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居残りとお菓子①
幼少期は保育所に預けられていました
毎朝8時過ぎに家を出て母の運転で保育所へ行き、預けられた後母は仕事に向かいます
保育所なのでそれぞれ迎えが来る時間がまばらで、僕はほぼ毎日最後の一人でした
16時を過ぎると保育士さんと大体マンツーマン状態です
母の迎えが来るのは遅くて19時を過ぎた頃
その後スーパーへ買い物に寄って帰宅
そんな日々でした
先に言っておくと
母の迎えが遅い事、周りの友達がみな帰り、外が真っ暗になって一人ぼっちな事、について全くもって寂しさや不満を感じた事はありませんでした
むしろ人気のオモチャを独占できてラッキーくらいに思っていました
しかしどうにも周りの大人たちは手厚く構ってくれました
残った保育士さんはやたらと僕に話しかけてくれました
きっと寂しい思いをしてるだろうと内緒でお菓子をくれたりジュースをくれたり次の日に読む紙芝居や絵本を選ばせてくれたり
そして迎えにきた母は保育士さんに毎回申し訳なさそうな顔をし僕を引き取ります
僕は最初、わざと寂しかったような素振りをしていました
そうすると帰りのスーパーで家族には内緒でお菓子を買って貰えるからです
二度美味しいくらいにしか思っていませんでした
なんともすれたガキンチョです
どうして寂しいと思わなかったのでしょうか
外は暗く一人ぼっち、お腹も空いてたはずなのに
自分でも不思議です
もし将来自分の子供がそんな風な状態でケロッとしていたら不気味に思うかも知れません
決して家庭環境が悪かった訳ではありません
家に帰りたくない、とか
母が怖い、とか
そんなのでは全くありませんでした
つづく
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