「コミュニケーションの困難」の解像度を上げよう(非録音)~ハッタツ民の方舟 第19回(随時更新)
「コミュニケーションの困難」はASDの主要な診断基準ですが、「それって具体的にどういうことよ?」と言われると、なかなか答えにくい概念です。今回はこの概念の解像度を上げる作業に取り組んで行きたいと思います。
・コミュニケーションスタイルの問題
・言語的コミュニケーションの困難
・非言語的(文脈や関係性に依存する)コミュニケーションの困難
・無言語的(表情・声色・視線・身振りなど)コミュニケーションの困難
・そもそもコミュニケーションに興味がない(重要だと思っていない)
・自他境界に問題を抱えやすい
・エゴセントリックとアロセントリックの問題
・そもそも他者の存在を認識していない問題
・特性の無理解(本人も周囲も)
・感覚過敏・鈍磨の問題
・社会のルールと本人のこだわりの衝突
・興味のないことに関心が持てない
・常に疲労・消耗していてコミュニケーションどころではない
・失感情症と「二重共感問題」
・擬態の失敗
コミュニケーションスタイルの問題
一方的に話す
相手の話を聞かない
コミュニケーションの輪に加わらない
突然感情を爆発させる
チックや常動行動のため避けられる
言語的コミュニケーションの困難
相手の発言を文字通りに受け取ってしまう
むしろ言語的コミュニケーション能力が高すぎることが困難の原因?
非言語的コミュニケーションの困難
言語外の意味を受け取ることが難しい
「察する」コミュニケーションの困難
無言語的コミュニケーションの困難
表情や声色がぎこちないため、感情が伝わりにくい
パーソナルスペースがバグっている(定型と異なる)ため、他人との物理的距離が(相手から見ての)精神的距離と一致しない
感覚過敏などで身体接触が極端に苦手な(あるいは頻繁過ぎる)場合がある
そもそもコミュニケーションに興味がない
他人に関心が全くないので、そもそもコミュニケーションを取ろうと思わない(あるいはコミュニケーションを最小限にしようとする)
自他境界に問題を抱えやすい
他人との距離感をバグらせやすい
エゴセントリックとアロセントリックの問題
自分と他者の立場を入れ替えて考えるのが苦手(サリー・アン問題)
そもそも他者の存在を認識していない問題
ASD者にはそもそも他者を人格を持った存在として認識するのが困難な傾向がある?
特性の無理解(本人も周囲も)
周囲が特性を理解してくれない以前に、本人が自分の特性を理解していないことが多い
感覚過敏の問題
聴覚過敏・聞き取り困難などで耳からの情報を処理するのが難しい
触覚過敏などでスキンシップが困難
(人混みなどで)感覚に圧倒されてコミュニケーションどころでない
社会のルールと本人のこだわりの衝突
他者には理解困難な本人のこだわりを、社会(家庭・学校・職場など)のルールより優先させた結果、トラブルを起こす
暗黙の了解が理解できない
興味のないことに関心が持てない
相手の誘いをすげなく断るなどしてトラブルの原因を作る
趣味に没頭して家庭やパートナーをおろそかにする
常に疲労・消耗していてコミュニケーションどころではない
感覚過敏・多動・不眠などで常に疲労・消耗している
仕事や勉強で手一杯でコミュニケーションにまで手が回らない
変化に弱い
「失感情症(アレキシサイミア)」と二重共感問題
擬態の失敗
フィクションやマスメディア、SNSなどを教科書として擬態しようとして「おかしなキャラ」になってしまう
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