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心地よい手間 「程よい手間を求めて」

※本投稿は株式会社デンソーデザイン部の自主研究活動であり、
弊社の開発案件や事業をご紹介するものではありません

はじめまして、株式会社デンソー 先行デザインチームの、モリカワと申します。
私は普段、今の私たちが暮らしている日常から少し離れて、自然・社会環境が変化した世界をテーマにUXの研究を行っております。
その中で、よく提案の拠り所とするのが人の「幸せ」なのですが、最近、高度に自動化された仕事をしながら、人々がゆとりある暮らしを営む社会を考えている際に、ひとつの疑問を持ちました。

自動化された仕事って楽しいのだろうか?

私のnoteは、この疑問の答えを探す研究記録です。

はじめに

自動化による「手間の無い仕事」というと一見、幸せそうに思えますし、少子高齢化の進展による人口問題や、昨今のライフスタイルの変化を鑑みても仕事が効率化されることは重要です。
しかし、高効率を目指す世の中にあっても、暮らしを豊かなものにする為には、楽しい「手間」まで失ってはならないと私は考えております。

例えば私の場合、材料を買ってきて料理をしたり、メッセージに折り紙を添えてみたりと「自分の手を使って何かをつくること」がそれなのですが、皆様にも何かやってるだけで楽しいこと、時間も忘れて没頭してしまうことが有るのではないでしょうか?
この、人を惹きつける「手間」とは何なのかを明らかにし、皆様と共有できればと考えております。

幸せの仮説

下の図は、現在、私が考えている「手間」と「幸せ」の関係を表したものです。

note挿絵01

  
「幸せ」とは、「手間」の「楽しさ」と「負荷」のバランスが取れた状態であると考えております。
また、「楽しさ」が少なく「負荷」が大きい状態になると、心に余裕がなくなり「手間」をかける事への「苦痛」が生じる。
逆に、「負荷」が少なすぎると「手間」をかけた事に対するフィードバックが感じられなくなり「飽き」が生じると考えております。
この考えを踏まえ、当面の研究として次のような仮設と目標を設定しました。

「手間」と「幸せ」の関係性の研究
仮説:程よい「手間」は「幸せ」を発生させる
目標:『程よい』に代わる具体的な値や言葉の発見と「手間」のデザイン提案

ここまで、私自身の実体験をベースにした持論を展開させて頂きましたが、今後、「楽しさ」と「負荷」のバランスがとれた『程よい』状態とは何なのか?を探るにあたって、改めて、心理学やシステム工学などの分野を調査して知見を深めていく予定です。

次回はそれらの調査で学んだことをピックアップしながら、仮説を掘り下げた内容をご紹介できればと思います。

最後までご覧いただき、有難うございました。
また宜しくお願いします。