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デジタル革命の窓

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急速に進化するデジタル技術の最前線を探求するマガジンです。AI、メタバース、ゲームのライターとしての専門知識と、メタバース住民としての実体験を活かし、興味深い記事や最新トレンド、…
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#ゲーム開発

ゲーム開発者にとっての生成AIの使いどころ(2024年6月版)

生成AIは発展目覚ましく日々タイムラインを賑わせていますが、実際のところ生成AIはゲーム開発者は使うと良いことあるの?という問いに対して2022年からこの領域に取り組んでいる会社としての私見をまとめます ※状況が日々変わってるので2024年6月現在の見解です。 要点まとめ忙しい人の為にまず最初に結論から言うと 最も効果的なのは企画領域 次点でPRやマーケティングに関するコンテンツ制作 と考えています。 一方、最も期待感が高いであろう実際のゲームにそのまま導入可能なア

「ゲームがヒットした理由」がなぜ簡単に分かるのか : その錯覚の原因

ゲームを作ることを生業としているので、なにかのゲームがヒットした時は、それがなぜヒットしたのかみたいな事を考えます。 しかし、この"ヒットした理由"というのは、深く考えずとも意外とポンポン出てきたりします。 それは自分がゲーム開発者だからという事ではなく、おそらく普通のユーザーであったとしても1つ2つは簡単に思い付くと思いますし、「〇〇がヒットした理由」みたいな記事もよく見かけます。 しかもそれらの"ヒットした理由"はパッと見ではだいたいがそれっぽく、思い付いた人も自信を

ゲームに完成はない。諦めただけだ。

とある小説に「芸術に完成はない。諦めただけだ。」というレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉が載っていました。 そこを読んで思ったのが「若干ニュアンスは違う気はするが、ゲーム開発も同じかもな〜」という事です。 少なくとも自分はゲームをリリースする時に「もうこれ以上やれる事はない」と100%満足した状態で出せた事は無いですし、 「作ってる途中に心が折れて諦める」 「作ってみたら思ったより面白くないから諦める」 「自分の能力的にこれ以上のクオリティアップは無理なので諦める」 「今以上

おかしいと批難されているゲームの要素が開発内で指摘されない理由

Twitterのタイムラインを眺めていると、ゲームに関する感想で次のようなポストを見かけることがあります。 これまでゲーム開発の現場をいくつか見てきましたが、ユーザーから批難される要素がゲーム中に存在していることに開発内で誰も気づいていないということはほとんど無いように思えます。しかし、誰かしらがその要素に気づいていても、開発内で指摘されないことがあります。 クリエイターなら、誰もがより良いものを作ろうと思っているはず……。 なぜ誰も指摘を行わないのでしょうか。 開発現

なぜ1年でゲームを完成させようと思っても当然のように4年以上かかるのか

前からずっと言いたかったことがある。同じ過ちを犯すゲーム開発者に。あるいは、「ゲームを完成させた体験が無い人」に。 あなたのゲーム開発に対する予測は、ほとんどの場合正しくない。それも、20%や40%などの振れ幅ではない。200%とか400%のスケールで大きく間違っている。 私はその感覚を確かめるべく一つのアンケートを実施した。結果は火を見るより明らかな傾向を示した。 このことは、既にいくつかゲームを完成させた経験がある人にとっては、ほとんど明らかな事実である。引用ツイー