髪、血液、胎児などへの障害が挙げられる。
晩期障害とは、被爆時には異常がなかったが、数年~数十年後に影響の現れるものであり、例としては、悪性腫瘍の誘発や白内障などが挙げられる。
4.次にX線を発生する装置について見ていこう。X線陽極には主にタングステンなどが用いられているが、これはエックス線の陽極(ターゲット)は高原子番号の方が発生効率は良いからである。なぜなのだろうか
原子番号の高い原子は、ほとんど高い融点を示す。エックス線発生において、電子が当たると99%以上は熱へと変換されてしまうため、融点が高いほうが発生効率が良いため。(小学生の時に学んだであろう、電球のフィラメントの部分と同じである。)
またX線の発生効率は比例定数kと原子番号と管電圧の積であらわされ、発生効率を上げるためには原子番号を高くする必要がある。
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