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"アイ・ノウ・おばさん" in Guam

 今から5-6年前です。子供たちが、一回も海外に行ったことが無いから行きたい、と言い出しました。仕方ないので、海外旅行入門編として(チープで)お手軽な、グアム島を選びました。入国もスムーズで、ビーチで遊んだり、レストランで食事したり、免税店で買い物をしたりと、旅行自体は楽しい毎日でした。子供たちも、いつもと違う海外気分を満喫できたようでした。
 帰りの事です。空港には、余裕をもって出発の2時間前には到着しました。しかし、朝から空港は大混雑でした。長い列になっていましたが、出国のレーンに家族4人で大人しく並びました。しかし、列はちっとも進みません。検査等が慎重で、一人一人に時間がかかっているみたいでした。
 1時間半待っても、全然進まないので流石にマズイだろうと、行列を離れて、行列の整理を仕切っている警備の人に声を掛けました。「出発まであと残り30分です。時間がありません!」と英語で言いました。その係の人は、背は大きくありませんが、がっしりした体格の女性でした。その女性が、ドスの利いた声でゆっくりと言いました。「I know! (アイ ノウ)」。それから、列へ戻るようにとアゴで促されました。さらに10分前になっても、出国手続きが終わりません。もう一度、同じ警備の人に掛け合いましたが、返事は同じく「I know!」でした。
 予定の出発時刻になりました。ここで、やっとアナウンスがあり、私たちの乗る飛行機の搭乗者が優先的に出国手続きできるようになりました。我々家族を含めて、10人以上はいました。アセアセした係の人が慌ただしく、特別ゲートみたいな所に私達を誘導しました。しかし、荷物などの検査らしい検査はなく、大丈夫なの?と思うほど、ほとんどフリーパス状態で出国できました。
 あんないい加減な出国手続きをするくらいなら、もっと通常の手続きをテキパキこなせないのかなぁ。我家ではあの出来事以来、グアムの話題になると、あの警備員さんのことを”アイ・ノウ・おばさん”と呼んでいます。

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